東京でスタートアップ企業が集まるエリアというと真っ先に思い浮かぶのが六本木や渋谷です。
しかし、ここ数年で品川区・五反田にスタートアップが集まり始めています。ほかのエリアとは違う特色を出していこうと最近始めているのが地元商店街の活性化です。
一般社団法人五反田バレー
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東京・五反田。周辺はソニー創業の地として知られます。
オフィス賃料は渋谷よりおよそ2~3割りやすく、飲食店が多いのも特徴です。
古いビルがまだ数多く立ち並ぶ五反田エリアですが、こちらは1970年に開館した大型商業施設「TOCビル」
飲食店向けの予約情報システムを提供するトレタです。5年ほど前に本社を五反田に構えました。
トレタの事業開発部リーダー、高武俊平さん、
五反田には飲食店がたくさんある。
飲食店向けサービスを提供している。
会社から店が近いと理解できる。
メインとなるのは予約情報をタブレットで管理するシステム。
複雑な紙の予約台帳をタブレットで誰でも簡単に予約の受付ができるように設計しました。
居酒屋など1万店ほどが導入しています。
五反田の多くの飲食店もこのシステムを採用。人気店も多く、サービス改善に役立てています。
飲食店の予約受付作業に沿って設計。このツールの使い方を覚える必要がない。
新型コロナの感染対策を求められる飲食店に新たなシステムを開発しました。
店からQRコードをもらい、自分のスマホに読み込むと店のメニュー画面に。お客様は人、ものと接触することなく注文ができます。
メニューは店にとって重要なツール。画面のデザインや写真は店ごとに合わせて作っています。
店に立ってお客様やスタッフと会話し、現場に近い形で作っている。
五反田駅の近くのオフィスビル。
セーフィーが手掛けるのはクラウドカメラです。
店やオフィスの現在に様子をスマホやパソコンで確認でき、カメラの映像をクラウドに保存する技術により過去の映像もすぐに検索できます。
セーフィーのアライアンス戦略室室長、小室秀明さん、
誰でも簡単に設置できる。数十万円の設置コストが1万9,800円。
誰でも簡単に使うことができる。
大掛かり工事やシステムは不要。五反田の小さな飲食店やビルでも広く導入されています。
人手不足などに悩むお店向けに1年ほど前に開始したサービスも…
顔認証システムを組み合わせ、入ってきた人の訪れた回数がわかります。
社員の女性は1,000回以上。
大浜キャスターは1回と認識。その上、おおよその年齢も検知します。
経験の長い店員はお客様の顔を記憶。
新しいアルバイトだと記憶できない。
人によるサービスの質の差をテクノロジーで埋める。
個別では低い知名度を五反田全体が一体となることで乗り越えようと一般社団法人五反田バレーが設立されました。現在50社が共同でイベント企画に取り組むなどしています。品川区もバックアップしています。
去年から本格的に動き出したのが地元商店街のIT化です。
五反田バレーの代表理事、中村岳人さん、
"五反田バレー"の立て付け、区と連携。
「話を聞いてもいい」と壁を取り払ってもらえる。
1社で行くより濃い話を聞くことができる。
ここでもカギとなるのが地元密着と手助けです。
この日は新型コロナ対策でテイクアウトを始めた店などに向け電話応対の負担を減らすサービスを提案します。
コグラフの自動電話応対システム。電話に応答するのはAIです。
お客様が話した内容は30秒ほどでスマホに文字で転送されます。
接客で電話応対が難しいお店での活用が期待できます。
工事や電話番号の変更は不要、標準価格は月500円です。
中延商店街振興組合の理事、鈴木卓也さん、
商店街と一緒に考えてくれるサービスはなかった。
五反田バレーはいろいろなサービスを商店街の目線で提案してくれる。
現在、およそ20店舗が導入しているのがグーグルマップ上でお店が表示されやすくなるシステム。
表示される店の情報や写真を管理します。金物店では幅広い品揃えの写真をアップ。意外な方法で来店するお客様が増えました。
偶然にも店主の朝海直一さんは…
大学のゼミの先輩。
包丁研ぎのお客様がよく来る。
インターネット見て来たと言われるが、積極的に宣伝したわけではない。
若い世代のお客様が来ている感覚はある。
商店街はひと通りのものが集まっている。
明日届くアマゾンより、30分で歩いていくことができる中延商店街。
利便性や商品の見つけやすさを磨けば差別化できる。
渋谷や六本木とは違ったかたちで新たな展開を模索する五反田バレー。地元の人々や商店との接点の多さを企業の競争力に結びつけるという動きはエリア全体の魅力を高めることになるのでしょうか。