メガバンクの2018年4-9月期の決算が11月14日に出揃いました。
純利益 | 業務純益 | |
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三菱UFJ銀行 | 6,507億円(↑4%) | 2,734億円(↓19%) |
三井住友銀行 | 4,726億円(↑12%) | 3,019億円(↓1%) |
みずほ銀行 | 3,593億円(↑13%) | 2,014億円(↑21%) |
3社ともに純利益は前の年に比べて増加しましたが、銀行本業の儲けを示す実質業務純益を見てみると、マイナス金利政策など超低金利の逆風で三菱UFJ銀行と三井住友銀行は減益となりました。
そんな中、コスト削減のため金融機関が議論しているのが各銀行ごとに分かれているATMの共通化です。
利用者にとっては手数料が無料になるなどの恩恵がありそうですが、私たちの生活に欠かせないATMはこの先、どう変わっていくのでしょうか?
株式会社三井住友銀行
[blogcard url="https://www.smbc.co.jp/"]
利光泰輔記者、
私はいま東京の豊洲駅前に来ています。
あちらをご覧ください。銀行の看板がずらりと並んでいます。
豊洲駅前にはATMや銀行が密集しています。
ここは東京屈指のATM密集地帯。
駅の近くにあるATMだけで10ヵ所以上。
街の声
「普段ATMを使う?」
あまり使わない。
今、ネットでやっているから最近ではATMを使わない。
こんなにたくさんはいらない。
ATMは何個かの銀行が一緒になって一回下ろしたらそこで入金とかできれば。
ATMの共通化
こうした中、銀行も対応を始めました。
三菱UFJ銀行と三井住友銀行はATMの共通化に向けて動き出しました。
三井住友フィナンシャルグループの國部毅社長は、
これからの金融業、銀行業を考えたとき、まさに新しい時代、テクノロジーの進展、国際金融規制の強化という環境の中ですべて自前でやるのではなく、他の金融機関と共同できるところは共同でやる。
現在は三井住友銀行の預金者が三菱UFJ銀行のATMで現金を引き出すと平日の日中で108円の手数料がかかります。
しかしATMを共通化することでこの手数料が無料となります。
三菱UFJ銀行の預金者も同様に三井住友銀行のATMから無料で現金を引き出せます。
2019年の早い時期をめどに両行合わせ2,000ヵ所以上で銀行の店舗外にあるATMで共通化を進める計画です。
「手数料収入は減るがメリットは大きいのか?」
多少、手数料収入に影響があるかもしれないが、われわれの個人客に対しどうやっていまの環境でサービスを提供して利便性を高めていくかをメインに考えるべきだと思っている。
両行がATMの共通化を勧める一番の狙いが維持費の削減です。
ATM1台の管理費は年間700万円から1,000万円ともいわれます。
ATMの共通化によって将来的には両行で500台近くを廃止する方針で年間数十億円のコスト削減を見込んでいます。
株式会社みずほ銀行
[blogcard url="https://www.mizuhobank.co.jp/index.html"]
一方、みずほ銀行は口座管理を行う新たなシステムへの移行を進めていて、三井住友銀行と三菱UFJ銀行の共通化には当面参加しない考えです。
「ATMについて今後の戦略は?」
みずほフィナンシャルグループの坂井辰史社長は、
コスト削減の余地を探っていくことではさらなる提携もこれから積極的に考えていく。
外との連携、中でのスクラップアンドビルド、あらゆる可能性に積極的に対応していきたい。
Japan Digital Design 株式会社
[blogcard url="https://www.japan-d2.com/"]
そして今より生産性の高いATMの開発が進められています。
三菱UFJフィナンシャルグループの子会社、ジャパンデジタルデザインは移動式ATMカーを開発。
クルマの後部にはATMが設置されています。
機能を出金だけにしぼることでコンパクトなサイズを実現しました。
さらにこちらは開発中のキャッシュカードのいらないATMです。
携帯の専用アプリで本人認証すれば現金を下ろすことが出来るといいます。
ATMの将来
私たちが使うATMは将来どうなるのか…
複数の銀行が共同で運営する可能性もあると三菱UFJのトップは言及しました。
三菱UFJフィナンシャルグループの平野信行社長、
そもそも設置場所、システム・機器の共同化。
究極の姿として日本の金融機関がATMに関して共同出資して共同運営会社を作ることが将来的にあるかもしれない。