本格的な讃岐うどんを提供するお店ですがお客様の目当ては他とは少し違うという「カレーうどん」。
こんぴら茶屋
東京・品川区。目黒駅からすぐのところにそのお店はあります。
創業34年のうどん専門店「手打ちうどん こんぴら茶屋」。
毎日のように行列ができ、多い日には15人ほどが行列に並ぶといいます。平日も深夜12時になっても客足が途切れることはありません。
店主の尾藤勝彦さんはうどんの本場、香川県讃岐の出身です。
手打ちの麺は太くてもちもち、コシがあります。
小麦粉も香川の老舗から取り寄せるこだわりようです。
カレーうどん
この本格的な讃岐うどんの店でお客様の7割が頼む看板商品は「カレーうどん」。
その人気の理由とは?
こんぴら茶屋で一番人気の「牛かれーうどん(1,100円)」。
こんなに美味しいかれーうどんは初めて。
カレーが濃いのでうどんに絡む。他の店とは違う。
カレー粉と出し汁や醤油などを混ぜたスープが濃厚で麺に絡みつきます。
これだけ濃いというのはあまりない。
その濃厚さを生み出しているのが「だし」の違いだといいます。だしの材料となる煮干しやかつお節など通常のうどん店の倍以上使用しているといいます。
店主の尾藤勝彦さんは、
かなり多い量を使っている。だしの味が勝つくらいがちょうどいい。
カレーの強い香りに負けず和風だしの風味が残ります。
さらにカレーにも工夫があります。
企業秘密。どこででも手に入る野菜をすりおろしたものを炒めて入れる。
あるい野菜を入れることでドロっとしたとろみが出るのだといいます。
通常よりも濃いだしととろみが強いカレー。その2つが合わさり他とは違う濃厚なスープができます。
だからうどんを食べた後にも、
ライスの大をお願いします。
ごはんを残ったスープに入れてカレーリゾットにして食べる人も多いです。
だしが効いていて味に深みがあるといいます。
味の調整
10年以上掛けて完成させたというこの濃厚なカレーうどん。今もなお味を調整し続けているといいます。
どんな時に味を調整するんか?
店主の尾藤勝彦さんの行動を追うと、自ら洗い場に立ち下げられた器を洗っています。
れんげで最後まで食べた「線」がついている。そういうのを確認している。完食したということ。洗い場はないがしになりがたちだが一番正確にお客様の満足度がわかる位置。
チェックしているポイントは他にもあります。
今度はキョロキョロと客席の様子を見渡しています。
「何を見ている?」
お客様が食事をしている時の状況。例えば麦茶のおかわりが多いと辛いのではないかとか、そういう心配で。
尾藤勝彦さんはお客様の行動を観察してその満足度を探っていました。
「スパイシー」が買っている場合、麦茶のおかわりが多い。その場合はにぼしや昆布のコンディションが悪い。だしが出ていない。
味の変化に気づく度にだしを取る材料の量を増やしたりカレー粉とのバランスを調整してスープの味合いを守っていました。
お客様の満足をとことん追求したカレーうどん。今日もまたお客様の心に絡みつきます。