3月8日の国際女性デーにちなみテレビ東京を始めとする在京の民法局とNHKは女性の健康や体をテーマにした放送や配信に取り組んでいます。今回取り上げるのは「Femtech(フェムテック)」。女性を表す「Famale」と「Technology」を掛け合わせた言葉で月経や更年期など女性特有の健康課題を技術で解決する商品を指します。

ユニクロやイオンなど大手企業も続々と参入し、日本では2025年までにその経済効果は2兆円にも膨らむといわれています。今回は新しい市場を切り開く若きゲームチェンジャーの取り組みを取材しました。

「フェムテック」タブーを商機に
いまフェムテックへの関心が高まっています。

ソフトバンクの本社で社員が見ていたのはナプキンの代わりに経血を吸収する吸水ショーツや月経カップ、さらにこちらは骨盤底筋を鍛える膣トレグッズ。



こういう形で入れて、落ちないようにホールドする。

クリアしたら追加する。

筋トレ!

フェムテックについて学ぶイベントに社員およそ200人が参加しました。

今回、イベントを開催したのはフェルマータという企業。

フェルマータの杉本亜美奈CEO。
新しいものなのでどうやって使うの?という声はある。

啓蒙活動が必要。

代表の杉本亜美奈さん(33歳)。フェムテック業界をけん引する経営者として注目を集めています。

2019年に日本で初めてフェムテックに関する展示会を実施し話題を呼びました。

東京・六本木にその店舗「New Stand Tokyo」があります。

田中瞳キャスターが取材しました。
フェルマータは国内外からフェムテック商品を買い付け販売しています。
オランダの商品。大使館から日本に持っていきたいと話があった。

月経カップですかと聞かれることもある。

これを入れて子宮口にふたをして、精液を出てこないようにする。

こちらの商品「ファーティリリー」は妊娠をサポートするために開発されました。

自然妊娠と病院での妊娠。こちは0円、こっちは何十万円。

間のグッズがない。

フェルマータでは他にもフェムテック事業のサポートなど国内外100社以上の企業と取引をしています。

代表の杉本さん、幼少期を過ごしたアフリカでの生活が人生に大きな影響を与えました。

仲良くなった現地の子が私に聞いたのは将来何になりたい?

いろいろ言った。そしてたその子が「叶えられるからいいよね」って。

子どもながらに亡くなったとわかった。

当たり前のように自分は将来なんでもできると思っていたが彼女が生まれた環境はそれさえ与えられない。

この経験から医療格差のない世の中を作りたいと医学の道を志します。

東京大学やイギリスの大学院で医療制度の整備や医薬品の認可に関わる医薬品アクセスを学んだ杉本さん。

その後、目をつけたのが女性特有の健康課題を解決するビジネスでした。

ここにあった。医薬品アクセスの問題。その一つが女性の健康課題。

ブルーオーシャン(未開拓な市場)でビジネスになると思った。

医薬品アクセス改善の知識が活かせる。

杉本さん、日本にない新たなフェムテック商品の販売に向けて動いています。

大学病院に持ち込んだこちらの機器「Kegg」、女性のおりものの状態を計測し、妊娠しやすい時期を予測する機器としてアメリカではすでに販売されています。

12月末に厚労省に一般名称を作ってもらうための資料を提出した段階。

日本での販売に向け、有効性を実証するため東京大学と共同研究を実施。

医療機器として国の承認を得たい考えです。
フェムテックの世界は考え方が新しすぎて、今の法律や基準に沿ったものではないことが多い。

産業側が国と一緒にどういう風に変えていくか。

議論して改善することが必要。

日本のフェムテック業界を牽引する杉本さんが思い描く未来とは…

5年後、10年後、フェムテックという言葉がなくなっているのが私たちの目的。

こういうものが置いてあるのが次の世代の人たちにとっても当たり前になっている世界になっていたら同じモデルの違うタブー分野に置き換えて、また産業を作っていくようなことをやっていきたい。
