老舗和菓子店が手掛ける時間限定メニューの裏側に迫ります。
うさぎやCAFE
[blogcard url="http://usagiya-cafe.com/"]
東京・上野。
ある店の前に開店前から行列が出来ていました。
お客様のお目当ては?
「朝イチ」のパンケーキを狙って来た。
パンケーキが10分だけなので。
朝イチに10分だけのパンケーキとは一体?
10分限定パンケーキ
土日には50人以上が並ぶこともあるというこの店。
9時10分まで来店するお客様が続くので相席をお願いしています。
午前9時の開店から9時10分までに来たお客様にだけに提供するという。
早速、料理が運ばれてきました…と思いきやお皿だけ!?
主役のパンケーキの姿はありません。
数分後、スタッフが何かを持って店に入ってきました。
これが看板メニュー、10分限定の「うさパンケーキ(650円)」。
待ちに待ったその味は?
温かくてバターが溶けておいしい。しょっぱくて、甘くて、おいしい。早起きして良かった。
とてもふわふわでおいしかった。
合資会社うさぎや
[blogcard url="http://www.ueno-usagiya.jp/"]
このカフェを手掛けるのは創業100年を超える老舗和菓子店「うさぎや」。
どら焼きが有名で1日平均5,000個から6,000個売れるといいます。
実はこのどら焼きの皮をパンケーキに使っているのです。
うさぎや4代目、谷口拓也店主、
これがうさぎやのビル。地下の工場でどら焼きを焼いている。
入口でどら焼きの皮を受け取って、あちらのカフェまで全力で届ける。
うさぎやからカフェまで100メートルほどを走ってパンケーキとなるどら焼きの皮を届けているのです。
どら焼きの皮
どら焼きの皮をパンケーキにするアイデア。
きっかけは4代目の思い出にありました。
学校に行く前に工場に皿を持っていくと職人さんたちが皮をくれた。部屋に持ってきて、それにバターを付けて食べていた。この皮が食べたくて泊まりにくる友達もいた。
今でも「あれが食べたい」と思い出して話す友達がいる。
40年以上経っても忘れられないできたてのおいしさ。
それを多くの人に朝食代わりに食べてもらいたいと始めたのです。
10分限定の理由
しかしなぜ10分限定なのだろうか?
うさぎやではどら焼きを1日に何回も焼いている。焼いていないタイミングもあるのでカフェで提供するときに不公平になる。
お客様に確実に提供でき、どら焼きの製造にも支障を来さないのが朝の10分限定というワケです。
しかし、このカフェ、看板メニューはパンケーキだけではありません。
どら焼きをそのままフレンチトーストのように焼き上げた「うさどらフレンチ焼き(870円)」にどら焼きに使っているハチミツと餡がたっぷりと入ったかき氷「うさ氷(870円)」など老舗の和菓子を新しい形に変えてみせました。
オープンから3年、4代目はさらに進化させようとしていました。
昔は大人の出会いの場所として甘いものも食べられてお酒も飲める甘味処があった。
そういった艶っぽいカフェをやっていきたい。