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[WBS] 泉佐野市「100億円還元」!総務省は「悪質だ」と怒り!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

2月8日、政府はふるさと納税の返礼割合を3割以下にすることを閣議決定しました。

これにより総務省の指導に従わず高い返礼割合を続ける自治体に強制力を発揮することができるようになります。

ふるさと納税はより制度になるのでしょうか?

泉佐野市

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泉佐野市が新たにキャンペーンでプレゼントするというギフト券は「地場産品」でもなければ「返礼割合3割以下」でもなく地域活性化にもつながりません。

2月8日に石田総務大臣が名指しして批判したのが、大阪・泉佐野市が2月から開始した100億還元と謳ったキャンペーン。

なんとふるさと納税した人に寄付額の最大20%のアマゾン券をプレゼントするとしています。

泉佐野市政策推進課の木ノ本誠さんは、

当然法施行されてしまうと自治体なので法を守るのが当たり前。

閉店と位置づけて閉店キャンペーンになる。

泉佐野市の担当者は法改正がされる前の特別キャンペーンだと説明します。

今回のキャンペーンで泉佐野市に例えば1万5,000円をふるさと納税すると、およそ5,000円相当のビールなどの返礼品に加え、3,000円分のアマゾンギフト券が貰えるとしています。

泉佐野市はアマゾンギフト券を返礼品とは別のプレゼントとしていますが…

実質的な返礼割合はおよそ5割を超えると見られます。

ちなみにアマゾンギフト券で100億円還元を実現するには少なくとも500億円の寄付があることが前提となり、泉佐野市の別の財源から100億円が拠出するわけではありません。

泉佐野市はなぜ法改正までの隙間を狙ってまでこうしたキャンペーンに打って出たのでしょうか?

実はかつて泉佐野市は実質収支が全国最下位になるなど財政破綻寸前の自治体でした。

泉佐野市の千代松大耕市長は、

税金以外の収入を「税外収入」と呼んでいるが、税外収入の確保をさまざまなアイデアを持ち寄ってやっていく。

7年前、泉佐野市はふるさと納税に力を入れることを宣言。

幅広いラインナップと高い返礼割合を誇り、去年とうとう受入額全国トップに。

市内の中学校にプールを設置にするなど公共サービスも充実してきました。

ふるさと納税に力を入れたおかげで、ようやく近隣の自治体に肩を並べる程度に。

そういった兆しが見えてきたと考えている。

泉佐野市は今回のキャンペーンにより寄付を集め、ふるさと納税の寄付金が減って影響を受ける地場産業を助けたいとしています。

しかし、泉佐野市のキャンペーンに他の自治体は…

北海道上士幌町企画財務課の梶達さんは、

同じルール・ガイドラインで取り組んでいる自治体が多い中、不公平。

群馬県草津町の黒岩信忠町長は、

アマゾンの感謝券は趣旨が違う。アマゾンの券は全国どこでも共通。

3割は守るべき。

他の自治体が起こる背景には納税者の多くが返礼の割合を見て寄付先を決めている現状があるからです。

ふるなび

[blogcard url="https://furunavi.jp/"]

そうした納税者が注目してきたのがポータルサイトの「ふるなび」。

そこには返礼割合5割を打ち出す自治体が次々登場しました。

去年3月、神奈川県寒川町は返礼割合5割の日本旅行ギフトカードを返礼品とするわずか25日間限定のキャンペーンを実施。

つい先月末までは和歌山県高野町が同様のキャンペーンを行いました。

しかし、いまや総務省の指導に従わないのは泉佐野市のみという状況に。

その泉佐野市への総務省の怒りは頂点に達しています。

総務省幹部は、

6月に通知が法律化されるがその際に過去に悪質な行為をした自治体は外すことはあり得る。そうしたことも考えている。

法改正前のルール逸脱でも今後、泉佐野市がふるさと納税の対象外の自治体になる可能性も出てきました。

返礼品3割で自治体間は「公平に」?規制強化納税者の受け止めは?

