たくさんの小銭、硬貨を財布に入れている人も多いかと思いますが、ゆうちょ銀行では1月17日からこの硬貨を預け入れる際に手数料がかかるようになりました。
ATMの場合、1~25枚は110円の手数料がかかります。
硬貨枚数 | 料金 |
---|---|
1~25枚 | 110円 |
26~50枚 | 220円 |
51~100枚 | 330円 |
硬貨をたくさん扱う事業者などには痛手となります。
一方、少ない金額でもスマホを使った個人間の送金では無料化に向けた取り組みが始まっています。
さい銭で集まる硬貨!寺ではある悩みが…
千葉県松戸市、540年あまりの歴史を持つ東漸寺。
財布から取り出したお金を賽銭箱に入れる参拝者たち。
参拝客。
毎年、初詣で行っていたがコロナ禍でちょっと日にちをずらして来た。
さい銭のほとんどはこうした硬貨だといいます。
初詣のお客様が訪れる1月は寺の書き入れ時。ダンボールを開けると…
東漸寺の鈴木悦朗住職。
あと3箱、まだ入金していないものがある。
手数料がかかるのでちょっとずつ持っていっている。
硬貨の入金が有料になったこと受けて、この寺では手数料が比較的安くなる1回あたり500枚以内に小分けをして入金をする方式に切り替えました。このため入金待ちの硬貨が溜まっていたのです。
手数料の存在は大きい。
しょうがないと思う。
寺や神社とかそういうところはなるべく免除してほしいと思う。
1つ1つ、みんな願いを込めたお金なので。
"無料"送金の新サービス!メガバンクの意外な狙い
一方でお得なサービスも始まろうとしています。
ことらの川越洋社長。
「ことら」の立ち上げ準備をしている。
小口トランスファー(送金)の略で「ことら」と呼ぶ。
開発が進められているのは個人間の小口の送金ができる「ことら」というサービス。
9月下旬にも開始する予定で、三菱UFJ銀行など3メガバンクを含む銀行5行が出資しています。
これまで異なる銀行の口座間の送金は支店名や口座番号など指定して行っていました。
ことらはこれを携帯電話の番号やメールアドレスに置き換えることで個人のスマホからスマホに簡単に送金ができるようにします。
飲み会の割り勘など、10万円以下の少額については無料に近い手数料で送金できるようになる見通しです。
スマホを使った無料の個人間送金といえばすでにPayPayなどのサービスもありますが、違いはどこにあるのでしょうか。
PayPayやLINE Payなどの無料送金は事業者の中、経済圏の中での送金。
「ことら」は事業者の壁を超えて事業者同士をつないでいく。
ことらのシステムを導入してもらえれば、あるスマホ決済アプリから別のアプリへの送金が、スマホ決済アプリから銀行口座への送金が手軽にできるようになるといいます。
またことらは利用者の利便性を高める一方で銀行側にもメリットが…
銀行の現金管理コストは年間8,000億円といわれている。
現金そのものを運ぶコストや、ATMも高額な機械で現金を補填するコストがかかる。
ここに切り込んでいければと考えている。
ことらのようなサービスは海外ではすでに一般的だといいます。
アメリカではVenmo(ベンモ)やZelle(ゼル)といった取り組みがある。
ASEAN諸国など世界中で携帯番号送金は一般的になっている。
アメリカ決済アプリ 手数料タダ!QRコードですぐ送金
アメリカの決済アプリとは…
現金で割り勘するよりもベンモを使う方が簡単で現代的。
ベンモを使っている。
「どのような場面で使う?」
友達との外食や映画のチケット購入、何でもだ。
アメリカでは個人間の送金を「ベンモする」と動詞として使われるほど浸透しています。
実際に使い勝手は…
ニューヨーク支局の森礎人記者。
これからミュージカルのチケットを買います。
記者がオペラ座の怪人のチケットを76ドル50セントで購入。
そのチケットを別の記者に譲る場合…
ニューヨーク支局の手塚明日香記者。
買ってきたもらったブロードウェイのチケット1枚分、76ドル50セントをベンモを使って送金してみます。
送り先の人のQRコードを読み取り金額を入力。出金する銀行口座が表示されるので送金を押すと…
76ドル50セントきました。
手数料はかからず10秒ほどで送金ができました。
一方、日本で始まることらは…
既存の仕組みをうまく流用することで大きな開発コストにならないようにする。
ユーザー手数料はできれば無料にしていただきたいと思う。