アメリカや中国の経済回復を背景に自動車や半導体の製造装置の輸出が大きく増えています。
7月の日本の輸出額は自動車と半導体製造装置の輸出が伸びたことで前の年の同じ月に比べて37%増え、7兆3,564億円でした。
これはコロナ前の2年前と比較しても10%以上の増加となっています。
今後もこの2つの輸出の柱が回復の遅れる日本経済を引っ張っていくことになるのでしょうか。
日産自動車株式会社
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8月18日、アメリカ・ニューヨークで初公開されたスポーツカー「Z」、日本ではフェアレディZとして知られる日産自動車を代表する車です。
日産自動車のアシュワニ・グプタCOO。
アルファベット一文字で説明できる車がほかにあるでしょうか。
1969年に初代が発売されて以来、およそ半世紀。今回のモデルは7代目です。
生産されるのは日本の栃木工場で、来年春にアメリカで発売される予定です。
日産は輸出が好調に伸びています。6月の北米向けの輸出は前の年に比べて3.5倍に。
同じくトヨタもピックアップトラックなどがけん引し、北米向けの輸出が今年の上半期、前の年に比べておよそ1.4倍に。
こうした自動車の順調な需要回復を背景に8月18日に発表された貿易統計でも7月のアメリカ向けの輸出は1兆3,841億円と前の年から26.8%の増加となりました。
2年連続の巨額赤字を計上するなど苦境が続いていた日産ですが、思い出されるのは…
日産自動車のカルロス・ゴーン社長(当時)。
Z is Back!
2002年、当時社長だったカルロス・ゴーン氏によって発表されたのが5代目のフェアレディZ。
経営危機からV字回復を果たした日産の復活のシンボルとなりました。
7台目フェアレディZには日産のみならずコロナで低迷する日本経済上昇の期待がかかります。
意欲的でまた手が届くこのスポーツカーは夢と現実の交差点にあります。
一方、自動車とともに輸出をけん引した半導体。
特に中国向けの輸出は半導体製造装置や半導体電子部品が大幅に伸び、1兆5,807億円と前の年の同じ月と比べて18.9%増加しました。
製造装置の国内最大手「東京エレクトロン」の河合利樹社長がテレビ東京の単独インタビューに応じ、強さのヒミツを明かしました。
最先端の露光装置につながるコータデベロッパという装置ではシェアが100%。
世の中にある半導体で当社を通らない半導体はほぼないと言っても過言ではない。
半導体製造の基礎工程のうち1つは東京エレクトロンの製造装置が世界シェア100%。
つまり世界トップのインテルやサムスン電子など全ての半導体メーカーが東京エレクトロンの装置を使用しているといいます。
貿易統計によると半導体製造装置の輸出先として大きな伸びを示しているのは中国ですが、東京エレクトロンは今後ほかの市場も成長が続くと見ています。
ICT、デジタルトランスフォーメーション、AIという技術が使われ始めた最初の段階で半導体のデバイス市場は去年4,400億ドル(約48兆円)。2030年には1兆ドル(約110兆円)になる。
非常にロングターム(長期的)で成長していく。