自治体間の公平を期すため強い規制に乗り出すため総務省の今回の改革。

一律3割規制は納税者にとっては福音なのでしょうか?

都内のITベンチャー「ARアドバンステクノロジ」で働く宮下由美子さんは、

もらえるものが少なくなってしまうのは利用者からすると悲しい。

4年前からふるさと納税を利用し始めたという宮下さん。

現在の年収は600万円程度。毎年4万円前後を返礼割合の高い自治体を選んで寄付してきました。

これは宮下さんの年収の場合、控除される金額の上限が7万円のためです。

この範囲内であれば2,000円を除く全額が所得税や住民税から控除される形で戻ってきます。

実質2,000円の負担だけでふるさと納税ができる金額の上限は年収が高い人ほど多くなる仕組みです。

宮下さんは去年3万2,000円を返礼割合の高いとされる自治体に寄付。

ビールセットやお肉のセットを返礼品としてもらい、両親への贈り物にしました。

今後一律3割となる総務省の規制には不満があるといいます。

もしかしたらふるさと納税を使う機会が減ってしまう。

使わない年もあることも想定できる。

高額所得者で上限額の多い人と自分は差があるので平均所得のサラリーマンからするとすごくずるいなという気持ち。

ふるさと納税「お金持ち」にお得?

3割規制庶民は悲嘆!富裕層は余裕!

一方、大きく事情が違う人も…

都内に暮らす金森重樹さん(48歳)。

複数の会社を所有、年収数億円のいわゆる超富裕層です。

佐賀県小城市の牛肉。

鈴岡県焼津市のマグロ。

冷蔵庫から出てくるのは日本各地からの返礼品の豪華食材です。

大体2~3日に1回は年間を通じて届くようにしている。

食事についてはこれで冷蔵庫がいっぱいなので、ふるさと納税の得点で賄える。

食材目当ての寄付額はおよそ300万円。

家族4人が日常で食べる食材は主に返礼品で賄っているといいます。

新潟県湯沢町の旅行券。去年は1,000万円くらい寄付している。

ホテルに泊まったり、町で飲食したり、タクシーの支払いにも使える。

1,020万円を寄付した新潟・湯沢町からはおよそ300万円分のクーポンを獲得。

家族旅行に使っています。

去年の寄付の総額は3,066万2,000円。

自己負担の2,000円を除いた3,066万円分の住民税が控除されるため痛みはありません。

返礼率の高いところを狙う。平均すると40~50%の間。

全てが50%の還元率だとすると返礼品は1,500万円相当になります。

返礼割合が3割に制限されるとかなり減額されてしまいますが…

ふるさと納税がない時代に比べると、以前はすごい税金を持っていかれていたので。

3割上限でもやらないよりはやった方がよくて、影響がないとは言えないけれど、続けていきたいと思う。

額が高額なため、お得であることに変わりはないといいます。

富裕層には影響が少ないと話す今回の総務省の改革。

富裕層向けのコンシェルジュ!

あのふるなびは今後、あるサービスに力を入れていくとしています。

ふるなびを運営するアイモバイルの工藤正美さんは、

業界独自でやっているが、年収2,000万円以上の方を対象にコンシェルジュサービスをやっている。

年収2,000万円以上の高額納税者に向けてコンシェルジュサービスを展開しているふるなび。

コンシェルジュがお客様の要望に合わせて全国の返礼品の中から魅力的なものだけを厳選してくれるサービスです。

こちらは寄付額100万円の人向けに作ったプラン。

三重県玉城町の松阪牛や山梨県甲州市のワインセット、佐賀県小城市の白米などをチョイスしています。

コンシェルジュの1人は、

年数を重ねるとどういったものが好みかが分かる。

よりおすすめの返礼品を提案することができる。

ふるなびでは高額納税者向けのサービスに商機を見出しています。

返礼品で差別化ができなくなるので、他の返礼品サイトとどこで差別化を図っていくか、ふるなびは高額納税者をターゲットとして他社と差別化を図っていく。

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