
政府が作った首都直下地震のイメージ映像。東京都は5月25日にこうした大地震が起きた場合の被害想定を10年ぶりに見直し、新しい報告書を公表しました。タワーマンションの増加などこの10年間の大きな都市構造の変化は地震の被害想定にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。
首都直下地震 そのとき何が!?
10年ぶり被害想定見直し
東京都
小池知事

この10年間で社会の環境は大きく変化している。
東京の総力を挙げての防災に取り組んでいく。
東京都が5月25日に新たに公表した首都直下地震の被害想定。マグニチュード7.3の地震が襲った場合、想定上の最大死者数は6,148人、前回2012年に公表した想定よりもおよそ3,500人減りました。
さらに建物被害の見込みもおよそ19万棟と3割以上の減少。
その根拠の一つとして都が示すのが住宅の耐震化率の上昇です。
東京都防災会議 地震部会
平田直部会長

10年たって着実に地震災害対策、震災対策が進んだと言える。
ある意味、行政はきちんとやっていたし、それに対応し民間も個人も努力した。
都によると2020年までの10年間で住宅の耐震化率は81%から92%に上昇。
さらに火災が起きた際に延焼しやすい木造住宅密集地域が縮小したことも被害想定を見直す要因となりました。
木造密集減少 耐震化率上昇で被害減
その木造密集地域が縮小されたエリアの一つが荒川区です。
角谷暁子キャスター
木造の建物が密集していたと伺いましたが?

UR都市機構 密集市街地整備部
横江憲司担当課長

この辺り一帯にいわゆる密集地域と呼ばれている地域がある。
この広々とした道ですが、6年前は…
UR都市機構 密集市街地整備部
横江憲司担当課長

従前の状況ではこの道路自体が当時はなかった。
もともとは古い家屋が密集し、道路も通っていませんでした。
さらにこちらの十字路も狭かった道路を拡張。6メートルほどの横幅を確保しました。
UR都市機構 密集市街地整備部
横江憲司担当課長

狭いところは小型ポンプ車しか入れないので消火活動にも支障をきたす。
荒川区は狭い道路が多かったため消防車など緊急車両が通りづらく、火災が起きたときに火が燃え広がる危険性が指摘されていました。
東京都はこうした木造密集地域を対象に不燃化プロジェクト「木造地域不燃化10年プロジェクト」を推進。
道路の整備などを進めた結果、全体でおよそ半分にまで密集地を減少させました。
火災による死者の想定数も半減しています。
角谷暁子キャスター
木造住宅密集地域でどういうところを改善するか?

UR都市機構 密集市街地整備部
横江憲司担当課長

建物の倒壊や火災をまず連想すると思う。
道路を広げて安全を確保したり、耐火の建物にしたりすることによって燃え広がらない街につながる。
"タワマン"避難生活どうなる?
一方、この10年で急速に増えた超高層のタワーマンションでは新たな課題が…
豊洲エリアにある高さ153メートル、およそ3,000人が暮らす大型マンション。
住民で管理組合の理事長を務める武藤敦彦さんです。
まず向かったのは防災センター。目に止まったのが…
マンション管理組合
武藤敦彦理事長

この装置を使って全館に情報を提供する。防災訓練でも年2回やっている。
さらに災害時には武藤さんを含め、住民たちが組織する災害協力隊が対応にあたります。
停電時に自家発電する非常用の電源もあり、備えは万全のように見えますが、タワマンならではの問題が…
角谷暁子キャスター
エレベーター監視盤?

マンション管理組合
武藤敦彦理事長

たくさんのエレベーターがある。現状を把握できるようになっている。
今回東京都が発表した被害想定では首都直下地震が起きた場合、停止するエレベーターの台数はおよそ2万2,000台の見通し。10年前の想定より3倍拡大しました。
角谷暁子キャスター
非常用エレベーターは動く?

マンション管理組合
武藤敦彦理事長

動かせるが災害対応が優先。消防隊が上がるので住民は使えない。
そうなると住民が使うのは非常用階段ですが…
角谷暁子キャスター
全体で何階?

マンション管理組合
武藤敦彦理事長

43階なので最上階の人は避難が大変。タワーマンションならではの課題。
角谷暁子キャスター
どう解決?

マンション管理組合
武藤敦彦理事長

避難をしない。地震の時は自分の部屋に留まることを徹底する。
留まるための準備をしっかりする。
東京都も災害時には安全が確保されていれば自宅に留まる在宅避難を呼びかけています。
しかし在宅避難生活が長期化した場合、タワマン特有の問題が…
マンション管理組合
武藤敦彦理事長

全館に水を供給しているところ。上に押し上げるためのポンプ。
角谷暁子キャスター
電気が止まるとどうくみ上げる?

マンション管理組合
武藤敦彦理事長

くみ上がらないので水は出ない。
管理組合ではマンション内の各拠点に水や食料などの災害物資を備蓄していますが、独自のリストを作成するなどして各家庭にもそれぞれ備蓄を促しています。
マンション管理組合
武藤敦彦理事長

昨年、防災事故点検表をつくり全戸に配布して回答してもらった。
地震発生など在宅避難のため最小限の水や簡易トイレや食料を備蓄しているか確認をしたか
住民の防災意識を知ることができ安心材料に。