最近、多くの従業員が新型コロナに感染したことで百貫店やファーストフード店が休業するケースが相次いでいます。
人との接触が避けられない業種の人たちにワクチンを優先して打つべきか、また高齢者の次はどの世代から打つべきなのか、接種の順番が改めて課題となっています。
株式会社鶴屋百貨店
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8月10日、東京都が発表した新規感染者数は2,612人。前日が休日のため先週火曜日より減りましたが重傷者数は176人と過去最多となりました。
西村経済再生大臣。
数多くのクラスターが出ている。
どこかで感染した人が学校や職場で感染を広げている。
企業での感染拡大の中でも目立っているのがお客様との接触が避けられない百貨店です。
従業員1万人を抱える伊勢丹新宿店では7月下旬から8月9日までに140人のスタッフの陽性を確認。現在も食品フロアなど10店舗が休業しています。
大阪の阪神梅田本店では累計145人の従業員が感染。2日間の臨時休業に追い込まれました。
こうした中、ある対策を実施していたのが熊本県の鶴屋百貨店です。
県内唯一の百貨店である鶴屋百貨店は6月から職場接種を実施。
およそ1,000人の社員に加え、百貨店に入る店舗のスタッフや配送業者など出入りする全ての取引先の従業員とその家族を対象にして接種を行いました。
早めに接種できて安心して仕事ができる。家族も全員接種しているので安心感が大きい。
すでに先月末、およそ6,000人が2回目の接種を完了。7月以降の感染者は数名に抑えられています。
鶴屋百貨店の本村明乗常務。
熊本もまん延防止措置がとられている。その前に接種が終わったことに大きな意義がある。
お隣の韓国でも…
ソウル支局の横堀拓也記者。
こちらソウルでは百貨店で働く人たちに対するワクチンの優先接種が来週から始まります。
ソウルでは先月、大手百貨店で147人の感染者を出すクラスターが発生。
これを受け、ソウル市は百貨店など接客業の従業員にワクチンの優先接種を来週から行うと発表したのです。
もともとは9月ごろに接種と思っていた。優先接種の対象となって早まるのはうれしい。
お客様への対応も負担が少なくなる。
ただ専門家は日本では接客業より優先すべき職種があると指摘します。
昭和大学医学部の二木芳人客員教授。
学校の先生は全部済んでない。公共交通の運転士や車掌さんも済んでいない。
誰が後で誰が先かは難しいが、社会全体に重要な役割をしている人を優先して考えていく。
職種の次に課題となるのが現役世代でのワクチン接種の順番です。
東京都の8月10日の感染者を見ると40~50代が占める割合は27%なのに対し、20~30代はその倍の54%を占めています。
一方、ワクチン接種率について年代別の接種数を公表している東京の4つの区を集計したところ、1回目の接種で40~50代の接種率は30%ですが、20~30代ではその半分の15%にとどまっています。
感染者の多い若者を優先すべきか、重症化リスクの高い40代以降を優先するべきか、専門家は…
若い人優先しようとしても打たない人が多ければ社会を守るワクチン接種の意味が落ちてしまう。
重症化しやすいのが40代50代。
医療ひっ迫という問題もあるので重症化しやすい人を守る順序で打った方が良い。