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[ガイアの夜明け] 「金の卵」を確保する!〜熱い就職戦線2017〜!(1)

「金の卵」を確保する!〜熱い就職戦線2017〜!

知るカフェ

東京大学のシンボル「赤門」。そのすぐそばに不思議なカフェがあります。

知るカフェ 東京大学前店」。

ここは学生限定のお店。お客様は最初に学生証の提示を求められます。

メニューを見てみるとドリンクは無料。2杯目からもわずか100円。豆にこだわった淹れたてのコーヒーが自慢です。

目の前の東京本郷キャンパスに通う学生のうち7割が登録して利用しているといいます。

居心地がいい。Wi-Fiも電源も完備で飲み物も無料で飲めるので。

平日も放課後になると大体席は埋まっています。あきらめて図書館へ行くんですけど。

店の中には企業の名前を映し出すモニターが設置されています。ここに秘密があるといいます。

東京・港区の慶應義塾大学。その校舎の真向いにも「知るカフェ 慶應義塾大学前店」があります。

ここに1人の男性がやって来ました。

男性は学生証を求められるわけでもなく顔パスで入っていきます。学生ではなさそうです。

日本ガイシの採用を担当している小川と申します。よろしくお願いします。

この店舗でもモニターに企業の名前が映されています。

実はこれらの会社、知るカフェのスポンサー企業。協賛企業は100社以上。年間約300万円の協賛金を支払うと企業は学生との交流会をカフェで開くことができます。

優秀な学生といち早く接点を持ち密な関係を築くことが狙い。ここは新たな人材獲得の最前線なのです。

学生は、

就職活動というのは選んでいただく活動だと思うけど、学生自身も何を見て企業を選ぶのか勉強になって楽しかった。

日本ガイシ株式会社の小川保典さん、

当社が集めてもなかなか来てくれないので、知るカフェ側で交流会があると告知してもらったり、口コミもあるし、企業が来るからとりあえず行ってみようと来てくれる人が多いと思った。

この「知るカフェ」、今では全国の有名大学の前に11店舗、今後も増える予定です。

合同企業説明会

東京ビッグサイト。3月から各地で企業の説明会がスタート。

3月12日の合同企業説明会には300を超える企業が集まりました。

人材の獲得こそ企業の生命線。

学生優位といわれる売り手市場が加速。いまや大手有名企業も例外ではありません。

日産自動車株式会社の採用担当者は、

こちらが欲しいと思う学生はいろいろな企業からオファーをもらうので。

近畿日本ツーリスト株式会社の採用担当者は、

学生優位なので、いかに会社を選んでいただくかがポイント。

人材の争奪戦は大学生だけでなく高校生にまで及んでいました。

今年の就職戦線に異常あり、その真っ只中の舞台裏を追いました。

日本ガイシ株式会社

名古屋市に本社がある日本ガイシ株式会社。

もうすぐ創業100年を迎える老舗企業です。社員数3,700人。名古屋では知らない人はいないほどの会社です。

ここで人事部に所属し新卒採用を担当しているのが知るカフェにいた小川保典さん(39歳)です。

日本ガイシ株式会社はセラミックスの製品を扱う会社です。開発した商品を消費者に売るのではなく企業へ売る、いわゆるBtoBメーカー(Business to Business)です。

自動車の排ガスを浄化する装置「自動車排ガス浄化用セラミックス」は世界シェア50%を誇ります。しかし、一般消費者の目に触れにくいため認知度が低いのが悩みのタネです。

新卒採用の担当者は小川保典さんのほかにもう一人、入社1年目の和泉貴美子さん(23歳)。

今年は文系約15人、理系約60人を採用する予定です。

景気がいいときは一般的に認知度のないBtoBメーカーはエントリーが減る。一方で大手はどんどん増える。我々としては2月以前に地道にやっていかないと勝負にならない。

小川保典さん、3週間に1度通う場所があります。行きつけのヘアサロン。採用担当として見た目には人一倍、気を配っているといいます。

清潔感というか、身だしなみは最低限整えないといけない。くたびれたおっさんとか嫌じゃないですか。

学生と向き合う採用担当者は会社の顔そのものなのです。

学生向けイベント

2月13日、大阪。

経団連の指針によると学生を直接勧誘することは3月1日まで控えるようになっています。

2月のこの日は企業の社員が自らの体験を学生に語るというあくまでイベントのカタチです。

参加企業の中にはトヨタ自動車株式会社も。

さらに日本ガイシ株式会社と同じくBtoBメーカーの大手、株式会社村田製作所の採用担当者。セラミックスを扱ういわばライバルです。

無名だけど本気で生きている熱い大人の姿というのを今日は皆さんにいっぱい感じてほしい。

2017年卒マイナビ大学生就職企業人気ランキングではトヨタ自動車株式会社は前年の1位からランクを下げ4位へ。株式会社村田製作所は57位。

一方、日本ガイシ株式会社はこれまで上位100位に入ったことがありません。

有名企業と一緒にイベントを行えば多くの学生と接点を持てます。一方で比較され埋もれてしまうリスクも抱えています。

小川保典さん、1回1回が勝負です。

熱いおっさんって恥ずかしいなって昔思っていた。今は熱いおっさんだからこそ人生楽しいし、日本ガイシの小川って面白いこと言っていたから、日本ガイシって会社見てみようかなって、つながればいいなって思っている。熱いキャラでずっといこうかなって思っています。

