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[WBS] 若い世代に金融教育を!いま重要視されるワケ!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

「金融リテラシー」というキーワード。これはお金に関する知識や情報を正しく読み解く能力のことです。

この金融リテラシーがどのくらい備わっているのかOECD加盟の14ヶ国を調査した結果がこちらです。

金融リテラシー調査
1位ドイツ
2位ペルー
3位イギリス
4位マレーシア

最も高得点だったのがドイツで、ペルー、イギリス、マレーシアなどが続いています。

日本は平均以下という結果になっています。

日本人は豊かな資産を持っていながら金融に関する知識が十分ではないという現状が浮き彫りになっています。

こうした中、高校生など若い世代に向けた金融教育に注目が集まっています。

「なぜ今なのか?」、その理由を取材しました。

エコノミクス甲子園

[blogcard url="http://econ-koshien.com/"]

六本木ヒルズの一画にある建物で2月にある大会が開かれていました。

ステージ上には全国から集った高校生たち。

行っていたのは「早押しクイズ」。

「Q:株主だけでなく従業員・取引先・地域社会など組織における多様な利害関係者のことを…」

ステークホルダー。

「Q:各国の間で同じものが同じ価値を持つように為替レートが…」

購買力平価説。

こちらは全国高校生金融経済クイズ選手権、通称「エコノミクス甲子園」の全国大会。

経済や金融を楽しみながら学ぶことを目的とした大会です。

参加者は年々増え、12回目の今回は過去最多となる1,296チームが参加しました。

この大会、地方予選は各地の地方銀行が主催。全国大会は外資系金融機関がスポンサーです。

マニュライフ生命のギャビン・ロビンソンCEOに大会の意義を聞くと、

若い世代が経済と金融に関心を持つよう、私たちとしても仕向けていきたい。

金融知力普及協会

[blogcard url="http://apfl.or.jp/"]

全国大会を主催・運営するのはNPO法人の金融知力普及協会です。

理事の鈴木達郎さんは人生の早い段階でお金や経済の知識を身に付けることが重要だと話します。

特定の分野、「金融」とか「投資」ではなく、幅広く人生や生活に必要になる知識を押さえる。

参加する高校生には事前に学習教材が送られます。

「Jリート」「少額短期保険」「ファイナンス入門」。

教材は業界団体や法的機関などが作った初心者向けのパンフレット。株式市場や投資信託、Jリート、保険など幅広い分野から出題します。

取材しした2月13日は全国大会の直前。

鈴木さんとスタッフは問題作りの会議を開いていました。

ブロックチェーンはいいんじゃないの?

「仮想通貨」ってすぐ出るんじゃないか。

最新の経済トピックからも出題。

こんなキーワードも、

「ESG投資」と「フィデューシャリーデューティー」は今年のキーワードだと思う。

ものすごく真面目に勉強していたら知っている可能性はあるかな。

成人年齢

今、若い世代への金融教育にこれまで以上に注目が集まっています。

その背景は、

成人年齢を18歳に引き下げる。

政府は成人年齢を今の20歳から18歳に引き下げる方針。早ければ2022年にも成人年齢が18歳になる見通しです。

そうなれば18歳でも保護者の同意なしにローンやクレジットカードの契約ができるようにためトラブルに巻き込まれやすくなることが懸念されています。

金融知力普及協会の鈴木理事は、

自分である程度のお金を自分の判断で動かす世代。案外すぐ近くに金融の知識が必要になる局面がある。

日本ファイナンシャルアカデミー株式会社

[blogcard url="http://www.f-academy.jp/"]

一方、東京・新宿。

ファイナンシャルアカデミーは社会人向けに株や不動産投資に関するセミナーを開いています。

受講生の中には若い社会人の姿も。

いつ頃からお金の勉強を始めたか聞いてみると、

社会に出てからなので3年前くらい。利息とか金利とか、その違いすら分からなかった。

知っているだけで自分の進路や将来の考え方も変わると思う。もっと勉強を始めるのが早くてもよかったのかな。

「もっと早くからお金の勉強を…」、そんな声を受けて作ったのは中・高生向けの教材。アニメーションの映像教材も付いています。

生活に身近な事例を映像を使って分かりやすく説明しています。

2年前から希望する学校に無償で提供し、教育現場で使われ始めています。

渋谷豊取締役は、

いずれ何千校という学校がお金の教育を浸透させてもらえればと期待。

エコノミクス甲子園

[blogcard url="http://econ-koshien.com/"]

一方、エコノミクス甲子園の決勝戦。

歴史ある女子校や有名進学校など4校が勝ち残りました。

接戦のまま、いよいよ最終問題。

問題:「フィデューシャリーデューティー」とは…

A:顧客本位の経営
B:倒産の可能性がある会社は、株主にそのことを報告しなければならない義務
C:2つ以上の金融商品を組み合わせて購入する際、その組成を公表する義務
D:個人投資家が、自己の利益だけでなく、社会全体の公益を考え、投資すること
E:国家には社会的弱者を救う義務があるという考え方のこと

正解は、

正解は、A「顧客本位の経営」。

優勝は長崎西高校でした。

優勝した2人、実は理系クラスで部活動は物理部、しかし大会をきっかけに経済に興味を持ったといいます。

長崎西高校2年の山口温大さん、

経済は面白いなと思った。金融工学に興味を持っている。資産運用も考えるようになると金融知識が必要になるので大事にしたい。

お金や経済の正しい知識を若いうちからどう学んでいくか?

今、さまざまな取り組みが始まっています。

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