
北朝鮮が再びミサイルを発射しました。日本上空を通過し、およそ4,600kmと過去最長の飛距離となった4日の弾道ミサイルに続き、北朝鮮は新たに2発の弾道ミサイルを平壌周辺から日本海に向けて発射しました。これに対し日米韓の3ヵ国が直ちに対抗処置として共同訓練を実施するなど軍事面での応酬が激化しています。
北朝鮮"過去最長"に続き再びミサイル
厳重抗議「断じて容認できず」
岸田総理

北朝鮮が弾道ミサイルを発射した。
9月末からの短期間だけでも6回目。断じて容認することはできない。
北朝鮮を厳しく非難した岸田総理大臣。この1時間ほど前、北朝鮮は1発目の短距離ミサイルを日本海に発射、最高高度およそ100kmで距離は350km程度と推定されています。
さらに15分後に2発目の弾道ミサイルを発射。最高高度およそ50kmで推定飛距離は800km程度。
防衛省は2発目は迎撃の難しい変速軌道だった可能性があると見ています。
日本政府は直ちに北京の大使館ルートで厳重に抗議しました。
今回のミサイルの発射前に北朝鮮外務省は朝鮮中央通信で声明を発表していました。
北朝鮮外務省

朝鮮半島と周辺地域の情勢の安定に重大な危険をつくり出していることを注視している。
北朝鮮が反発したのは海上で攻撃の起点となるアメリカの原子力空母「ロナルド・レーガン」。9月下旬に韓国との合同演習に参加しましたが、日本上空を通過した4日の弾道ミサイルの発射を受け、5日から再び日本海に展開しています。
北朝鮮 軍事的挑発で高まる緊張
日韓首脳会議 歩み寄りは?
韓国軍関係者によると北朝鮮の爆撃機と戦闘機、合わせて12機が6日に韓国に近い空域で編隊飛行、射撃訓練を実施したと見られ、韓国軍機およそ30機が緊急発進しました。
こうした中、長らく関係悪化が続いていた日韓両国は北朝鮮情勢の緊迫化を受け…
岸田総理

先ほど25分間、韓国の尹錫悦大統領と電話会談を行った。
日本と韓国ともにこうした行為を強く非難することで一致をした。
尹大統領の就任後、初となる日韓首脳による電話会談。両首脳は北朝鮮に対して非難するとともにアメリカを中心とした抑止力や日韓での安全保障協力の重要性についても一致しました。
両国をめぐっては2018年に韓国海軍の艦艇が警戒監視中の海上自衛隊の哨戒機に対して攻撃の際に使用する火器管制レーダーを照射。
以降、防衛当局間での円滑な意思疎通が困難になっていました。
今回の会談に韓国メディアは…
MBNキャスター

尹錫悦大統領は少し前の午後5時35分から日本の岸田文雄総理と電話会談をしました。
現地メディアも北朝鮮のミサイルのニュースとともにトップニュースで速報。安保問題など懸案について随時、意思疎通することで一致したなどと報じました。
尹大統領はこの電話会談の前に…
韓国
尹錫悦大統領

日本の国会で岸田総理がかなり前向きな発言をした。
岸田総理が国会で日韓の連携や韓国と緊密に意思疎通する考えを示したことで安保を皮切りとした日韓関係の関係改善に期待感をにじませました。
日韓は6日に弾道ミサイルが日本上空を通過した4日以降、初めてアメリカを加えた形で共同訓練を実施。防衛省によると海上自衛隊のイージス艦「あしがら」が入った弾道ミサイルの情報共有訓練に加え、3ヵ国のイージス艦による共同戦術訓練も実施しました。
北朝鮮脅威に"機能不全"の国連
実効的な圧力に何が必要?
軍事的挑発を続ける北朝鮮に対して国際社会は結束できるのでしょうか。
これまでさまざまな経済制裁を北朝鮮に課してきた国連。
5日にアメリカの呼びかけで安全保障理事会の緊急会合が開かれました。
アメリカの代表は…
アメリカ
グリーンフィールド国連大使

北朝鮮は安保理の2つの国(中国・ロシア)から全面的な保護を受けている。
事実上、名指しされた中国とロシアもアメリカ側の行動が事態を招いたとの認識を示し、北朝鮮の立場を擁護する姿勢を見せました。
とうとうミサイルに対する非難声明を出せなかった緊急会合。しかも、会合終了間際のタイミングで北朝鮮が短距離ミサイルを発射したことで国連の機能不全を一層印象付ける結果となりました。
国連の存在感の低下について自衛隊トップの統合幕僚長を務めた河野克俊さんは…
前統合幕僚長
河野克俊さん

ウクライナ戦争を契機として米中対立が厳しくなってきた。
対米、対中露という構図になってきたとき、拒否権の効果が出てくる。物事が進まない。
こうした状況のもとで嫌煙されるのが北朝鮮の核開発です。
2018年、アメリカのトランプ政権との交渉が決裂した金正恩政権。河野氏は当時、北朝鮮の核開発は不十分だったとして、その後技術を向上させ、自信を深めたと分析しています。
前統合幕僚長
河野克俊さん

より強力な核保有国として北朝鮮が生まれ変われば、アメリカも必ず譲歩してくることを狙っているのでは。
今後はアメリカはじめ、世界に核保有国として認めさせることが北朝鮮の目標。
日本では有事に備え、陸上自衛隊のミサイルの射程を伸ばすなど、相手のミサイルの発射拠点を叩く反撃能力の強化を急いでいます。
河野氏は北朝鮮への実効的な圧力にはアメリカとともに日韓の結束が必要だと強調します。
前統合幕僚長
河野克俊さん

日本と韓国の北朝鮮に対する脅威認識をしっかり合わせることが大事。
ミサイルを北朝鮮が発射することによって日米韓で共同演習するということは、北朝鮮にとって非常に嫌ななこと。
自分たちがミサイル開発をやればやるほど日米韓の連携が深まる。