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[WBS] 黒字なのにやむなく廃業…「近江商人」が後継ぎ募集!

2018年11月10日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」、これはいわゆる三方よしです。

これは近江商人、現在の滋賀県の商売の心得を表した言葉です。

その滋賀県、東近江市の経営者達が11月9日、後継ぎ探しに東京へやって来ました。

遠出をしたのは一体なぜなんでしょうか?

株式会社ひょうたんや

[blogcard url="https://hyotanya.jp/"]

東京・六本木にあるしゃぶしゃぶの店「CHIRIRI」。

この店の名物は塊肉を店で0.8ミリの薄さに切った豚バラ。

その旨味を引き立てるのが温かいつゆにたっぷり入れたネギとゆず唐辛子です。

食べ比べてみると、

口の中に入れる前から柚子の香りがフワッと鼻の方に漂ってきて、ない状態とは全く違います。

しかし、女将の佐相純子さんには最近心配事が…

なくてはならない名脇役のゆず唐辛子。

こちらがなくなってしまう可能性があると聞いている。

この店でも月に2キロほど消費するという人気のゆず唐辛子。

グループの社長が地元滋賀県の製品に惚れ込み、すべての店に取り入れたもので代わりが利かないといいます。

ヤマサンさんで作ってもらっている。

名脇役なのでこちらがないとCHIRIRIが続いていくかも不安なほど。

有限会社ヤマサン

[blogcard url="http://www.yamasan-pepper.jp/"]

このゆず唐辛子を作っているのは滋賀県東近江市に住む奥山進さん(79歳)。

およそ20年前から自ら唐辛子を栽培し、加工・販売まで行っています。

「ひきたて名人」は唐辛子を丸い粒状に加工し、細かく挽いて胡椒のように使う看板商品。

挽いた瞬間に唐辛子の香りが広がるの人気で都内の飲食店を中心に注文が相次いでいるといいます。

しゃぶしゃぶ店のゆず唐辛子に胡椒のような唐辛子、これらの商品が食べられなくなるかもしれない背景にあるのは奥山さんの廃業の危機です。

奥山さんはアルバイトは雇っているものの事業のほとんどを自らの手で行っているいわゆる小規模事業者。

娘がいるものの嫁いでしまったため会社の新たな担い手が見つかっていないのだといいます。

実はいま、こうした問題が小規模事業者や個人事業者の間で広まっているのです。

全国にある企業にうち中小企業が占める割合は99%。

さらにそのうちの半数以上、およそ200万が家族経営などの個人事業者とされています。

跡継ぎがいないため経営が黒字でも廃業するケースが増えると懸念されています。

あとつぎさん募集企画

そんな中、11月9日に都内に奥山さんの姿が…

人気商品が誕生したので消したくない。

需要が見込めるので会社を継続させたいという意味で参加した。

実はこちら、東近江市が中心となり奥山さんのように後継者が見つかっていない経営者と一緒に後継ぎ探しをするという企画。

まるごと東近江実行委員会の藤野滋委員長は、

滋賀県が廃業率4.9%で日本で一番高い数字が出た。これは大変なこと。

街の賑わいも活力もなくなるのでなんとか変えなくてはというのが一つの発端。

早速、奥山さんのもとを男性が訪れました

われわれは無農薬で栽培している。

奥山さん、自ら作った唐辛子の魅力をアピールします。

感触は上々のようです。

はじめはどうかなと心配したがなかなか真剣な質問もあったし。

期待以上に興味を持ってもらえた。

事業承継の対策は拡大しつつあるものの小さい企業や個人事業者にとってはその恩恵がないのが現状です。

中小企業庁

[blogcard url="http://www.chusho.meti.go.jp/"]

政府も新たな対策に乗り出しています。

中小企業庁の松井拓郎財務課長は、

規模が小さくなると仲介の手間が増える一方でビジネスとしては回しにくい部分もある。

政府は事業の売り手と買い手をマッチングさせるデータベースを来年度大幅に強化する考えです。

公の機関が入ることで個人事業主がより事業継承しやすくなるプラットフォームができる。

きらりと光るものを持つ個人事業主もたくさんいる。

そういう方々にきちんと光を当てていくことが重要。

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