消費者にモノを売ることに苦心する大手メーカーが、ターゲットの絞り込みに活路を見出す動きが相次いでいます。
長年、パソコンを手掛けてきたNECが1月16日、大学生に照準を定めて開発をした新製品を発表しました。
日本電気株式会社
NECが開いたPC新製品発表会。
目玉がノートパソコン「LAVIE Note Mobile」。
ターゲットを大学生に絞りました。
その理由をNECパーソナルコンピュータの河島良輔執行役員は、
おとなになったらパソコンと常に接する中で一番初めの接点が大学生。学生のニーズに合ったものを提供していこうと。
今、パソコンの国内出荷台数は5年前をピークに約4割も減少し、厳しい状況が続いています。
そこでNECは初めてパソコンを手にする大学生を取り込むことでユーザーを増やしたい考えです。
学生のニーズ
では学生のニーズは何なのか?
街で聞いてみました。
「選ぶ基準は?」
軽さと値段。
私も軽さです。持ってよく歩くので軽いものを重視した。
学生時代はワードとエクセルさえ使えれば何とかなるので、できるだけ小さく。
中にはタブレットだけでいいという人も・・・。
めっちゃいいです。パワーポイントとか使える。
僕も使いたい。持ち運べるのがでかい。
ビックカメラ新宿東口店
一方、家電量販店では意外な事実が。
一般的な売れ筋は6万円から8万円の商品ですが、学生にはより高額なパソコンが人気だといいます。
そのひとつがパナソニックの「レッツノート」。価格は18万円、USBポートが3つ付いていたり、DVDの再生が出来たりするなど豊富な機能が特徴です。
ビックカメラ新宿東口店の中田和秀さんは、
キーボードがかなり押しやすいので論文を書くのに使ったり、大学ライフで利用されるお客様が多い。
入学祝いとして買ってもらう学生も多いため低価格よりもデザインや機能が求められる傾向があるようです。
新製品
NECは大学生のニーズを徹底的にリサーチ。その結果を新製品に反映させました。
まず彼らが求める重さは1キログラム以下、そこで924グラムとしました。
もうひとつのニーズがカバンに入れやすいサイズ。大きさはA4のノートよりやや小さく、厚さは17ミリとしました。
さらにこんな工夫も。
USBの差込口を側面ではなく背面に配置して狭いデスクでUSBが邪魔にならないようにしたのです。
学生もコンパクト、1キログラム以下、デザイン性、値段。4つがうまくバランスされていることが国内ユーザー独自のニーズ。そういった製品が海外勢含めてまだ市場にないところがチャンス。
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