
ロシアによるウクライナへの侵攻をめぐって両国の対面による停戦交渉が29日にもトルコのイスタンブールで開かれる見通しです。侵攻による被害は拡大していてウクライナ政府の高官は社会インフラの破壊などによる経済損失がおよそ5,600億ドル、日本円で70兆円あまりとこの2週間で5倍以上に拡大したとの試算を明らかにしました。

対面交渉で停戦の糸口は!経済損失拡大「約70兆円」
アメリカ・ロサンゼルスで行われたアカデミー賞の発表授賞式。レッドカーペットではウクライナ国旗を示す青いリボンを身に着け連帯を示す俳優たちの姿が…
式典でもスクリーンにメッセージが表示され、黙とうが呼び掛けられました。
ウクライナ南東部マリウポリ。70歳の女性の自宅をロシア軍の激しい攻撃が襲いました。

あそこに砲弾が当たった。風呂とトイレがあった。

ここは寝室。

私はここで生まれ、結婚して、子どもを授かった。

私たちには何が残されているのか。

どこにも行きたくないが、ここに生活できる場所はない。

ウクライナ政府の高官は社会インフラの破壊などによる経済損失が5,649億ドル、日本円でおよそ70兆円とこの2週間で5倍以上に拡大したとの試算を明らかにしました。
一方、ロシア国防省は25日の会見で今後ウクライナ東部の制圧に集中する姿勢を強調。軍事作戦の第一段階がほぼ達成したと表明しました。

会見の狙いについて専門家は…
慶應義塾大学の鶴岡路人准教授。
ロシア国民もこの1ヵ月間ロシア軍が善戦していないと気付いている人は気付いている。

国内向けのメッセージとして今まで1ヵ月間の戦闘に成果があったと国内向けにアピールしたかった。

ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアメディアのインタビューで…

安全保障と中立化、非核化としての立場を受け入れる用意がある。重要なポイントだ。

NATO(北大西洋条約機構)入りを断念する、中立化については「受け入れる余地がある」と発言。

その代わりに関係国が安全を保障する新たな枠組みについて議論する余地があるとしています。

ウクライナの主権と領土保全は疑いの余地がない。

私たちの目標はできるだけ早く平和と普通の生活を取り戻すことだ。

このインタビューについてロシア政府は国内での掲載を控えるよう警告しています。
トルコのイスタンブールで始まる対面交渉で停戦に向けた具体的な前進はあるのでしょうか。

ウクライナが考えている安全の保障は安全が脅かされ、侵略を受けた時に他国が助ける。

例えばアメリカが助ける、約束するならば、これは完全に安全保障条約。

ロシアが求めている中立化とウクライナが求める安全の保障は真逆の方向。

この2つを両立させるというのは現実にはきわめて困難だ。
