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[WBS]3Dプリンターで家を建てる!世界最大規模登場 実力は?[エス.ラボ株式会社]

2021年10月22日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

一生に一度の大きな買い物といわれるマイホームですが、その常識が変わるかもしれません。

30坪程度の住宅なら建設費はわずか300万円という次世代住宅が再来年にも登場しそうです。

その低価格を実現するのが最新の3Dプリンターです。

エス.ラボ株式会社

[blogcard url="https://slab.jp/"]

京都市内の倉庫の一室。

静かに動く箱型の装置、実はこれ…

エス.ラボの柚山精一社長。

弊社が開発した3Dプリンター。

京都市のベンチャー企業「エス.ラボ」が10月22日に発表したこちらの機械。

高さ、幅、奥行きがそれぞれ3mある世界最大規模の3Dプリンター「茶室」です。

粒状のプラスチック樹脂の原料を溶かし、プログラミングされた形を自動で作っていきます。

材料が出ながら積層している。

他の3Dプリンターと比べて非常にスピードが速い。

大型ベンチを24時間で完成させるなど従来の3Dプリンターの10倍ほどの製造スピードが特徴だといいます。

価格は4,000万円ほどで販売目標は年間10台。

何社か住宅メーカーと話をしている。

プラスチック樹脂だけでなく建築用のモルタルなども原料として使うことができ、3Dプリンターで家を作ることは技術的にも十分可能だといいます。

口で「可能性」と言っても誰も信じてくれない。

技術の世界ではまず「ものを見せろ」なので作ったものの価値をこれから見せていく段階に入る。

アメリカの南部テキサス州には世界で初めてといわれる3Dプリンターで建てた家があります。

それがこちら。シンプルな外観で一見普通の住宅に見えます。

早速、家の中を見せてもらうと、まず目を引くのは窓の多さ。そして白を基調とした壁と相まって室内は明るく空間が広がっています。

その壁には多くの線が一面に刻まれていて、部屋の角の部分は丸みを帯びたデザインになっています。

この家を先月購入したというカップルは…

メーガン・マクファーソンさん。

普通の家との大きな違いは構造の美しさと壁のユニークさ。

キャラハン・ピーターズさん。

一般的な石造りの建物では見られないようなカーブした壁もある。

このデザインこそが3Dプリンターで建てた証だといいます。

ノズルの先端から流れ出る灰色の柔らかい物体を何層も重ねていくちょっと変わった光景。実はこれ、家の外壁部分を作っているのです。

まるでケーキをデコレーションするかのようにモルタルが重ねられていきますが、人は手を出さず隣で見ているだけです。

キャラハンさんはプログラム通りに自動で動く3Dプリンターだからこそできる曲線や何層も寸分違わず積み重ねられたモルタルの壁には独特な風合いがあるといいます。

私にとってはアート作品の中に住んでいるような感覚だ。

見るのも触るのも楽しい。

このデザインが購入の決め手の1つだったというキャラハンさん、旅行客などにユニークな物件を貸し出すビジネスを始めるため、この3Dプリンターで作られた家2軒をおよそ1億8,000万円で購入したといいます。

お客様に来て滞在してもらい、3Dプリンターの家で暮らす感覚を味わってほしい。

アメリカ・カルフォルニア州では3Dプリンターで作る住宅街の計画も始まっています。

工場で外壁などを一気に作り、建設現場で組み立てる予定です。

日本でも3Dプリンターで作る住宅の実現に向けた動きが加速しています。

セレンディクスの飯田國大COO。

これは80分の1の大きさだが、これを建設用3Dプリンターで10m2の大きさで出力する。

来年の春に建設を予定しているのは丸みを帯びた特殊な形の家。

海外の建築用3Dプリンターを使い、4時間ほどで出力できるといいます。

さらに再来年に目指すのは100m2の一般住宅の販売です。

想定価格はなんと300万円。低価格を実現できる秘密はこの丸い形にあるといいます。

海外では3Dプリンターで作った後に人間が鉄骨を入れる手間がかかるのでコストが3割から半分しか下がらない。

私たちの家は形を球体にすることで球体自体を構造体にするので価格を10分の1の300万円まで下げることができると考えている。

今後は耐震性について検証も進めていくとしています。

ただ現状では3Dプリンターを使った10m2以上の建築物は建築基準法で認められていません。実現には法律の改正などが必要となります。

それでも3Dプリンター住宅に注目が集まるのは建設業界の抱える高齢化や人手不足といった問題を解決できる可能性を秘めている点です。

間違った動きをしないか見るためにオペレーターがいるだけで、あとは全自動出力。

これまで関わっていた多くの人がいなくても進めていけるようになるので効果がある。

3Dプリンター住宅が現実味を帯びる中、デジタル技術を駆使できる人材育成も急務となっています。

東京大学の特任講師、平野利樹さん。

6台あったら翌日までに3D印刷が間に合う。

3Dプリンターを活用し、未来の住まいの形を学生に教えている平野講師。次世代の建築人材を育成する研究施設として先週、東京大学と積水ハウスが開設しました

複雑な形でもレーザーの光で簡単に板を焼き切るレザーカッターに…

手では上手に切れないですよね。

こちらは三次元のものをデジタルスキャンする装置。3Dスキャンするだけでデータを落とし込み、すぐ設計することが可能になります。

このようなデジタル技術を駆使して作ったものがこちら。高輪ゲートウェイ駅の柱部分。原寸大です。

原寸大は非常に大事。

デジタル技術で複雑なものをすぐに出して検証できる。

世界でも最先端をいく日本のデジタル技術ですが、建築分野で使いこなせるのはごくわずかな専門家だけというのが現状です。

これから3Dプリンター住宅が本格化する前に人材育成の重要性を訴えます。

最先端のツールを取り入れていくといってもすぐにできるわけではなく、学生から慣れ親しんでいかないとだめ。

社会に出た後もすぐにデジタル技術を使い、いろいろな発想で作っていく人材を育てたい。

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