栄枯盛衰が激しい飲食業界に新たなビジネスモデルが誕生しました。
そのカギはシェア厨房です。
re:Dine GINZA(リダイン 銀座)
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東京・銀座。
午後5時過ぎ、今秋オープンする新たなレストランが関係者を集めた披露会を行っていました。
ラーメンをそそるお客様の横にはカレーを食べるお客様が…
店の厨房を覗くとバラバラの衣装で料理をするシェフの姿が。
東北の食材を使ったモダンフレンチ。
スープカレーの店をやっている。
作り料理もバラバラ。
一体どういうことなのか?
ファビーの米山健一郎取締役は、
シェフのコワーキングスペースという意味で作った。
実はここ、5人のシェフが1つの店の厨房をシェアする新たなレストラン。
お客様はどのシェフからも注文ができ、モダンフレンチの前菜をとり、メインにイタリアンの魚料理、最後にスープカレーでしめることも可能です。
お客様は、
最初、サラダだと思ったが、しめの料理が先に来た。
コースにはなっていないがそれぞれのシェフの料理が楽しめる。
株式会社favy
[blogcard url="http://www.favy.co.jp/"]
このレストランを運営するのは飲食店のマーケティング事業などを展開するファビー。
このレストランを作った狙いとは?
一度店を持つと後戻りができない、簡単に変えられない。チャレンジの場として立ち上げた。
オープンから3年で8割が店をたたむという飲食業界。
最大の問題点は実際に店を構えるまで自分の味が通用するかお客様に試せる場がないことだといいます。
そこでファビーはシェフが味付けや盛り付け、価格設定などが適切か、いわばテストマーケティングできる場所を提供。
シェフはお試しで開業できます。
ファビーは場所以外にもフロアスタッフ、食器などを提供。
シェフは出店費用20万円と月額5万円、さらに売上げの45%をレストラン側に納めます。
シェフはここでいい感触が得られれば、ここを出て独立を目指します。
谷口健太郎さん
この新たな仕組みに挑戦する若手フレンチシェフ、谷口健太郎さん(22歳)。
16歳の時に地元、金沢のホテルでキッチンスタッフとして働いて以降、都内で1つ星を獲得したレストランなどで腕を磨いてきました。
資金的にも普段じゃあり得ない金額で銀座でできる機会。
1月15日午前9時過ぎ、都内の青果売り場に谷口さんの姿がありました。
レストランで出すメニューの食材を買いに来ていたのです。
アラカルトで1皿1皿提供するので、原価率や利益がどれだけ出るかを計算しながらコースに当てはめていきたい。
仕入れは大切。
どんな食材を選び、どれくらい買うのか、全てが独立のための学びの場だといいます。
谷口さんが今回、勝負に出るメニューがこちら。
皿をズラッと並べるとまるでフレンチのコース料理のようですが…
マッシュルームのスープに温泉卵を加えた「マッシュルーム 卵 香(1,000円)」。
一方、こちらはローストした牛肉にトリュフやビーツを合わせた「国産牛 穀物 茸 旨味(4,000円)」。
ネーミングが独特です。
試行錯誤して、ゴールを見つけられるよう日々頑張りたい。
メニュー名だけでなく価格や料理の内容などもお客様の反応を見ながら変えていきたい考えです。
今後、どんどん料理を変えて、初めて来たお客様が次の日に来るかもしれない。
そのときに違うものを出せるように頭を回転させて頑張りたい。
投票
このレストラン、ほかにも特徴が…
店を出る際、お客様はタブレットを操作。
一番良かったシェフに投票するのです。
3ヶ月後、ランキングを付け、1位のシェフはファビーが独立を支援し、店を開業した際のマーケティング業務を請け負います。
一方、最下位のシェフは強制的に交代となり、別のシェフが入ります。
これにより店は常に人気があり、新たなメニューを提供できます。
「AKB48などを意識?」
そうですね。投票型というか、意識している。
「かなりおいしいビジネス?」
そう思ってやっている。失敗すると思ってやっていない。