[WBS]【イノベンチャーズ列伝】「地上最強」の断熱材!

ワールドビジネスサテライト(WBS)

世の中にイノベーションを起こそうとするベンチャー企業に焦点を当てる「イノベンチャーズ列伝」。

史上最強という断熱材の実力に迫ります。

熱を通さず、無色透明。

これを超えるものは地球上にない。

この物体で世界を変える!?

YKK AP株式会社

大手住宅メーカーのショールーム。

新築やリフォームのためのさまざまな設備が展示されています。

その中でも目を引くのが・・・

YKK APの事業開発部長、東克紀さん、

未来のドアとして開発した「アップデートゲート」です。

8時に帰ります。

その時間は雨が上がっている予報です。折り畳み傘を持っていくのをお勧めします。

AI(人工知能)を搭載していて、音声認識でその日の天気など外出に必要な情報を教えてくれます。

しかし、この未来のドア最大の特徴はある新素材を使っていることです。

ここに採用しているのがエアロゲル。

地球上で最も性能が高い断熱材を採用している。

この窓に使われるエアロゲルという新素材、実はあるベンチャー企業が作りました。

それがこのあるかどうか分からないほど透明な物体。

地球上で最高性能を誇るというこの断熱材を作り出したベンチャー企業とは?

ティエムファクトリ株式会社

エアロゲルを作っているティエムファクトリ。

創業者の山地正洋さんです。

エアロゲルを使った透明な断熱材。

その性能というのが・・

全然熱くない。

普通のガラスと比較してみると、その断熱性能は一目瞭然。

エアロゲルに乗せた氷は全然溶けていません。

実はこの素材、目には見えないほど微細な網目の構造をしています。

そのため体積のおよそ95%が空気。

その空気が熱を遮断しているのです。

その性能は建築物の断熱材としてよく使われるグラスウールの3倍。

断熱性能でこのエアロゲルを超える物質は地球上に存在しないといわれています。

しかも、透明なため窓への活用が期待されています。

この素材で窓の断熱性能を高めれば光熱費が半分以下に削減できるといいます。

世界中の窓に搭載できれば約1兆円の市場を獲得できると考える。

パウダータイプ

さらにこのエアロゲルにはこんな活用方法も・・・

これはエアロゲルを細かく砕いたもの。パウダータイプと呼んでいる。

実は粉末にしてもその断熱性能は変わりません。

エアロゲルの粉末をまぶした水滴と何もしていない水滴を熱したフライパンの上に乗せてみると・・・

エアロゲルの粉末がフライパンの熱を遮断するため水滴は蒸発しません。

この粉を他の素材に混ぜることで断熱性能を追加することもできるといいます。

繊維や樹脂に混ぜればクーラーボックスや冷蔵庫など、様々な用途で用いることができる。

エアロゲル

エアロゲルは1931年にアメリカの研究者が発明した素材。

その後、NASAが実用化に成功、スペースシャトルの断熱材などに利用されましたが、

誰も実用的なコストで作れなかった。非常に高価なものだった。

これまでは特別な装置を使うため製造コストが高く普及しませんでしたが、ティエムファクトリはコストを抑えた新しい製造方法を確立したのです。

まず原料となる薬品を混ぜ、熱を加えて一度固めます。

その後、乾燥させるのですが、原料の種類や配合などを工夫することで特別な装置を使わずに乾燥させることに成功したのです。

これまでの作り方と比べると60分の1ぐらいのコストに落ちた。

きっかけ

山地さんがこの素材の開発を志したのは京都大学で研究員だった6年前。

研究テーマはエアロゲルとは違う、レーザー関係の研究をしていた。

この物質はレーザーでも切断できるな。

当時、山地さんは年に数百もの物質にレーザーを照射し、その活用法を模索していました。

次は「エアロゲル」か。どれどれ・・・

な・・・なんだこれは!

軽い!軽い!軽い!!まるで空気そのものだーーーっ!!!!!!

煙がそのまま凍ったみたい。地球上にこんな物質があったなんて・・・

世界を変える大きな事だと思った。

携わることができたら面白いな、その時すぐに思った。

相内キャスターも持ってみると、

軽いですね、持ってないみたいです。

触っただけで大きな可能性を感じた山地さんは、すぐに大学の職を投げうって、2012年にティエムファクトリを創業。

6年を経て量産化が視野に入り、企業の問い合わせも増えています

一番問い合わせが多いのは自動車。

EV(電気自動車)はエアコンを使うほど航続距離が減ってしまう悩みがある。

エアロゲルで覆って高い断熱空間を作るのが大事。

CO2の削減にも非常に大きな貢献ができる。