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[WBS]2年ぶり自動車ショー!EVシフト鮮明に[Fisker Inc]

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まもなく一般公開されるロサンゼルス自動車ショーの会場です。

去年は新型コロナの感染拡大を受けて中止となりましたので開催は2年ぶりです。

今年はEV(電気自動車)の新興メーカーによる新型車の発表が目立ちました。

Fisker Inc

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2年ぶりに開催されたロサンゼルス自動車ショー。

新型コロナの影響でショーの開催自体が危ぶまれていたこともあり、大手自動車メーカーの出展は総じて控えめなものになりました。

そんな中、日本勢で唯一新型車を発表したのがSUBARU。トヨタと共同開発した初のEV(電気自動車)「ソルテラ」です。

開発責任者の小野大輔さんはEVに対する反応の良さに驚きを隠せません。

アメリカの皆さんが環境に対してしっかりと考えていて、スバルのEVを待っていたことに正直驚いた。

今回のショーで発表された新型車のほとんどがEV。その多くはまだ車を1台も販売したことの無い新興メーカーのものでした。

なかでも注目を集めたのが2016年に創業し、去年10月にニューヨーク証券取引所に上場したフィスカーです。

その最大の特徴は工場を持たないこと。デザインやシステムの開発を手掛けますが、車の製造は外部に委託するのです。

この日発表したのは来年11月に発売する予定のEV「オーシャン」。

製造を委託するのはカナダの自動車部品大手「マグナインターナショナル」です。

フィスカーのヘンリック・フィスカーCEO。

一番安いモデルは3万7,499ドル(約430万円)。

航続距離は約400キロメートル、時速96キロメートルに6.9秒で達する。

創業者のヘンリック・フィスカーCEOは有名な自動車デザイナー。アストンマーチンやBMWで手がけた車は007のボンドカーにも選ばれました。

そのフィスカーさんが今回、テレビ東京の単独取材に応じました。

乗ってきた車はプラグインハイブリッド車の「カルマ」。

フィスカーさんが2007年に設立した最初の会社で世に出した車です。

しかし、そのカルマは電池の不具合でリコールが発生するなどトラブルが続き、6年で経営が破綻しました。

今回は2度目の挑戦です。

失敗から学ぶことは多い。

教訓を生かして同じ過ちを犯さなければ大きなアドバンテージになる。

今回発表したオーシャンは実用的なSUV。ルーフにはソーラーパネルを設置するなど環境意識の高い若者などにアピールします。

ニューヨーク支局の千葉優貴記者。

車の中のインテリアも環境に配慮しています。素材はすべてビーガン、動物由来のものは一切使っていません。シートも海に捨てられたプラスチックのゴミや漁で使われる網などが使用されています。

フィスカーさんが諦めない理由、それは製造を委託する車作りを成功させ、Ev時代の覇権を握るという強い思いです。

アップルの成功を参考にした。顧客体験と製品を重視している。

一方でユーザーは自分のiPhoneがどこで製造されたか気にするだろうか。

アップルのティム・クックCEOが製造ラインを視察する様子を見たことがあるだろうか。

ロサンゼルス自動車ショーでそのフィスカーのブースを訪ねてきたのはiPhoneの受託製造で知られる台湾の鴻海精密工業の幹部です。

鴻海は今年5月にフィスカーとEVを共同で開発し、製造を請け負うパートナー協定を締結したのです。

鴻海の製品部門トップ、蕭才祐副社長。

鴻海はキングではない、キングメーカーだ。

携帯電話の世界では誰もが知るナンバーワンの顧客を持っています。

私たちはEV業界で次のキングを探している。

ビジョンと創造性がある人が必要でフィスカーCEOに声をかけた。

鴻海はEVの受託製造をiPhoneに続く事業の柱に据える方針で、EVで使うハードウェアとソフトウェアのプラットフォームづくりを主導しています。

「MIH」と呼ぶ共同事業体を立ち上げ、中国の電池メーカー大手CATLやモーター大手の日本電産、IT大手のマイクロソフトなど2,000社以上のメンバーを集めたのです。

ある日本の自動車メーカーは鴻海のプラットフォームを活用したEVの製造についてすでに協議しているといいます。

われわれはゲームチャンジャーになりたい。EV産業で重要な役割を果たすことになる。

鴻海はアメリカのオハイオ州に自動車工場を取得し、2024年にフィスカーの新たなEVの生産を始める計画です。

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