
自動車業界に大きな影響を与えるニュースが入ってきました。日産自動車が企業連合を組んでいるのがフランスのルノーですが、このルノーが11月8日に中国の自動車メーカー「吉利(ジーリー)グループ」とエンジン部門の合弁会社を設立すると発表しました。しかし、日産はこの合弁会社への参画を見送りました。ルノーと日産をめぐっては資本提携をはじめ関係の見直しに向けた議論が進んでいますが、ある懸念も浮かび上がっています。
新展開 再編急ぐルノー
中国自動車メーカーと合弁設立
ルノー
デメオCEO

今こそルノーグループの組織を根底から変化させていく時が来た。
EVを世界中に出していく。
ルノーが開いた投資家向けの会見。EV(電気自動車)事業を分社化して、2023年に上場させる方針を発表しました。
これまで企業連合を組む日産自動車にもこのEV新会社への出資を求めてきたルノーでしたが…
ルノー
デメオCEO

日産とは協議する。
きょうはルノーについての話をしよう。
明言を避けたルノー。この背景にあったのが日産側の判断でした。
日産自動車 コメント

日産にとってどのようなメリットになるのか、どのように参画するべきか検討をしています。
今後の議論を踏まえ、ルノーのEV新会社への出資を検討していきます。
あくまで検討段階だと強調した日産。現段階でルノーは日産からの出資について確約を得られていないのです。
日産が二の足を踏む理由の一つがEV新会社とは別にあったとみられています。
ルノーは会見に先立ち、中国の自動車メーカーの吉利グループとエンジン部門の合弁会社を設立すると発表しました。
ヨーロッパではガソリン車などの新車販売が2035年から禁止される方向で、ルノーはアジアでの販売に活路を見出し、規模の大きい中国市場の強化を狙い中国企業と手を組んだのです。
しかし、そこに懸念を表明したのが日産でした。
日産自動車 幹部

知的財産に関する認識が違いすぎる。
まして中国に流れるのは問題外だ。
日産幹部によるとルノーと共同で開発した500件を超える特許技術について中国メーカーへの流出のリスクに待ったをかけたのです。
日産は中国との合弁会社への参画を見送りました。
日産自動車 幹部

仮に第三者に提供するなら日産に支払いが必要だ。
知的財産の取り扱いで折り合えないとEV新会社への出資もない。
新展開 再編急ぐルノー
日産に大きな転機到来か
ルノーはエンジン車事業とEV事業以外にもさらなる分社化を検討しているとされていて、ここでも知的財産の扱いをめぐって日産側と折り合わず、11月8日の発表には至らなかったといいます。
ルノーと日産をめぐってはルノーが持つ日産株を43%から15%に減らす資本関係の見直しが検討されていて、今月中旬にも正式に決定するとみられていました。
しかし、今回の知的財産をめぐる懸念が払拭されないことから、ある日産幹部は先送りされる可能性が出てきたとしています。
長らくルノーと企業連合を組んできた日産、専門家は両社の協議が日産にとって重要な転機になると指摘します。
ナカニシ自動車産業リサーチ
中西孝樹さん

日産は千載一遇のチャンスを迎えている。
日産としてはルノーの支配を脱する。
自分たちで必要なアライアンス(=提携関係)を是々非々で決めていける。
逆にいうとルノーからの自由度を得られるが、先が見えなくなったという言い方もできる。
いかに日産の未来、競争力につなげる経営判断をスピーディーにできるかだ。