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[WBS][消費税アップに備える!] ファミレスの味を自宅でも!

2019年2月11日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

今年の秋に予定されている消費税率10%への引き上げで多くの業界では消費の冷え込みが懸念されています。

そこでWBSではシリーズ「消費税アップに備える!」と題して、対策に動き始めた企業の取り組みを取り上げます。

第1回は増税が直撃する外食産業です。

外食企業がいま増税と同時に導入される軽減税率の市場に期待を寄せています。

その狙いを取材しました。

株式会社すかいらーくホールディングス

[blogcard url="https://www.skylark.co.jp/"]

お昼時、お客様で賑わうファミリーレストラン。

賑やかなのは客席だけではありません。

厨房ではパック詰めを急ぐスタッフの姿が…

安全運転で行ってきます。

男性が走って向かったのは駐車場にあるバイク。

宅配商品を積んだ配達員のバイクが続々と店を出ていきます。

レストラン大手のすかいらーくホールディングスではグループ内のガストなど全国1,000店舗以上で宅配サービスを展開。

ガストの看板商品「チーズINハンバーグ」や「オムライスビーフシチューソース」などを宅配しています。

これらの価格は店で食べるより1割~2割高め。

配達コストがかかるためですが利用客は、

家でファミレスの料理が食べられる。

すぐに来てくれるし、良い。

共働きや単身世帯の増加などを背景に宅配に力を入れてきたすかいらーく。

その市場はさらに拡大すると見ています。

すかいらーくホールディングスの和田千弘常務執行役員は、

軽減税率によってお客様のニーズが変化すると思うので宅配市場はさらに伸びる、もっと強化しようという態勢。

軽減税率

伸びると見込む理由、それは秋に予定されている軽減税率の導入です。

外食の消費税率が10%に引き上げられる一方で、宅配は現状の8%が維持される軽減税率の対象になっています。

Uber Eats

[blogcard url="https://www.ubereats.com/ja-JP/"]

そこですかいらーくが目を付けたのが料理宅配サービスの「ウーバーイーツ」です。

バイクを置くスペースの問題や人件費の高さなどを理由に宅配をしていなかった都心部の店舗でウーバーを利用。

去年末はおよそ200店舗だったウーバー利用店舗を今月中に400店舗まで増やす予定です。

お客様によってはイートイン(来店)から宅配へシフトする人もいると思うが、イートインのお客様が宅配をしたあと来店回数が伸びる分析結果が出た。

軽減税率による宅配需要を生かし、お客様の来店にもつなげる考えです。

元気寿司株式会社

[blogcard url="https://www.genkisushi.co.jp/"]

この軽減税率に期待をかける企業はほかにも。

注文した寿司が高速レーンで運ばれ、回転しない寿司チェーンとして知られる魚べい。

運営する元気寿司は去年、実験的に持ち帰りの新業態をオープンしました。

なぜなら持ち帰りも宅配と同じ軽減税率8%の対象だからです。

元気寿司の穴沢真執行役員は、

税率も8%、持ち帰りを拡大できるかどうかの実験。

8~10坪で出店できるメリットもある。需要があるのではないか。

出前館

[blogcard url="https://demae-can.com/"]

こうした宅配や持ち帰りをほかの外食チェーン各社も強化。

今年秋に導入される予定の軽減税率はその追い風になると見られています。

そこでいま大手の外食チェーンから注目を集めるサービスがあります。

神奈川県相模原市にあるオフィス。

男性が何やらタブレットを操作していました。

出前館、相模原中央拠点の西澤真路配送マネージャーは、

宅配商品を店に取りに行ってお客様に届ける配送の代行をしている。

その指示出しをここでやっている。

ここではエリア内で契約する外食店およそ50店の宅配を代行しています。

宅配の注文が入るとタブレットに注文客の家と店舗の位置、配達員の現在地が表示されます。

それに基づき、10人ほどの配達員の中から選んで指示を出します。

指示を受けた配達員が店で商品を受け取り、お客様のもとに届けに行くのです。

この宅配代行を行っているのが日本最大級の宅配サイト「出前館」です。

宅配が可能な店が全国1万8,000店以上登録されています。

株式会社リンガーハット

[blogcard url="https://www.ringerhut.jp/"]

去年からこの出前館の宅配代行を利用している外食大手のリンガーハット。

宅配してもらう商品は長崎皿うどんやチャーハンです。

リンガーハットの営業戦略部、堀江純平部長は、

デリバリー・テイクアウト比率が10%を超える店もあるので、かなりの売り上げとしてはインパクトがある。

リンガーハットはかつて自前で宅配を行っていました。

しかし、宅配でスタッフが店を空けるため昼や夜の稼ぎ時に人手が足りなくなり断念した経緯があります。

そこで頼ったのが出前館の宅配代行。

おかげで増税を前に50店舗ほどで宅配を再開しました。

夢の街創造委員会株式会社

[blogcard url="https://www.yumenomachi.co.jp/"]

このサービスをいま大手外食チェーンが続々と利用し始めているのです。

出前館を運営する夢の街創造委員会の中村利江社長は、

軽減税率がほぼ決まった時から外食チェーンからの問い合わせが増えた。

出前館への新規登録店数は去年後半から増加傾向。

前の年と比べて8割近く増えた月もあります。

元々出前館は自前で宅配を行う店舗をネット上に掲載し、お客様からの受注を代行するのがサービスの中心でした。

しかし、軽減税率の導入を前にこの宅配代行サービスを一気に広げようと力を入れています。

個人店とチェーン店はどっちが多い?

地場チェーンみたいなのが多いです。

自社ではデリバリーできない。

この日は新たな宅配拠点の開発会議。

多くの店が自前で宅配できないため、その代行を担うことで登録店舗を増やし収益を高めようというのです。

そこで直営のほか、全国でネットワークを持つ新聞販売店などに宅配を委託。

現在、全国90ヶ所ほどの拠点数をこの夏までに倍増させる計画です。

宅配市場は伸びると思っているが、外食企業の利益率アップに貢献できる。

それができると好循環で宅配ニーズもどんどん増えていく。

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