
企業の間で取引されるもの価格を示す企業物価指数が1年で8.6%上昇の109.5となり、36年4ヵ月ぶりの高い水準となりました。
背景にあるのは原材料の高騰や円安です。
多くの企業が価格転嫁に踏み切るかどうか頭を悩ませています。その現場を取材しました。

企業物価 36年ぶり高水準!悩む現場「価格転嫁は不可能」
東京・葛飾区の町工場「坪川製箱所」。こちらでは梱包用段ボールなどを製造しています。

コロナの影響で落ち込んだ売り上げがようやく回復しつつある中、いま新たな問題に頭を悩ませています。
坪川製箱所の坪川恵子専務。
こういう状態でメーカーからカットされたものが入ってくる。

手前と裏側を貼り合わせている。

接着に使うのりの値段が上がっているので、そういうところから値上げが来ると思う。

段ボールの材料の値上げです。

段ボールをめぐっては国内最大手のレンゴーが今月から原紙の価格を1キロあたり10円以上の値上げを実施しています。

こちらの工場は別のメーカーから原紙を仕入れていますが近いうちに値上げ要請があるとみています。ただ、仕入れ価格が上がっても簡単に価格転嫁はできないといいます。

価格転嫁は難しい。

各社同じ箱でも値段が違うので、ユーザーは少しでも安いのを求める。

どうしても価格競争はかなわない。

企業間で取引するものの価格を示す企業物価指数はこの1年で8.6%上昇し、高水準となっています。一方の消費者物価指数は企業物価ほどは上昇していません。生産者や企業が価格に転嫁できていない実態があるのです。

帝国データバンクは1月に価格転嫁に関する調査を実施。企業からは…

機械工具卸売(三重)。
価格転嫁は下請けの立場からは不可能。

内装工事(東京)
仕事量が少ないなか、どこも売り上げ確保のため安価な見積もりを提出するため、価格転嫁をしたら入札物件では落札できない。

下請け企業を中心に厳しい声が相次ぎました。
大手企業では日清食品のカップヌードルのほか、発売から40年以上の歴史を誇るやおきんのうまい棒など原材料費の高騰を理由に値上げラッシュが続いています。

しかし、今回の調査では3社に1社が「価格転嫁は全くできていない」と回答。特に運輸業や飲食店などで60%以上にのぼりました。

段ボール製品を手掛ける坪川製箱所、原紙の値上がり分を販売価格に転嫁できたとしても高まる人件費などは転嫁できないといいます。
利益が出ないんだったらやる意味がない。

材料が上がっても給料が上がらない。

これから先、大変じゃないかと思う。
