スマートフォン市場の勢力図が変わりつつあります。
2017年のスマートフォンの世界シェアの1位は韓国のサムスン電子、そして2位にアメリカのアップルと続いています。
最新のシェアではアップルが2010年以来の3位に後退してファーウェイやオッポといった中国メーカーが低価格を武器にシェアを伸ばしている状況です。
それでも1位のサムスンが最もライバル視しているのはアップルです。
ニューヨークで最新機種の発表会を開いたサムスン。
アップルを意識する理由を取材しました。
サムスン電子
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観光客で賑わうニューヨーク・タイムズスクエア。
この日、何やら意味深な巨大広告が…
黄色の板のようなものの中心にボタンが一つだけ。
8月9日はサムスンの新商品発表の日。
午前11時、発表会が始まりました。
サムスン電子の高東真CEO兼ITモバイル部門長は、
ギャラクシーノート9が期待外れになることはない。
ギャラクシーノート9
発表した最新モデルがこちら。
ギャラクシーノートシリーズの特徴でもあるペンに初めてブルートゥースを搭載。
あの広告の黄色い板はこのペン。
サムスンが勝負をかける新機能です。
宇井五郎記者、
ペンを使ってスマホの遠隔操作が可能になりました。ペンに付いているボタンを1回押すとカメラのシャッターが切れ、2回押すと手前のインカメラに切り替わる仕組みです。
ほかにもペンのスイッチを押すと動画の再生や一時停止を遠隔で行うことが出来るなど機能の拡充に重きをおいた今回の新スマホ。
その理由はライバルの存在です。
アップル
店員の胸には見慣れたりんご型のロゴが…
SDカードの使用に対応していないiPhoneを皮肉るCM。
徹底的にアップルをライバル視しています。
ただ、その明暗ははっきりと分かれています。
アップルは999ドルのIiPhoneXの販売が好調。
平均単価を押し上げ4月-6月期としては過去最高の利益を達成しました。
一方、サムスンは1,000ドルの旗艦機種「ギャラクシーS9」が苦戦。
スマホを含むITモバイル事業は2018年4月-6月期に34%の大幅な営業減益に陥ったのです。
中国市場
さらに象徴的だったのが中国市場。
低価格を売りにするファーウェイ、オッポなど中国勢が市場のシェアを席巻する中、売上高で1位になったのはアップル。
アップルは低価格のシェア争いと一線を画し収益性の高い高機能商品で巨大中国市場でも存在感を示したのです。
一方、サムスンの中国シェアは0.8%にまで低下。
もはや存在感はありません。
世界シェア1位のサムスンともいえどもアップルファンを切り崩すのは簡単ではありません。
「サムスンに替えたら?」
iPhone歴8年だからね、今から替えるのは難しい。
アップルのクラウドにあらゆるデータがあるから。
子どもたちがiPhoneだから合わせている。テレビ電話も便利。
ただサムスンも手をこまねいているわけではありません。
サムスンが開発しているのは新世代のスマホ。
1枚の液晶画面で画面を折りたたみ可能。見開きで使うスマホです。
アップルなども開発中とされますが先制攻撃で2019年に発売を狙うとみられています。
徹底的にアップルをライバル視するサムスン。
その戦略が功を奏してシェアと業績拡大につなげることはできるのでしょうか。