韓国・ソウルの市街地。平昌オリンピックの開幕まで1ヶ月を切りました。
マスコットキャラクターが飾られていたり、競技の体験会が行われていたりと、いよいよ盛り上がりを見せてきているようです。
一方、そのオリンピックのチケットの販売をめぐり日本ではトラブルも起きています。
日本のある旅行会社が人気競技であるフィギュアスケートのチケットを販売するなどして約1億円を売り上げたものの十分な数のチケットを用意できず、返金も滞っているといいます。
WBSではこの問題を独自取材しました。
株式会社グリーンツアー
[blogcard url="http://www.greentour.co.jp/"]
大雪に見舞われた1月13日の金沢市。
フィギュアスケートのファンである女性。平昌オリンピックのチケットをめぐりトラブルを抱えているといいます。
1枚約13万円した。4枚分で約56万円払った。
この女性はフィギュアスケート男子の観戦チケットやホテル代として約60万円をある旅行会社に支払いました。
チケットには3種類ありますが、このうち最もグレードの高いA席が確約されていたといいます。
オリンピックでA席で見られると思い、わくわくしながら申し込んだ。
注文してから3日以内に振り込まないとキャンセル扱いになるとメールにあったので急いでお金をかき集めて振り込んだ。
しかし2017年12月、突然メールが…。
A席のチケットが1枚も用意できていないのでキャンセルするか、B席、C席、グレードの落ちる席に変更してほしいと。A席確約をうたっていたのに用意できなかったと。12月に入ってから連絡するのはありえない。
この助成は返金を求めたものの、しばらく待って欲しいとメールが届きました。
その業者はグリーンツアー。
東京にあるという旅行会社です。
経営破綻した「てるみくらぶ」の件もあったので、ちょっと疑ったがホームページに50周年とあったので、ある程度実績のある会社だろうと思った。もっとちゃんと調べて疑っておけばよかった。
ネット上にはグリーンツアーをめぐる同様のトラブルを訴える声が相次いでいました。
都内の50代女性もフィギュアスケートのチケット代として13万円あまりを支払いましたが、チケットは入手できなかったといいます。
JTBなど公式ツアーで行けたら安心だったが倍率が高すぎて当たらなくて、グリーンツアーはA席が手配できるというので思わず飛びついてしまった。本当に腹立たしい。
トラブルの原因
東京・池袋。グリーンツアーが入居するビルです。
どうしてトラブルになってしまったのか理由を聞こうと取材を試みると、
カメラは困る。
出てきたのは男性スタッフ。詳細を知っている社長は現在、韓国に滞在しているといいます。
金鍾勳社長の連絡先を聞き、直接電話をして経緯を聞きました。
「総額いくらの注文を受けたのか?」
ホテル、送迎、飛行機も含めて金額は1億円くらい。
「返金できていないのは?」
3,000万円から3,500万円くらい。
金社長は韓国人でその人脈を生かし人気アイドルのイベントなどを多く手掛けてきました。
今回も韓国の旅行会社「BRIDGETOUR(ブリッジツアー)」と取り引きをしていましたが、その会社がチケットの確保に失敗、現在、金社長は返金の交渉のため現地にいるといいます。
「韓国ではよくあるトラブルなのか?」
私はバカだなと思う。1人でも金銭的に被害がないようにやるつもり。
ブリッジツアー
韓国の取引先、ブリッジツアー。
本当に存在するのだろうか?
取材班はソウルに向かいました。
ブリッジツアーのオフィスがあるというビルを訪ねてみると、オフィスがあるはずのフロアは空っぽでした。
実在しないのか?
ビルの関係者に話を聞いたその時、一人の男性が現れました。
ブリッジツアーの姜鉉求社長。
取材班が来たことを関係者から聞き、駆けつけたのです。
説明させてください。今はオフィスを移転しようとしている時期。
この韓国の会社は移転を予定しているが、今回のトラブルで遅れているといいます。
「グリーンツアーからA席を何枚頼まれたか?」
16日分が100枚。17日分が200枚。エキシビションが100枚。
日本のグリーンツアーから合計400枚、A席のチケットを受注していましたが…。
これがフィギュアのチケット。
社長が見せてくれたチケットは全てB席以下。
A席は買えなかった?
はい。
「1枚もA席はない?」
はい、持っていない。
実は人気協議のフィギュアスケートは韓国でも1人当たり4枚しか購入ができません。そのため知人やアルバイトなどをかき集めてチケットの購入を依頼していました。
ブリッジツアーは多くの人を動員すればA席を買えると考えていましたが、ほとんど手に入りませんでした。
代わりにB席以下のチケットを買ってしまい返す資金もないといいます。
「確約するのはまずいのでは?」
私もその責任を感じている。チケットを手配できなくなり、トラブルを引き起こし、大変申し訳ない。
あくまで騙す意図はなかったといいます。
金鍾勳社長
一方、ソウルに滞在中のグリーンツアーの金社長。
夜8時過ぎ、これから韓国のブリッジツアーと返金の交渉をするといいます。
ご存知のように警察からも連絡が来ている。
受け取った資金は使ってしまった。払い戻しになるとは思わなかったから。
また何かと理由をつけて延ばし延ばしは駄目ですよ。
話し合いは1時間ほど続きました。
ブリッジツアーの姜鉉求社長は、
これは不幸な話。お互いのためにうまくいってほしかったが、とにかく僕のミスなので早いうちに整理する。
グリーンツアーの金社長は、
何が何でも解決する。もう少し待ってください。
金社長は1月18日を期限に交渉を続けていくといいます。