新型コロナによる海外への渡航制限で世界中の大手航空会社が経営困難に陥る中、黒字を確保した会社がります。
その秘策を追いました。
大韓航空
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韓国・ソウルの繁華街「明洞」。
これまで海外からの観光客で賑わっていた場所ですが、新型コロナで街は様変わりしています。
ソウル支局の横堀拓也記者、
街を歩く人の数自体少ないですが、目立つのは空き店舗です。
海外との人の往来が途絶え、観光客を相手にしていた店舗は大きな打撃を受けています。
なかでも目立つのは日本の女性に人気の韓国コスメを扱う店舗。
その多くが閉店や営業休止に。
一方、コロナで姿を変えた街が日本にも。韓国系の店が立ち並ぶ東京・新大久保には逆に多くの人が詰めかけていました。
こちらの店「Re:MAKE」にも大勢の女性客が…
これ、かわいいよね。
キラキラしてる。
お客様のお目当ては韓国の化粧品です。
店員もほとんど韓国の人なのでちょっと旅行した気分になる。
BTSに最近ハマって、韓国のアイドルはみんな肌がきれい。
We are BTS!
人気グループのBTSやドラマ「愛の不時着」が大ヒットするなど日本では韓流ブームが再燃しています。
コロナによる渡航制限で韓国に行きたくても行けない人たちがこの街に押し寄せていたのです。
こちらの店ではスキンケア商品が特に人気で去年に比べ売り上げは30%増。
さらに、
ここで実物を見て、「こんな感じか」と思ってからネットで商品を見る。
気になるものを1枚買って、肌に合えばサイトで安く買う。
かなり便利。
店舗以上に勢いがあるのが越境ECと呼ばれる海外から直接購入できるネット通販。
主に韓国のコスメやファッションなどを扱う通販サイト「Qoo10(キューテン)」では…
Qoo10を運営するeBay Japanの丸山恵未さん、
まとめ買いする人もいる。去年と比べると売り上げ140%くらい。
その倉庫を訪ねると韓国などから届いたばかりの商品が所狭しと並んでいました。
この一帯は韓国商品のスペース。
有名な韓国のマスクパックのシート。
こういった物がよく売れているので物流も増えている。
今年、韓国から日本への化粧品の輸出額は9月の段階ですでに過去最高を更新。
こちらの会社では搬送車両を10トン以上の大型トラックに変更し、急増する物流量に対応しています。
コロナで人の往来が途絶えた韓国。
生き残りをかけ「モノ」の往来に勝機を見出そうとしています。
大韓航空の旅客機にその秘策が…
中を覗くと横になり何やら作業をする人の姿。
せーの!
倒して!倒して!
大型の旅客機からすべての座席を取り外し、貨物機に転用していました。
旅客機の貨物スペースには約22トン積むことができるが客室の座席を取り外すことでさらに10トン詰めるようになる。
事業の柱となっていた国際線を含む全路線の8割が運休となり、当面は需要の回復が見込めないと判断。
アジアのハブ空港を目指す仁川空港の地の利を生かした戦略に舵を切りました。
売上高の2割ほどだった貨物輸送はいま6割を超えます。
新型コロナによる需要の激減で世界中の航空会社が苦境に陥っています。
それでも大韓航空は今年2期連続で営業黒字を達成しました。
新型コロナで全世界が止まっているが物流は常に動いている。
迅速な対応で貨物事業を拡大し、難しい時期を乗り切りたい。
さらに大韓航空は次なる柱としてあるものの輸送を狙っていました。
この日、運び込んだのは医薬品を積んだコンテナ。
すでに医薬品の輸送で実績のある大韓航空が視野に入れるのが新型コロナワクチンです。
マイナス70度と超低温での保管が課題のワクチン。低温貨物倉庫の拡充など着々と準備を進めています。
医薬品輸送で最も重要なのは温度管理。
温度調整が必要な貨物輸送の全過程で管理ができる体制を整えている。
世界で大型機8,000機分の輸送量が必要とされるコロナのワクチン。
その輸送に活路を見出します。