政府は1月28日に新型コロナの濃厚接触者の待機期間を現在の10日間から7日間に短縮すると発表しました。
また神奈川県は医療機関や保健所のひっ迫を解消するために全国で初めて医師の診断がなくても自宅療養ができる新たな仕組みを始めました。
社会機能は維持できるのでしょうか。

濃厚接触者の待機期間を短縮!10日間から7日間へ 長い? 短い?
1月28日に新型コロナの濃厚接触者の待機期間について問われた岸田総理。

一般の人は10日間から7日間に変更し、エッセンシャルワーカーは2回の検査を組み合わせることで5日目に待機解除。

社会経済活動のブレーキになりかねない濃厚接触者の待機期間。これまで10日間としていた待機期間を7日間に、エッセンシャルワーカーについては5日目から復帰できるよう期間の短縮を決めました。

合わせて入国者の待機期間も10日から7日に短縮します。

その理由について後藤厚労大臣は…

濃厚接触者の待機解除にあたって解除後の発症リスク5%が一つの目安。

リスク基準を1%から5%まで許容する形で社会的機能維持に必要な対応を図る。

国立感染症研究所の分析によれば10日間の待機で発症するリスクは1%ですが、7日間の待機では5%に。政府は今回、この5%のリスクを許容して社会活動の維持を図る方針に踏み切ったのです。

街の人は…
宝石店経営の男性。
短縮には賛成。検査で陰性が出ればすぐ復帰してもらって。

美容師の女性。
ちょっと怖い。早く出てこないでというのが率直な意見。

10日くらいあると安心かな。

企業はどう受け止めているのでしょうか。
感染拡大で巣ごもり需要が再び増える中、売り上げを大きく伸ばしているというデリバリー大手の出前館。配達員が濃厚接触者になれば需要を取り逃がしてしまいます。

出前館の清村遙子取締役。
待機短縮は端的に言うとポジティブにとらえている。

多くの配達員にしっかり稼働してもらうということで働き手が多くなるのポジティブ。

出前館ではお客様と働き手の安心と安全を重視し、濃厚接触者の待機期間を通常より長めの14日間としていますが、今回の政府の決定を受けて待機期間の短縮の検討に入るとしています。

配達員が増えることは良いことだが、一方で配達員たちが安心安全で働けるかという観点と届けるお客様に影響がないか考える必要がある。

医療ひっ迫の改善になるか!?診断なし「自主療養」始まる
1月28日、全国で新たな感染者数が初めて8万人を超えました。

神奈川県でも6,469人の感染が明らかになり、過去最多を更新しました。感染の急拡大で県も対応に追われています。

神奈川県 医療提供情報担当課長、鈴木智明さん。
保健所が患者データを登録していた作業の一部を代わりに行っている場所。

第5波が神奈川全体で1日の感染者が2,800人だったのでかなりひっ迫した状態。

1月28日は県の職員などおよそ60人で作業を行っていましたが発生分の登録は夜遅くまで掛かる見通しです。

こうした状況を改善するために県は1月28日から新たな仕組みを取り入れました。
県で開発した。

スマホを使ってもらうことで簡単にアクセスできる。

それが自主療養届出システムです。

スマートフォンを使って必要事項を入力、市販の検査キットなどで調べた陽性の検査結果を添付します。

これまでは医療機関で受診した後、保健所からの指示を受ける必要があり、現在ここがひっ迫しています。そこで自分で登録することで自宅療養がすぐに始められる仕組みを導入しました。対象は6歳から49歳までで基礎疾患などがないことが条件です。

LINEなどを使って毎日体調の変化を報告してもらい、万一悪化した場合には保健所を通じて入院などの手配を行います。

さらに…
登録してもらうと自主療養届を自動で発行する仕組み。

発症した日と自宅待機の終了予定日が記載され、勤務先や学校などに提出できる書類なども用意しました。
神奈川県が自主療養を採用した理由は関係機関のひっ迫だけでなくオミクロン株の特性に合わせた対応だといいます。

神奈川県 医療危機対策統括官、阿南英明医師。
デルタ株などに比べると入院率や肺炎、重症化する率は非常に低い。

今、対峙している第6波はオミクロン第1波だ。

オミクロンと戦うには今までとは違う相手だから、私たちの対応は今までと同じではなくオミクロン用の対応をしなくてはならない。

その選択肢が自主療養になるんだと思う。
