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[WBS]「レベル4」12月5日から解禁!ドローン本格活用へ 企業動く[株式会社ACSL]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

最近、空からの撮影やインフラの点検などで使われることが増えているドローンですが、12月5日から「レベル4」と呼ばれる新たな飛行が可能になります。

何が変わるかというと、これまでのレベル3では事前に承認を受ければ離島や山間部などの無人地帯に限って目視外自立飛行、つまりドローンを運行する人が直接は見ることができなくても決められたルートを自動で飛行させることができました。

それがレベル4になると住宅地など人がいる有人地帯でも飛ばすことができるようになります。

12月5日から国土交通省でその機体認証制度の受け付けが始まりました。そこで照準を合わせていち早く動き出している企業を取材しました。

「レベル4」解禁で住宅地OK
"国産ドローン"の実力は

都内に本社を構えるドローンベンチャーのACSL。

12月5日に社運をかけたある準備を進めていました。

社員たちがパソコンに向き合い、行っていたのは…

ACSL
鷲谷聡之社長

本日からレベル4が解禁され、飛行申請ができるようになりましたので、ドローンのレベル4の型式認証を取得するための申請を実施した。

千葉大学発のベンチャーとして2013年に設立されたACSL。早くから国産ドローンを生産してきました。

12月5日に申請したレベル4向けのドローン。国の認証第1号を目指しています。

主な用途は物流。レベル4の解禁はドローン物流の普及に欠かせないといいます。

ACSL
鷲谷聡之社長

レベル3の時は飛べる空間が無人地帯だったので、どうしても遠回りでありながら無人ルートを設計したり、場合によっては届けられない場所が多くあった。
レベル4解禁で大きな変化があると思っている。

レベル4のドローンにはどんな性能が求められるのでしょうか。

田中瞳キャスター

今日はこちらのグランドにドローンのある実験が行われているということです。

田中キャスターが見せてもらったのは…

ACSL
研究開発ユニット
山際大さん

きょうはレベル4の社内試験で耐風性能の社内試験を行う。

なにより重要な性能が安全性。今からドローンに当てるのは秒速10メートルの風です。

ACSL
研究開発ユニット
山際大さん

離陸します。

ドローンは耐えられるのでしょうか。

風を送る装置にどんどん近づき、受ける風が強くなっていきますが…

田中瞳キャスター

人が向かい風に向かって歩いていくような、少し辛そうな様子はありますが、それでも左右の揺れや不安定感はあまり感じられない。

ACSL
研究開発ユニット
山際大さん

風が強いと多少振動するが、その場で維持できているので設計通り。。

しかも、操縦器は手のひらに乗せているだけで操縦はしていません。

ACSL
研究開発ユニット
山際大さん

風に対して逆側のプロペラで姿勢を調整をしながら計算して、その場で止められる制御をドローンの中のコンピューターでしている。

こうした姿勢を制御できるプログラムを独自開発しているのがACSLの強みの一つ。

ほかにも1つのセンサーが壊れてもいいように予備のセンサーを積むなど、ドローンが墜落しない工夫をしています。

さらに万一の事態に備えた昨日も…

田中瞳キャスター

回転しながら落ちてしまいました。
パラシュートが数秒で開きました。

墜落に備えたパラシュートです。

機体の急な傾きやプロペラの停止などの異常を認知すると1~2秒でパラシュートが開くプログラムを搭載。

ACSL
研究開発ユニット
山際大さん

何もない状態で10kgのドローンが落ちると生死に関わる事態になるので、これ(墜落被害)を軽減したり、起こさないためのパラシュートの機能。

認証に向けた準備はほかにも…

本社の一画にはレベル4の機体を製造する専用スペースが。

こうした国産ドローンの製造は経済安全保障の観点からも注目が高まっています。

ACSL
鷲谷聡之社長

昨今のコロナでも分かったように、外国の技術、物の移動が断絶されることがある。
政治的な理由から発生する場合もある。
こういうコア技術を日本国内に育成して、万が一何かあったとしても日本国内だけで完結できるようにするのが重要。

国内のドローンビジネス市場は5年後には8,000億円規模と、現在の3倍以上に拡大すると見られています。

ACSLは日本郵便専用のドローンを開発中で、来年中の本格導入に向けて準備を進めます。

ACSL
鷲谷聡之社長

レベル4は数年以内に物流分野で標準になってくると思っているので、社会実装できるように信頼性の高い機体を提供していきたい。

ドローン配送めざすANA
レベル4 人材育成がカギ

レベル4飛行の実用にはもうひとつ課題が…人材育成です。

ANAホールディングス
社員

通信100パーセント良好、カメラ、オールOKです。

ドローンを活用した配送サービスを行うため、4年前に実証実験を始めたのがANA。

レベル4飛行に必要な「一等操縦ライセンス」を取得する人材の育成に励んでいます。

この日、初めてメインで操縦する高岡捷人さん。操縦といっても自立飛行のため運行状況をチェックするのが主な作業です。

先月には鹿児島県の奄美大島でスーパーから6キロほど先にある学校まで海を渡って商品を配送しました。

実証実験を通じて見えてきた課題とは…

今月、本社でメンバーによる会議が開かれました。

高岡さんが実際に感じた安全リスクを説明します。

ANAホールディングス
高岡捷人さん

電波の遮断が思ったより多かった。
時間帯や航路で電波の状態も変わるので、そこも見ていこうというのが一つ。

事前の想定よりも電波の悪い時間帯があるなど課題があぶり出されました。

ANAホールディングス
信田光寿さん

クリティカル(危機敵)になりそうな時間を意識しながら電波調査する。
昼時や朝ご飯時とか。
誰に相談したらいいのか。
通信キャリアか。

早速、チーム内で対応策を協議。次の実験でのリスク管理につなげます。

事前の飛行計画の作成から、問題点の解決までレベル4飛行で求められるのは、こうした厳しいリスク管理を担える人材です。

ANAホールディングス
高岡捷人さん

何かあった時の危機対応、イレギュラー対応のマニュアルがあるので学習した。

ANAホールディングス
社員

完璧でした。

プロジェクトリーダーの信田さんはリスク管理の徹底こそが航空会社の強みだといいます。

ANAホールディングス
信田光寿さん

安全な機体を維持するため整備の部分、安全な飛ばし方をするため運航の部分、操縦者の技能、万が一何か起きてしまった時の緊急対応、そういったことを規定に落としていく。
全てエアラインのノウハウを生かしていく。

ANAはこのドローンによる配送サービスを来年度以降に事業化することを目指しています。

ANAホールディングス
信田光寿さん

早い段階で社会実装させて、定常運航は実現させたい。
その先に黒字化、サステナブルなサービス提供がある。

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