"眠れる銅"取り込む独自戦略
銅鉱石から銅が取れにくくなる中、三菱マテリアルが注力するのがリサイクルです。

埼玉県熊谷市にある工場に来ています。山積みになっているのが使わなくなったパソコン、ししてスマートフォンなどもあります。

電子機器から回収されたのが回路基板、いわゆる廃基板です。

廃基板には金や銀、銅、そしてレアメタルのパラジウムなどが含まれ、都市鉱山と呼ばれています。


中田屋 熊谷工場だけで1日およそ100kgのパソコンやスマホの廃基板を回収。1台1台手作業で解体しています。

テレワークによるパソコンの買い換えの増加で去年よりおよそ1.5倍の入荷量になっているそうです。

「銅はどこ?」

中田屋 熊谷工場の関根正臣さん。
基板が層になっている。

こちらに銅が多く含まれている。

基板自体に電気を通すための銅が何層にも重ねられているのです。

CPUのこちら側が銅ということです。

ノートパソコン1台から取れる銅はおよそ80g。

実はこの会社が回収した廃基板の一部を三菱マテリアルが買い取っているのです。

三菱マテリアルでは世界で発生する年間およそ80万トンの廃基板の2割、およそ16万トンを処理。これは世界最大規模です。

銅リサイクル拡大戦略

またオランダにある廃基板の集荷拠点に11億円を投資。集荷能力を増強する計画です。

さらに去年12月には世界初となる廃基板専用のウェブ取引システム「MEX」を立ち上げました。

三菱マテリアルが買い取り、資源確保を目指します。
三菱マテリアル 金属事業 リサイクル部の押田裕太郎さん。
世界のどこでどのような廃電子機器が発生しているのか把握しきれていないためデータを蓄積してビッグデータを作りたい。

取引を希望する業者はこのシステムに売りたい廃基板の情報を入力。三菱マテリアルではサンプルを分析して買取価格を決める仕組み。

目指すのは全ての事業でリサイクルを展開していくこと。

その裏で小野社長は事業構造の改革に着手。アルミとセメント事業の再編に動きました。

アルミ事業は去年11月に小会社2社をアメリカの投資ファンド「アポロ・グローバル・マネジメント」に負債を含めおよそ600億円で売却すると発表。

またセメント事業は宇部興産と新会社「UBE三菱セメント」を設立。統合することを決めました。

成長分野への選択と集中

成長分野に集中投資するいわば選択と集中の戦略です。
「決断の理由は?」

銅が伸びていくということもあるので、銅はメインの素材として当社にとって重要。

リサイクルを中心とした、すでにある物から次に製品につなげる原料を取り出すという静脈の部分をやっていくこと。

製品として使ってもらえる動脈の部分。

両方をやっていくのが当社として重要。

とはいえリスクはないのでしょうか。
「銅依存へのリスクは?」

銅を中心としているため、銅市況が変動する影響を受けやすい状況にあるのは事実。

そこをいかに緩和していくか。

銅のバリューチェーンでも銅鉱山へも投資する。製錬もやっている。下流の加工もやる。

そこのバランスを保っていくことが銅価が変動しても全体のどこかではきちんと利益を上げていく。
