厳しいゼロコロナ政策に中国では白紙を掲げて抗議する姿が広がりました。その後、政府がゼロコロナを大きく転換する中で今月、2億5,000万人近くが感染したとの報道もあります。こうした中、中国人が日本で風邪薬を買い占める動きが出てきています。
中国 感染「2.5億人」!? 日本 消えた薬
東京・渋谷にある薬局で異変が起きていました。
村上晃一記者
風邪薬の売り場ですが、値札の横には「1回2点まで」、そしてその隣に「2 only」、英語でも購入の個数制限が書かれています。

頭痛薬の売り場は空っぽに。一体なぜなのでしょうか?
三千里薬局 宇田川店
西村清店長

中国人の大量買いが目立つ。
こちらで大量に購入して、中国での高額転売も起こり得る。それを避けたい。
中国の家族や知人に送るためでしょうか、制限する前は一度に30個ほど買い込むお客さんも…
特に「パブロンゴールドA」、パッケージのデザインが金色を好む中国人に人気なのだといいます。
こうした中、中国政府は12月25日の感染者数がわずか2,637人だったと発表。ところが浙江省が開いた会見では…
浙江省
担当者

浙江省での1日あたりの陽性者数は100万人を超えている。
年末年始に感染のピークを迎えるだろう。
1日あたりの陽性者数は200万人に達し、ピークは1週間ほど続くだろう。
さらに香港メディアが伝えた中国当局の内部文書では今月だけで人口の2割近い2億4,800万人が感染したとの推計も。
ゼロコロナ政策からの転換で実態がつかめない状態に陥っています。
中国 クスリ製造工場に市民殺到
感染の急拡大を受け、北京市内でも日本と同じ光景が…
北京支局
杉原啓佑記者
北京市内の薬局に来ています。
ここの棚は咳止めの薬があった場所ですが空っぽになっています。
そして解熱剤の棚も空っぽです。薬が全くありません。

北京支局
杉原啓佑記者
解熱剤はいつ入荷する?

薬局の店員

とにかくいまは商品がない。風邪薬も売り切れで入荷も未定だ。
長く続く品切れ状態に市民が殺到したのは…
撮影者

みんな製薬工場に解熱剤を買いに来ている。
これは異常だ。
大きな建物の前に伸びる長い列。ここは中国南部、広東省の薬の製造工場です。薬局で買えなくなった薬を求めて、ついに工場にまで押しかける事態に…
深刻化する薬不足に企業も動き出しています。
北京支局
杉原啓佑記者
IT大手のテンセントが開発したアプリ。
不足している医薬品を市民同士が連絡を取り合ってシェアする仕組みになっています。

薬が本当に必要ない人と余っている人をSNS上でマッチングさせ、薬をシェアするというこのアプリ。投稿内容を見てみると…
薬が必要な人

89歳で発熱があり、たんが絡む。薬が欲しい。
薬が必要な人

子どもに39度7分の高熱が出ている。余ってい薬を1瓶譲ってほしい。
悲痛な訴えが並んでいました。
このアプリは運用開始から2日で100万アクセスを集め、26万件の薬の交換が成立したといいます。
ゼロコロナ政策からの急激な転換に市民生活の混乱は続いています。