
脱炭素社会の実現に向けてヨーロッパのベンチャー企業が空気中のCO2(二酸化炭素)を石に変えるという技術を開発しました。
一体どのような技術なのでしょうか、取材しました。

Climeworks
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スイスの田園地帯にある火力発電所。

その屋上を見てみるとジェット機のエンジンのような装置が積み上げられています。実はこれはCO2(二酸化炭素)を空気中から取り除くプラントです。
CO2削減の一歩先を行くCO2回収。

造ったのはスイスのベンチャー「クライムワークス」です。

クライムワークス共同創業者のジャン・ブルツバッカー氏。
人類は数百トンのCO2を取り除かないといけない。しかも速やかにだ。

クライムワークスはこの5年で15のCO2除去プラントを欧州で稼働させた。

今それは欧州以外にも広がろうとしている。

世界が注目するというクライムワークスの回収技術とはファンで空気を吸い込み、フィルターにCO2を吸着させ回収するというもの。

回収されたCO2は近くのビニールハウスで植物が光合成する際に使われたり、コカ・コーラグループのスイス工場で炭酸水を作るのに使われたりします。


さらに北極圏に近いアイスランド。ここでクライムワークスは壮大な計画を始めていました。

その計画を発表するイベントにはアイスランドの首相が出席しました。
アイスランドのヤコブスドッティル首相。
私は確信している。この"オルカ"プロジェクトは気候変動に対する技術の重要な進歩だと。

"オルカ"は未来のさらに大規模な技術革新を促すことになるだろう。

首相も期待をかける"オルカ"とは街から少し離れたエリアにある施設です。

ロンドン支局の中村航記者。
こちらは地熱発電所しかないようなエリアですが、ここにいきなり出てくる大きな施設はCO2を回収する施設です。さらにこのCO2を回収したものを石に変えるというプロジェクトが始まっています。

この施設、オルカでCO2を石に変えるというのです。その仕組みは…

まずはクライムワークスのあのファンで空気中のCO2を回収します。

そしてそのCO2を水に溶かし溶かし、パイプを通じ地下に送り込み、地下800~2,000メートルの玄武岩の地層に注入します。


すると鉱脈ができる時に作用する力などが働き、数年かけてCO2が石に姿を変えるのです。

カーブフィックスCEOのエッダ・シフ・アラドッティル氏。
これは実験施設の地下500メートルで採った石だ。

CO2溶解液が石の小さな穴に白く凝固しているのが分かる。

この技術はクライムワークスが提携しているアイスランドのベンチャーが持っていたもの。
石にしたCO2は数千年、数万年、地中に閉じ込められるといいますがリスクはないのでしょうか。

とてつもない不幸が起きた場合、例えばCO2を鉱石に変えた場所と全く同じ場所が噴火すればCO2は大気に出てくる。

このオルカでは毎年4,000トンのCO2を回収し、石に変えていきます。

一方、世界のCO2排出量はそれを遥かに上回る推定で335億トン。

北米、北欧、オーストラリア、中東などCO2処理に使う再生エネルギーが豊富な場所を中心にこの装置を売り込み、クライムワークスは世界中でCO2を石に変えていこうとしています。

世界規模で見たらこの事業に限界はない。ドイツの大学の第三者機関の調査でも分かった。

この調査では使う素材などにも限界はなく何百億トンのCO2を除去できる。

「日本でも可能か?」
日本でもアイスランドのような地熱発電がある。

こうした場所ではCO2を地中に閉じ込める施設をつくるチャンスはある。
