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[WBS]日本 今後の景気どうなる?五輪で消費刺激か?[株式会社野村総合研究所]

2021年8月10日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

東京オリンピックは無観客となったものの過去最多のメダルを獲得して関連する業界では景気が刺激されているようです。

しかし、その一方で感染力の強いデルタ株の影響で全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず緊急事態宣言の対象地域が広がりました。これは景気の重しとなっています。

日本の景気はこの先どうなっていくのでしょうか。

東京都内で今年一番の暑さとなった中、消費の現場などを取材しました。

株式会社野村総合研究所

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各地で気温が上がり危険な暑さとなった関東地方。東京都心で36.8度と今年初の猛暑日となったほか、八王子市で39度を観測するなど都内各地で今年一番の暑さとなりました。

暑い街として知られる埼玉県熊谷市。

8月10日は40度との予想もありましたが最高気温は37.2度を観測。

暑いですね。さすがに。

毎日暑いとそんなに変わらないが、予報の気温を見て、あっ40度いったと。

慣れているので対策をしっかりしている。

市内の百貨店「八木橋百貨店」では…

八木橋の中島朋子さん。

日傘が暑さ対策でとても売れている。

日傘のほか、帽子や保冷剤が入る冷感タオルなど暑さ対策商品が売り上げを伸ばしていますが、ここまで気温が上がると買い物客も少なくなるということです。

涼みに来て買い物をしてもらえれば一番ありがたい。

この暑さで売れているのは…

ビールです。

ビールが進んじゃう暑さ。たまにはご褒美でいいかな。

都内の飲食店で酒の提供が禁止されていることもあり家飲み用の缶ビールの売り上げが伸びています。

8月10日、1-6月期の決算を発表したビール2社は海外要因などで明暗が分かれました。

しかし、両社に共通するのが国内の家庭用への期待です。

キリンホールディングスの取締役、横田乃里也さん。

家庭用については引き続き好調に推移し、ビールの販売数量は対前年比10%増と6年ぶりにプラスを達成。

暑さに加えて家庭向けビールの売り上げを伸ばした要因のひとつがオリンピックでした。

ベニースーパーの赤津友弥さん。

スーパードライが一番売れている。

このデザインになってから売り上げが伸びている。

東京オリンピックの上位スポンサー「アサヒビール」は大会のデザインが入ったスーパードライの缶ビールの販売が好調です。

先月は1年前に比べ3割増え、今月2割の増産を決めています。

過去最多58個のメダルを獲得した東京オリンピック。盛り上がりとともに売り上げを伸ばしたのはビールだけではありません。

こちらのすしが大変売れていた。

普段は1人前を販売していますが、大会期間中は家族向けの盛り合わせを用意。

大トロなど高級なネタを入れた3,000円ほどのすしが飛ぶように売れたといいます。

暑くなり始め、オリンピックが始まり、消費の拡大期に入った感じ。

「この消費は続くと思うか?」

続いてほしいと願う。

オリンピックで消費が刺激されたことで日本の景気は上昇するのでしょうか。

「メダル獲得、史上最多の経済効果は?」

野村総研研究所のエグゼクティブ・エコノミスト、木内登英氏。

すごく大きくはない。

ステイホームだったので家で多少飲み食いに使った程度。

オリンピックの経済効果を調べる野村総研の木内氏の試算によりますとオリンピック開催による経済効果はおよそ1兆6,700億円。

その一方、4度目の緊急事態宣言が出されたことによる経済損失は2兆1,900億円となり、オリンピックの経済効果よりも大きくなります。

街角での景気の実感を聞く景気ウォッチャー調査。

8月10日、7月の調査が発表され、今後の景気の見通しを示す指数が前の月より4ポイント下がり、先行きの悪さを示しました。

40代 宿泊業。

宣言で出張客が入ってこない。

給料が減っている。

景気ウォッチャー調査のアンケートでも…

積極的な営業活動はお客様から敬遠され契約件数も減っている。

遠出自塾の影響なのか車のメンテナンス需要も減っている。

旅行業界の復活はあと半年は無理だと感じている。

日本では2回のワクチン接種を終えた人が人口の34%。

今後、摂取が進むとされる秋以降には景気は上向くのでしょうか。

海外の例を見るとワクチン接種が広まっても簡単に感染は収まらない。

接種が進んで接種者が半分になると急速に感染者が収まり、景気がV字回復するという見通しはほぼない。

木内氏は感染力が強いデルタ株の拡大で当初の想定よりも景気回復は遅れ、年内の回復は難しいとの見方を示します.

「回復するのはいつごろか?」

年内に回復感が出るのは難しい。マイナスかゼロ成長。

コロナショック前のピーク水準、2019年7-9月期。

そこまで戻るのは2024年4-9月期ぐらいだと思う。

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