ビジネス関連 ワールドビジネスサテライト

[WBS]追跡 円買いドル売り!"2兆8,000億円"介入の舞台裏

ワールドビジネスサテライト(WBS)

為替介入 歴史的1日に何が…

9月22日。

SBIリクイディティ・マーケット

断固たる措置に踏み切った、神田財務官。
そういうこと(為替介入)だと思う。

24年ぶりに実施された円買いによる為替介入。

鈴木財務大臣

投機による過度な変動が繰り返されることは決して見過ごすことができない。

止まらない円安を食い止めようと伝家の宝刀ともいえる介入に踏み切った政府と日銀。歴史的な1日に一体何が起きていたのか。

先月、実施された円書い介入。仕組みは財務相から指示を受けた日銀が保有するドルを売って、そして円を買います。円を買うことで円の価値が高まり円安を食い止めることができるということです。

財務相によると9月の介入額はおよそ2兆8,000億円でした。円蓋の介入としては過去最大と見られます。

その為替介入の舞台裏と日本経済にもたらした変化を追跡しました。

24年ぶり"介入"で異変!?

りそな銀行で為替の取り引きを手掛ける現場を訪ねると、最近顧客の行動にある異変が起きていました。

りそな銀行
市場トレーディング室
田中春菜さん

これはお客様の指し値注文をまとめた画面。
140円台のオーダーがかなり多く集まっている。
大きく相場が動いたところではこの大台で拾いたいお客様の意向が出ている。

注文票には140円の文字がずらり。メーカーや商社などから円相場が1ドル140円台、つまり今より4円ほど円高になったらドルを調達したいという注文が倍増していました。

背景にあるのが9月22日の円買い介入。円相場は一時140円台に急上昇しました。

商品などを輸入してドルで支払いをする企業にとってはドルを安く仕入れるチャンス。再び介入が行われる可能性に対して期待が高まっているようです。

円買い介入 舞台裏で何が…!?

24年ぶりに実施された円買い介入。その舞台裏では何が行われていたのでしょうか。

角谷暁子キャスター

ありました為替市場課。
外国為替市場の安定を図るための部署ということですが、今回の為替介入の実務の一部も担当しているということです。
関係者以外は入れないということです。

この場所でかつて円売りの為替介入を指揮した経験を持つ元財務官の山﨑達雄さん。為替介入で最も重要な作業は事前の根回しと指摘します。

元財務官
SBI大学院大学
山﨑達雄教授

介入で財務官などが一番骨を折るのは各国の理解を得ること。

実は今年7月、アメリカへの根回しがほぼ完了していました。

来日したアメリカのイエレン財務長官と会談した鈴木財務大臣のこの発言にヒントが隠されています。

鈴木財務大臣

為替の問題について適切に協力することを確認した。
私の方から日本の今の立場や状況を説明して理解いただいた。

関係者によるとこの「理解いただいた」というのが為替介入の容認だったのです。

介入を容認した背景にはアメリカ側の事情もあると話すのは11年前に財務官として円売りの為替介入を指揮した中尾武彦氏です。

元財務官
みずほリサーチ&テクノロジーズ
中尾武彦理事長

アメリカは理解しているということだと思う。
アメリカのドルは全面高。輸出競争力に悪影響がある。
ドルが少し安くなることを抵抗しないのでは。

イエレン・鈴木会談からおよそ2ヵ月後の9月中旬、銀行に日銀に一本の電話が…

日銀 担当者

ドル円のプライスをください。

これは日銀が民間銀行にドルに対する円のそのときのレート、つまり相場水準をたずねるレートチェックと呼ばれるものです。

レートを聞いた日銀の担当者は…

日銀 担当者

ナッシング。

つまり取引はしないと宣言し、電話を切ったのです。これは市場に対する一種の警告を意味し、実際の介入の一歩手前とされます。

そして9月22日。介入の実務を担当する財務相の為替市場課長が動きます。

財務相 為替市場課長

100本、A銀行とB銀行を使って30分で執行してください。

1本は100万ドル。100本は1億ドルを意味します。

実際に介入を行う日銀に対し、こうした表現で円を買うよう指示が出されたといいます。

入念な根回しを経て実施された為替市場。

2人の元財務官はどう見ているのでしょうか。

元財務官
みずほリサーチ&テクノロジーズ
中尾武彦理事長

正直、介入していなければもっと円安になっていた可能性があると思う。
やはり市場が考えていることと違うことをやらないと。

元財務官
SBI大学院大学
山﨑達雄教授

この介入をやた後は介入をやった前に比べて円相場が1日に1円とか、もっと動くことがほとんどなくなった。
そういう意味で非常に効果があった介入だったと思う。

為替介入 民間企業に影響は?

一方、今回の為替介入、民間企業にはどのような影響をもたらしたのでしょうか。

海外の製品を輸入する阪神交易。主力商品の一つが暗視カメラです。

阪神交易
森本登士社長

暗闇をフルカラーで見ることができる。

暗闇の中に写真が貼られた箱の覗き口を見てみると特殊なセンサーによって星明かりの暗闇でも鮮明な画像の撮影が可能。

夜の釣りや海の監視などに使われています。

この企業が扱っているのが全て輸入製品です。

角谷暁子キャスター

先日の為替介入の影響は?

阪神交易
森本登士社長

為替介入を経ても円安トレンドは変わらないなと。
ある程度続くことを覚悟しなければいけないと固まった。
価格改正をして長期の円安に備える決断をした。

今後はアメリカから輸入している暗視カメラなどについて20%程度の値上げに踏み切るといいます。

今回の為替介入が価格転嫁を後押ししたともいえます。

再びあるか!?円買い介入

今後の円相場について専門家は…

みずほ証券
チーフ為替ストラテジスト
山本雅文さん

アメリカがまだ利上げを続ける可能性が高い。
ドル円が150円方向に行く可能性はまだ残っている。

24年前につけた1ドル147円66銭の節目を超える可能性もあると指摘します。

再び為替介入は行われるのでしょうか。

みずほ証券
チーフ為替ストラテジスト
山本雅文さん

今後、1日に2~3円動くような形でこの145円90銭、介入前の高値を上抜けしたり、1998年の8月の高値(147円66銭)を上抜けしたりする場合、介入の可能性は十分ある。

-ビジネス関連, ワールドビジネスサテライト
-