新型コロナウイルスの影響などによって大都市から地方への移住がいま急速に増えています。
なかでも注目されているのがこちら、白樺湖や蓼科のある長野県茅野市です。
例えばこちらの蓼科エリアに近い住宅地、バブル時代に造成されたものの半分ほどが売れ残っていた負の遺産だったのですが、今年に入って飛ぶように売れ始めたといいます。
盛り上がる現場を取材しました。
株式会社池の平ホテル&リゾーツ
[blogcard url="https://hotel.ikenotaira-resort.co.jp/"]
長野県茅野市の北部にある白樺湖。
先月下旬、その湖畔で野外ライブが開かれました。
湖での新たな過ごし方というコンセプトのイベントで2日間で1,400人以上を集めました。
ライブ以外にもカヌーが出来たり、
最高です。
こちらのテントでは本格的なサウナが楽しめたり冬の湖畔がリラックス空間に。
イベントの参加者たちは、
白樺湖は初めて来た。
若い人も来て、活気あるイベントができる所でもあると思った。
そして、こんな人も、
いま仕事がテレワーク主体になっているので移住の候補地として検討したい。
イベントの主催者は移住希望者へのアピールが狙いの1つだったと話します。
イベントを主催した矢島義拡さん、
白樺湖はリゾート地で住む場所ではないとの見方が主流。
ただ遊びに来るのではなく「過ごす」「住む」に移していく。
白樺湖の畔に建つ老舗ホテル「池の平ホテル」。
実はあのイベントを主催した矢島さんはこのホテルの2代目の社長。27歳の時に創業者の祖父から経営を引き継ぎました。
バブル期には年間100万人以上を集めたファミリー向けのリゾートホテル。
現在でも年間60万人以上が訪れる人気を誇りますが…
周辺では廃業する店舗が後を立ちません。
地域の人口が減少していることが町の経済に暗い影を落としています。
白樺湖を多くの人が住む場所としても再生させることが矢島さんの目標です。
高校卒業後、東京大学に進学した矢島さん、その後はリクルートに就職し、合計13年間地元を離れていました。
その経験から白樺湖の魅力を再発見したといいます。コロナ禍をむしろ追い風に感じていました。
自然のなかで生きる。自然資本を味わえる。
そういう環境で生きる価値がコロナ禍ですごく上がった。
白樺湖の近くにはすでに移住者が殺到している住宅地「グリーンヒルズヴィレッジ」も。
こちらの家に住む主婦の三井久美子さん。
コロナ禍の8月に夫とともに東大阪市から移住してきました。
ちょっと足を延ばせば白樺湖にも行ける。
空気がおいしい、水がおいしい。
三井さんが移住したのは茅野市がバブル末期に整備した住宅地。
市役所の職員に案内してもらうと…
茅野市都市計画課の土岐篤広係長、
赤で線を引いたところは今年売れたところ。
30年ほど売れ残っていた緑色の区画が次々と売れ、今年だけで25件以上が成約の見通しです。
連日のように問い合わせがあってかなりびっくりしている。
またこちらの別荘地「白樺高原緑の村別荘地」でも動きが。
別荘を専門に扱う不動産会社に購入の問い合わせが殺到していました。
別荘専門の不動産会社、リゾートメンテナンスの竹谷康生取締役、
今年は400件近く、例年の倍ぐらいの問い合わせがある。
完全に移住したい人が全体の2割。
テレワークをする人も増えている。
今月上旬。
矢島さんが取り組む新たなプロジェクトの会議が開かれました。
訪れていたのは矢島さんが理事を務める町づくり推進機構の職員。
この団体「ちの観光まちづくり推進機構」では改装した古民家に旅行客を呼び込み移住体験をしてもらう取り組みを進めていました。
もともと茅野市はオープンな姿勢が根ざしていたからこそ最近、移住・定住の人が増えている。
古民家の事業は地域側もトレーニングする事業なのではないか。
ちの観光まちづくり推進機構の田子直美さん、
それはある。
お客様からの反応で地域の良さを改めて感じる地域の人も多い。
今後、この団体では古民家施設の運営を地域住民に任せることで移住者を受け入れる体制作りを進めたい考えです。
地域の文化や生活をしっかり体感してもらって、この地域に住む人を増やすことに観光事業者の立場から携わることが必要。