こちらは甘いチョコレートです。バレンタインデーが来月に迫っていますが、チョコレート業界ではいまSDGsが注目を集めています。
大手メーカーのロッテは先進的なチョコレートのベンチャー企業を買収するなど、大きなうねりが生まれつつあります。
バレンタインもSDGs?
チョコレートの甘くない現実とは
都内の百貨店「西部池袋本店」で行なわれていたのがバレンタインのイベント。
今年は120ブランドが出店。
西武百貨店の今年の目玉商品が…
西部池袋本店 商品担当、土屋加津子さん。
マーハチョコレート。
カカオの生産者の背景などを伝えながら商品を開発しているブランド。
濃厚なチョコレートのテリーヌにガーナの子どもたちの絵をもとにデザインしたチョコレートケーキなど色とりどりの商品が並んでいます。
甘く見た目も華やかなチョコレートですが、生産現場には苦い現実が…
実はチョコレートの原料、カカオ豆の生産国のほとんどは赤道近くの発展途上国。こうした国のカカオ農園では貧困を背景に児童労働などが横行しています。
こちらのブランドは生産地のガーナに工場を建てるなど、チョコレート作りを通じてカカオをめぐる労働問題の解決に取り組んでいます。
お客様は…
気軽に社会貢献できるのはいい。
カカオの生産者と消費者をつなぐことでSDGsに貢献する。
商品の背景にある生産者を見て買うお客様が増えている。
ロッテが買収したチョコ企業とは
チョコレートをめぐるSDGsの取り組みは大手メーカーも本腰を入れようとしています。
年間8,000トンのカカオ豆をガーナなどから調達するロッテ。生産地支援などを意識したカカオ豆"フェアカカオ"の割合を現在の11%から一気に引き上げます。
ロッテの牛膓栄一社長。
"フェアカカオ"の比率は28年に50%の目標だったがこれを25年に100%に前倒して、フェアトレードのカカオを使うという目標に切り替えたい。
その足掛かりとなるのが買収したあるベンチャー企業です。
サステナブルな調達。その部分においてDari Kの買収を考えた。
京都市でチョコレートの製造販売を手掛けるDari K。
Dari Kの吉野慶一社長。
インドネシアの契約農家から調達したカカオ豆を使ったトリュフ。
味がおいしいのはもちろん、原料のカカオ豆も生産者がいいものを作ったらその分、それだけの価格で取引する。
代表の吉野氏はモルガン・スタンレー証券をやめて2011年にDari Kを設立。
インドネシアのカカオ農家およそ500人に香りを良くする発酵技術を伝え、付加価値を高めたカカオ豆を市場価格より高く買い取ることで農家の所得向上につなげています。
ロッテはDari Kの買収で現地の農家支援のノウハウを吸収し、ロッテの主な調達先であるガーナなどにも生かしていく考えです。
農園まで入り込んで農家の栽培指導をし、生活の向上を直接指導してきたところに意味があって、われわれは規模の大きさもあって農園までトレーサビリティー(流通管理)ができていない。
新たな取り組みができないかと思っている。