地域の奮闘する企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」。
今回は新潟県燕市からです。創意と遊び心に満ちた料理道具でヒットを生み出し続ける企業を取材しました。
株式会社曙産業
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浅草・かっぱ橋の料理道具専門店「飯田屋」。
コロナ禍の巣ごもり需要で売り上げが増えているというのが…
飯田屋の営業、田代容子さん。
人気のモチスラ。
餅の楽しみ方が新たに加わった道具。
四角い餅を道具に入れてスライスすると薄く出てくる。
2018年に発売されたモチスラ。
切り餅をセットして、プッシュするだけでペラペラにスライスできます。
喉に詰まる心配がなく、薄いので鍋でもすぐ溶けると人気です。
餅を包丁で切ろうとしても切れない。
スライスして薄くできて子どもが食べやすいので便利。
さらに付属のカッターで型を抜けばぷっくり膨らむスナック菓子も作れます。
餅の食べ方を広げたアイデア商品は累計およそ2億円を売り上げています。
新潟県中央部に位置する燕市。
米どころ新潟県の中でスプーンやフォークなどあらゆるキッチン道具が作られるものづくりの町です。
この地にモチスラを製造する企業「曙産業」が。
1952年に創業した曙産業。従業員60人、売上高は10億円に上ります。
プラスチック製品の企画設計から成形・組み立てまですべて賄い、200種類以上の家庭用品の製造販売を行っています。
切り餅がつかない人気の「レンジモチアミ」。
ただ需要が冬に偏っていたため夏でも切り餅を楽しめるようにとモチすらが誕生しました。
曙産業の開発部、佐藤弘幸部長。
これが最初のモデル。餅は硬いのでゆっくり押した方が良い。
ねじの力で押すことを考えて作った。
遅すぎて使い物にならなかった。
企画から完成までかかった年月は5年。開発の肝となったのが…
曙産業の大山剛社長。
苦労したんはギザギザの刃。
当初は真っすぐな刃でやっていた。
ギザギザの刃をつけたら1mmの薄い餅がスライスできるように。
真っすぐな刃だと餅をきれいにスライスできないことが頻繁に発生。
地域が金属産業の町。
スライスのメーカーに相談したら「表面にギザギザをつけたらどうか」と。
硬い餅が刃の鋭さで簡単にスライスできるように。
ユニークな商品を開発するにあたって曙産業が強く意識していることが…
知的財産権をつけて出すことを基本にしている。
創業時、パンを均等に切る商品を作った。
大手製菓メーカーがそっくりな商品を作った時に争った。
40年前、他社に模倣されら苦い経験から知的財産権による商品の保護を意識した商品づくりをしています。
1999年に発売した「マジックしゃもじ」は表面のデコボコにさらに凹凸を加えるダブルエンボス加工といわれる特許技術によってしゃもじとご飯が接する面が最小限に。
くっつかないしゃもじとして売り上げ4,000万本以上の大ヒット商品に。
ひとつヒット商品が生まれるとそれを生かして周辺の商品を考えて作る。
2014年にはダブルエンボス加工を使った握り寿司道具「とびだせ!おすし」を発売。
一般家庭に受け、売り上げ3億円以上のヒット商品になっています。
数々のヒット商品が生まれる現場がこちら。
現在、新たしいコーヒーグッズの企画会議中です。
出たアイデアは3Dプリンタを活用してすぐに形にできる。
試作品を使いながら修正を繰り返してモノづくりをしていく。
工作室を設け、アイデアはすぐに実物に。
週1回、かしこまらない雑談ベースの会議をすることで柔軟なアイデアが生まれ、試作品を量産。
特許を念頭に置いた開発力と柔軟なアイデアをすぐに形にする実行力が次々とヒット商品を生み出す土台となっています。
コロナでアウトドアが少しずつ盛んに。
キャンプ調理道具に力を入れている。
新しい物を考えて世に出していきたい。