新型コロナの影響で厳しい小売業界ですが、今まで以上に利益を上げている企業もあります。
コロナ禍で繁盛する店には意外な法則が隠れていました。

株式会社ベルク
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神奈川県秦野市の郊外に今月オープンしたのが食品スーパーのベルクです。

実はベルク、この半年間で売上が2割増しになるなど好調。

成功の秘訣は店舗の立地そのものでした。
ムガマエの岩崎剛幸代表、
今のコロナ禍では都心の駅前が一番避けられる。

小売業界を30年見続けてきた経営コンサルタントの岩崎氏。
都心の一等地に出店しないことが重要だといいます。

ベルクはコロナ禍で3店舗を新たに開店。全てが郊外店です。

郊外に大きな店舗を構えて駐車スペースをたくさん持って、お客様には車で来店してもらい、人と接触しないで買い物ができる店にお客様が集まっている。

株式会社セリア
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2つ目の法則はお客様の購買意欲をあおらない。

その代表例が100円ショップのセリアです。

5月以降、既存店の売上高が毎月前年を上回るセリア。

店内には派手なポップや商品の説明までほとんどありません。
その代わり見栄えの良い白い食器を必ず店頭に置くなどシンプルながらお客様が自然に買いたくなる売り場作りを徹底していたのです。

さらに岩崎氏が挙げたのが個性的な商品を作らない。

今まではあったものが「ない」方がむしろお客様に支持される。

株式会社西松屋チェーン
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その3つの「ない」、全て揃っているのが子供用品の西松屋です。

昭和31年、兵庫県姫路市で創業。

90年代から徐々に店舗数を拡大していき、今や47都道府県1,000店舗以上を構えます。

郊外店がほとんどで幹線道路沿いにないのも特徴。

店舗にはコロナ時代にも対応できる工夫の数々が…

木下幸太郎記者、
平日のお昼過ぎですがお客様の姿はまばらに見えます。

店内をあえてガラガラにすること。マネキンやワゴンなどは置かず広いスペースを確保しています。

お客様とすれ違うことが少ないので今の時期、見に来るのに便利。

広い店内はベビーカーが3台同時にすれ違うこともできます。

そして個性的な商品を作らないのも西松屋の強み。

自社開発したベビーカーは無駄なデザインを廃して価格を7,000円台に抑え人気となっています。

さらに店舗の運営にも仕掛けが…
店長に訪ねると…
西松屋町田多摩境店の髙尾治樹店長、
店舗でやる作業は必要最低限に絞っている。

基本的には2人で運営している。

人件費を抑えるため常時いる店員はたったの2人。

「店員2人ついて?」
その方が子供もいるときは落ち着いて見られる。

話しかけられないので気をつかわず楽。

店員からは声をかけず、購買意欲もあおりません。

この超少人数運営の実現のため売り場にもポイントが。
衣類はすべてハンガー掛けで陳列している。

すべて衣類をハンガー掛けにし店員が服を折り畳む作業をカット。
これに合わせて開発されたのが常連客が持つこの棒です。

一番上の列にある服をヒョイと取り出し、慣れた手付きで元の場所へ。
この棒がなければ無理。届かない。

扱いもうまくなっちゃった。

高いところにある目玉商品をお客様自身に見つけてもらいます。

今年度、西松屋は前年度の5倍以上の利益を見込むなど絶好調。

大村浩一社長はコロナ、少子化の二重苦の中でも成長できると自信を見せます。

ベビー・子供用品は2兆円の市場規模。

西松屋の売上規模は1,500億円弱。

シェアを高めることでまだまだ伸ばせる余地はある。

繁盛店から見える3つの「ない」は他の企業もヒントになるといいます。
時代は変わった。コロナによって定義が変わった。

新しい時代の定義にどう合わせていくかに真剣に向き合えば企業は伸びると思う。
