日本経済新聞社などが開催する世界経営者会議は2日間の日程を終えて閉幕しました。
11月8日の会議では東芝と半導体メモリー事業の売却を巡って係争中のアメリカ、ウエスタンデジタルのスティーブ・ミリガンCEOが講演し、状況は厳しいが決意を持って必ず解決させたいと強調しました。
Western Digital(ウエスタンデジタル)
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午後3時頃、長らく公の場に姿を現さなかったウエスタンデジタルのスティーブ・ミリガンCEOが登壇。
何を語るのか、その発言に開場の注目が集まりました。
半導体メモリー事業の売却を巡って関係が悪化している東芝について、
東芝との関係は困難な状況。誰も望んでいなかった。
東芝は半導体メモリー事業をアメリカの投資ファンド、ベインキャピタルが主導する日米韓連合2018年3月までに売却する方針です。
一方、東芝と協業を続けるウエスタンデジタルは売却の差し止めを求めて国際仲介裁判所に申し立てをしています。
事態の収取が見えない中、ミリガンCEOの胸の内は?
ウエスタンデジタルにとって東芝との関係は非常に需要。われわれの最優先事項は長期的に東芝との協業を成功させること。
今後の関係改善に意欲を示したものの具体的な方策については言及しませんでした。
株式会社ファーストリテイリング
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世界経営者会議にはファーストリテイリングの柳井正会長兼社長も登場。
テレビ東京の単独インタビューに応じました。
2017年8月期決算は好調な海外ユニクロ事業が牽引し売上高が1兆8,619億円と過去最高になりました。
ただ、柳井氏は、
海外も大事だが日本企業なので日本で稼がないことには始まらない。
国内ユニクロ事業は売上がほぼ横ばいにとどまり、営業利益は6%減益に…。
柳井氏は目標に掲げる売上高3兆円は近年中に確実に実現すると自信を見せたものの国内のコスト高に危機感を募らせています。
インターネット販売
国内でさらに稼ぐために力を入れているのがインターネット販売です。現在、6%にとどまる国内販売に占める比率を30%まで高める計画ですが、自社サイトでの販売にこだわるといいます。
アマゾンにしてもどこにしても全部協力してもらわないとだめ。ただアマゾンのショッピングモールには出ない。
「楽天なら出る?」
出ません。ショッピングモールには出ません。
一方で国内の店舗数は830にのぼります。ネット販売の比率を高めていく中でこれらの店舗も姿を変えていく見通しです。
これ(店舗網)は維持しないといけない。でも今の店舗でいいかどうかは疑問。商品を体験できるスペースか、そういうことがバーチャルできるところなのか、まあこれ以上は言えないですけど。
もうネットとかリアルとかいうふうに言えなくなるのが最高の顧客体験。
後継者問題
そして後継者問題。
柳井氏が70歳になる2年後をめどに社長職を退くと一部報道もあります。
70歳になったら日常業務から離れたいと思っているが、あくまで僕の希望。
「会社が望めば社長の続投もあり得る?」
会社というより業績とか継続性を考えないといけないのではないか。あまり居座ると若い人を育成できないので、そこが問題だと思う。