快進撃を続け世界を沸かせた桜の選手たちがその戦いに幕を下ろしました。ラグビーワールドカップで史上初のベスト8に進出した日本代表は10月20日、南アフリカと対戦し健闘及ばず敗れましたが大変な盛り上がりを見せました。素晴らしい試合の数々を見てすっかりラグビーファンになった方も多いようですが、そんなかつてないラグビー熱を今後につなげようと今ある構想が持ち上がっています。
2021年の秋を念頭にしたプロリーグの設立構想です。その舞台裏を取材しました。
公益財団法人日本ラグビーフットボール協会
[blogcard url="https://www.rugby-japan.jp/"]
日本列島をラグビー一色に染めた31人の桜の選手たち。
4年後の向けて日本代表がやるべきことを聞かれると…
リーチ・マイケル主将、
日本代表を強いまま継続することが大事。
もう1回、日本のファンが感動できる試合を続けたらいいと思う。
田中史朗選手、
日本の国として継続して日本ラグビーが強くなるようにしないといけない。
堀江翔太選手、
選手だけではできないので協会を含め、みんあで上に上がっていければいいと思う。
今回の盛り上がりを継続するために浮上しているのがラグビーリーグのプロ化構想です。
二宮清純氏
スポーツジャーナリストの二宮清純氏は、
国内リーグが盛んじゃないと国際的な競争力は持ちえない。
実はいまラグビーワールドカップの人気とは裏腹に国内トップリーグの財政は窮地に立たされています。
強豪国のトップリーグの年間支出を見てみると日本は286億円と3位ですが、収益ではわずか38億円の最下位と採算が低い状況です。
いまスポーツ収益というものはテレビ放映権も大事だけどファシリティ、いわゆるスタジアム、ハコでもうけるかが中心になっている。
そこで今回のラグビーワールドカップの開催地になった都市を本拠地としたプロリーグ構想が浮上しているのです。
札幌
その候補地の1つが北海道の札幌です。
9月にはラグビーワールドカップが2試合行われ、大きな盛り上がりを見せました。
地元の住民は、
ぜひプロチームができてほしい。
野球チームもあるしサッカーチームもある。
そこにラグビーが加わったらすごく盛り上がる。
ここにプロチームができた場合、ホームスタジアムの最有力とされるのが札幌ドーム。
収容人数はおよそ4万人。天候に左右されることもありません。
すでにプロ野球の日本ハムファイターズとJリーグのコンサドーレ札幌の本拠地となっていますが、およそ半日で切り替えることができるので、他のプロスポーツと共用は可能だといいます。
札幌市スポーツ局の山﨑高徳さん、
ドームの新たな活用ということではラグビーも重要なコンテンツとして考えられる。
こう語るのは今回ラグビーワールドカップの運営に協力した札幌市の担当者。
市としても新たなスポーツチームができることで町のさらなる活性化を期待しています。
ただ、
採算、それは企業なのか放映権で賄われるのか、ファンからの支援なのか、そういう方策は考えなくてはいけない。
プロ化して本当に採算がとれるのか疑問だといいます。
株式会社千葉ジェッツふなばし
[blogcard url="https://chibajets.jp/"]
こうした中、いち早くプロ化を実現し収益面でも成功しているスポーツがあります。
花岡昌平記者、
ご覧ください。このように会場は超満員。とてつもない熱気に包まれています。
千葉県の船橋にあるスタジアムで行われていのたがプロバスケットボールのBリーグ。
千葉ジェッツと川崎ブレイブサンダースの試合。
5,000人ほど収容できる会場に立ち見客が出るほどの人気ぶりです。
千葉ジェッツふなばしの島田慎二会長、
旧リーグから数えると4年連続で観客動員が1位。
ファンの熱量や声援の大きさなど熱さもどんどんバージョンアップしている。
千葉ジェッツの人気を支えているのが地元船橋を意識した様々な取り組みです。
試合がない日でも年間およそ300のイベントを行い、地元ファンとの交流を増やしているといいます。
船橋の名産、小松菜を使ったハイボールも提供し、スタジアムに訪れたファンを楽しませます。
そして選手の胸にはいくつもの企業ロゴが…
さらには足にも。
実は千葉ジェッツは地元企業などおよそ340社とスポンサー契約を結んでいます。
少しずつ集めて大きな資金にして大企業のクラブに立ち向かっているので地域から支えられている熱量の指標でもあり誇りでもある。
こうした取り組みでチームの売り上げは7年前と比べおよそ8倍に増加。
売り上げの一部は選手の年俸に反映され、かつては月給5万円の選手もいましたが、今では日本人初の1億円プレイヤーも誕生しました。
ラグビーもプロバスケットのBリーグのように成功させることが可能なのでしょうか?
二宮さんはラグビーのプロ化に向けた動きは注目を集める今だからこそチャンスだといいます。
風が変わってきた。追い風が吹いているというか。
日本人は熱しやすく冷めやすい。予熱がある間に早く次の段階にいかないといけない。
最大にして最適なタイミングだと思う。