この3連休はスッキリとしないお天気が続きました。7月15日の銀座の様子ですがどんよりとした曇り空となりました。

東京都心で太陽が顔を出したのはわずか10分で1日の日照時間が3時間未満となった日は19日連続となり観測史上最長を更新しました。

太陽が出ないということもあり7月の最高気温は例年に比べて低く、夏日になったのはわずか5日でした。猛暑だった去年は真夏日を超えた日も多く同じ時期と比べると10度以上の差がある日もありました。

このように気温が低い日が続いていることから経済への打撃も懸念されています。気温が上がらない中でもあの手この手で売り上げを伸ばそうとする取り組みを取材しました。

由比ガ浜海水浴場
[blogcard url="https://yuigahama.sos.gr.jp/"]
海の日の7月15日、海水浴場はあいにくの曇り空。

晴れることを願っていた。

きょうは寒いから海に入らない。

寒かった。

寒かった。
寒かった。

神奈川県の由比ガ浜海岸は7月1日に海開きをして以来、天候に恵まれず、この3連休も曇りか雨。

「3連休の客入り?」
鎌倉市海浜組合連合会の增田元秀代表は、
晴れた連休の10分の1以下。

例年はこの砂浜の砂が見えないくらいになる。

例年、来場者数のピークは海の日とお盆。

去年はシーズンでおよそ63万人が来場しました。

しかし、今年の海の日は客足はまばら。

海の家
海の家も大打撃を受けています。
To the sea for Yuigahama Beach
「売り上げ?」
トゥーザシーフォーのユイガハマビーチ、水島錦之介責任者は、
前年比で10%くらい。

去年と比べられないくらいしんどい。

sunny cafe
夏の定番、かき氷の屋台は無人。

サニーカフェの森部晃さん、
雨の中でかき氷は誰も食べない。
雨で溶けるし、全然出ないと思っているのでちゃんとやっていない。

そんな中、海水浴客が求めるのは、
ラーメンは絶対!

あたたまります。

この低気温でラーメンなどの温かい食べ物がよく出ます。
サントリーホールディングス株式会社
[blogcard url="https://www.suntory.co.jp/"]
一方で夏が書き入れ時の冷たいものの売れ行きはいまいち。
この状況を嘆いているのはビールや飲料の業界です。

7月15日、海岸の清掃活動に参加していたのはサントリーホールディングスの新浪剛史社長。曇り空が続くこの夏について尋ねると…

飲料はやっぱりこの温度と気候だと厳しい。

早く梅雨が明けてカラッと晴れる夏を待っている。

去年「暑いな」と、あの思いがまた戻ってくるように願っている。

それしかない。本当に厳しい。

有限会社アキダイ
[blogcard url="http://www.akidai.jp/index.html"]
天候不良は食卓にも影響を与えています。

こちらの店では日照不足の影響で夏野菜などの値段が日に日に上がっているといいます。
例えば2週間前まで5本入りで100円だったきゅうりが今では4本入りで238円に。

アキダイの秋葉弘道社長、
仕入れ価格が3倍になっている状況。

毎日1本単価で言えば10円くらい上がっている。

さらに長ナスの売り場は完売状態。

例年、この時期の長ナスは出荷量が多く、ひと山100円という格安の値段で販売しています。ところが今年は180円で販売しても午前中には完売してしまうほど。

今日の入荷量は去年の多い日に比べて50分の1から100分の1くらいしかない。

気候が回復したとしても日照不足は今後1か月から1か月半、野菜の成長に影響するので長期的に野菜の値段が高騰する可能性があります。
30年以上この業界にいるが、もう「恐怖」。

最大限の危険信号のようなキーワードを聞いたのは初めて。

ありえない状況に陥っている。

株式会社第一生命経済研究所
[blogcard url="http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/"]
暑くならない夏、このままの状況が続くと経済への影響は…

第一生命経済研究所の首席エコノミスト、永濱利廣氏、
冷夏が続くと今年7-9月の個人消費を1.1兆円ぐらい押し下げる可能性がある。

7-9月のGDPも0.5%ぐらい下がる。

永濱氏は過去のデータから7月から9月の日照時間が平均よりも10%減ると家計消費を0.6%程度押し下げるといいます。

過去30年間で7月と8月の気温が最も低くコメ不足となった1993年と同じ程度の日照時間なら個人消費は1.1兆円程度減ると予測されます。

今後、気温が上がっても7月の落ち込みを補うのは難しいとみています。
夏物、季節商材は早い段階で売れる。

7月の初夏のタイミングで冷夏になるとかなりダメージが大きい。

特に今回は10月に消費財増税をひかえていて、冷夏により相殺されると駆け込み需要の恩恵も受けられない可能性がある。

炭火個室居酒屋 エビス新馬場総本店
[blogcard url="https://ebisus.gorp.jp/"]
気温が上がらないことを逆手に取っている店もあります。

こちらでは夏にあまり見ないある料理が売れていました。
辛い。でもうまい。温まりますね。

それが鍋です。

唐辛子がたっぷり入ったこちらのもつ鍋。連日の寒さを受け前倒しをして販売を開始。
売れ行きは好調だといいます。
鍋効果もあって7月の売り上げは前の年に比べて2割ほど伸びているといいます。

エビス新馬場総本店の篠崎恵一店長、
雨が降ったり、気温が下がっているときは特に鍋が出る。

期待はしていなかったが思いの外、注文が入っている。

鍋料理は単価が高く、利益が確保しやすいのも特徴です。
冬の定番料理である鍋を寒さ対策として投入することでお客様のニーズをとらえています。
株式会社松屋
[blogcard url="http://www.matsuya.com/"]
冷夏に負けない取り組みをしているのが百貨店です。

売り場を回るのは松屋銀座、販売促進課の河野新平課長。その日の天候や気温で売り場の商品構成を細かく変更します。

今年はパンプスが好調なので前面に出して訴求している。

例年はこの時期、サンダル一色に並びますが、オールシーズン対応のパンプスを前面に出しています。

今の季節、ほとんど並ぶことのないレインシューズもここ最近の雨続きで売れ行きが好調です。

傘の売り場でも例年なら日傘がびっしり並びますが、雨傘が大きくスペースを取っています。

さらにメンズコーナーでも…
こちらは「ジャストニュー」ということで、これから秋口に着てもらえる新作。

夏を飛び越えて秋をも意識している商品まで。
そして、エスカレーターを上がって正面に置いてあったものは…

腹巻だが昨年は展開もしていない。

1万3,200円の腹巻。1週間に70枚ほどが売れるという好調ぶりです。

バックヤードでは夏の準備も。
これから梅雨明けで売れてくるであろうサンダル。

梅雨が明けたときにすぐに出せるようにサンダルを積んでいました。

さらに屋上では…

ビアガーデンで盛り上がる女性たち。ここ最近は雨が多かったはずですがこのビヤガーデン、なぜか客足は落ちなかったといいます。

その理由は、
梅雨が明けると思ったが屋根があるので来た。

一昨年から自由に開閉できる屋根を設置。

通常のビヤガーデンが壊滅状態に近い中、ここだけは好調です。

しかし、本音は…
「早く梅雨が明けてほしい?」
そうですね。今年に関してはそろそろ明けてほしい。

月末には盛夏商材さらに安くなるタイミングになるので、しっかり夏の商材が売れることを期待している。