イベントを終えると採用担当者同士で交流会。会社の垣根を超えた付き合い。

しかし、採用においてはライバルです。

変な言い方ですけど、ここガチですよ。ガチ競合ですよ。

セラミックスなんで。

うちに来ないなら日本ガイシに行ってほしい。

うちもそういう思い。

「本当に優秀な人材は欲しい?」

欲しいです。

いろいろなところを見てから、うちと言ってほしい。

和気あいあいの中にも言葉の端々につばぜり合いが。

合同交流会

翌日の2月14日、小川保典さんはまだ大阪にいました。

優秀な理系の学生に接触するチャンスが巡ってきたのです。向かったのは「知るカフェ 大阪大学前店」。

そこには東京から乗り込んできた別の企業の採用担当者も。

まだ2月、今度は株式会社LIXIL、三菱ケミカル株式会社の3社で合同交流会というカタチです。

学生がやって来ました。

小川保典さん、真っ先に出迎えます。この日は大阪大学の理系の学生が4人集まりました。

三菱化学が気になって来ました。三菱ケミカルですかね。

「日本ガイシは知っていますか?」

水事業とかですかね。

学生たちの関心はほかの企業にあるようです。小川保典さんどうする?

小川保典さんの番です。売りはセラミックスの技術。

売り上げの7割以上が海外なので、かなり海外に関わる仕事が多い。

ライバルたちが見つめる中、若いうちから海外に出て仕事ができるという日本ガイシ株式会社の特徴もしっかりアピールします。持ち時間20ひ分はアッいう間です。

その後のフリータイム。小川さんが前のめりで話をする学生がいました。狙っている人材のようです。

大阪大学大学院基礎工学研究科の宮風里紗さん(24歳)。3月上旬までに行きたい企業を1社決めないといけないといいます。

「推薦応募」というのがあって有名なところだと村田製作所も。それですごく悩んでいて、早めに動いて、どこに推薦出すかを決めたい。

理系の学生は大学から推薦をもらうと一般より早く選考を受けられます。宮風里紗さんはその候補に京都に本社がある株式会社村田製作所を入れていました。

成績優秀で熱意もある宮風里紗さん、小川保典さんにとって是が非でも欲しい人材です。

「自信はある?」

彼女が来てくれるかどうかですか? 正直なところない。なぜかと言うと彼女は関西出身で関西のいいメーカーを見ている。

苦い思い出

小川保典さん、弱気になるのには理由がありました。新卒採用の担当となって6年、苦い思い出がたくさんあるのです。

「他の企業に行かれたことは?」

当然ある。絶対うちに来てくれるだろうなと思って内定出した学生が翌日「別の企業行きます」って。

宮風里紗さん

一方、大阪大学大学院の宮風里紗さん、大阪で生まれ育った2人姉妹の長女。

日本ガイシ株式会社のある名古屋に行くとなると気になることが。

親を将来的には面倒見たいので、できれば親の近いところがいい。京都の会社だと電車でもすごく行きやすいので、大阪駅からだと30分くらいで行けたりするので。

京都の企業か、名古屋の企業か、宮風里紗さんの心は揺れていました。

理系就活なんでも相談セミナー

日本ガイシ株式会社の新卒採用担当の小川保典さんと和泉貴美子さん。手分けをして全国を回っています。

2月27日、大阪。会社説明会解禁日の前、行われたいのはメーカー合同の理系の就職相談説明会「理系就活なんでも相談セミナー」。

日本ガイシ株式会社の和泉貴美子さんも参加しています。

来場した学生の中には大阪大学の宮風里紗さんの姿もあります。

和泉貴美子さん、絶好のチャンス。

女子ならではの悩みトークもあるし、もし何かあれば私も女子社員として相談にのるので。

宮風里紗さん、大学の推薦応募の期限が迫っていました。

推薦応募

翌日の日本ガイシ株式会社。

和泉貴美子さんが大阪出張から帰ってきました。

すごくいい報告があって、宮風さんという大阪大学の方が当社を推薦で考えてくれていると。

そこまで志望してくれていたのは、うれしい誤算というか。

宮風里紗さん、なぜ日本ガイシ株式会社を選んだのでしょうか?

これからは日本だけでなく海外にも出てやってみたいと思っていたので、自分のやりたいこととマッチするかなと思って日本ガイシを選んだ。決心がついたので、これで第一志望行けなくてもやることはやったので悔いはないなかと。

ただ、宮風里紗さんが決めたのはあくまで推薦応募。本当に就職先が日本ガイシ株式会社になるのか、それは彼女が就活を終えるまで分かりません。

企業説明会

そして3月1日、いよいよ全国各地で企業の説明会が始まりました。

ここからはうちに興味を持ってくれた学生にもっと好きになってもらう。

優秀な学生を確保するための企業間の熾烈な競争が今まさにたけなわ。

しかし、それは小川保典さんの狙う大卒の新卒だけではないようです。

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