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[WBS]アメリカ景気の足かせ?消費最前線スーパーに異変

2022年1月28日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

1月27日発表されたアメリカの10-12月期の実質GDP(国内総生産)の速報値は年率換算で6.9%のプラスでした。

ニューヨークの手塚明日香記者に詳しく伝えてもらいます。

アメリカ 10-12月期GDP 年率6.9%プラス

去年10-12月期のGDPは市場予想を大きく上回る強い数字で2.3%のプラスだった前の期から成長が大きく加速したことになります。

GDPの7割近くを占める個人消費は3.3%と増加しました。

7-9月は新型コロナのデルタ株の感染拡大で消費が減速していましたが、10月以降感染が落ち着いた反動で消費が回復したことが影響したと見られます。

また設備投資も2%増加しました。

去年の終わりに力強い回復を見せつけたアメリア経済ですが今年に入り消費の現場ではその回復に水を差しかねないある問題が起きています。

アメリカ 物流混乱"品切れ"続々!老舗スーパー「こんな経験ない」

今月上旬、アメリカ各地のスーパーではある異変が…

生鮮食品や日用品などあらゆる棚が空っぽになっていたのです。

ある調査によればアメリカ全土で食料品の15%が品切れになったといいます。

お客様は…

肉もトイレットペーパーもない。信じられないよ。

こうした品切れは世界中からあらゆるものが集まるニューヨークでも起きていました。

中心部マンハッタンにある創業88年の老舗スーパー「ゼイバーズ」。

この店で長年働いているスコット・ゴールドシャインさん。

地下の倉庫を案内してもらうと棚にはところどころ空いたスペースが。

10~15種類の商品が在庫切れ。

44年働いているがこれほどの品切れは経験したことがない。

もともと寒波の影響で物流が混乱していた中、オミクロン株の感染拡大でトラック運転手らの数が不足し、配送の回数が極端に減ったといいます。

こちらはクリームチーズの売り場。棚は埋まっていますが…

ここは「フィラデルフィア」というチーズの棚だが今は手に入らない。

人気ブランドの入荷ができなくなったため代わりに仕入れた別ブランドのチーズが置いてありました。

クリームチーズの在庫があるか業者にとにかく声をかけた。

中には普段払っている価格の2~3倍の額を要求する業者もいた。

在庫不足による価格の上昇。6ドル49セントだったクリームチーズは6ドル99セントに。他にもこの店では輸入品のオリーブオイルなどを値上げしました。

「物価上昇を感じるか?」

この店だけでなくどこでも感じる。肉も果実も全て値上がりした。

さらにこの店を一番悩ませているのが人手不足の問題です。

人を雇うのにこんなに苦労したことはない。

年収約900万円~1,100万円の料理人の求人が埋まらない。

惣菜を作る料理人など従業員の数が常に5~10人足りない状況になっています。

オミクロン株の影響でさらに深刻になった人手不足と物価上昇がアメリカ経済の先行きに暗い影を落としています。

専門家に今後の見通しを聞くと…

バークレイズ・キャピタルのマイケル・ゲイペン氏。

オミクロン株の影響で一時的に経済成長が減速する。

1-3月期の実質GDPは年率2.5%増を見込む。

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