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[WBS] 消費増税1ヵ月検証!最新データで見る消費の異変!

2019年11月2日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

日本経済新聞のデータ取材班との連動企画。

今回私たち消費者はどのような行動を取り、経済にどのような影響を与えたのでしょうか。データを検証すると想定内と想定外、それぞれの実態が浮き彫りになってきました。

株式会社日本経済新聞社

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10月31日、日本経済新聞本社。

会議室に集まっているのは編集局のデータ担当の記者たち。

彼らが見ているのが9月から10月の小売の販売データです。

日本経済新聞の松尾洋平氏、

日用品は反動減があった。

マイナスになっている。

WBSと日経は増税前後のスーパーの売上データに加え大手クレジットカードの利用状況、そして民間調査会社による5万人分の購買データなどを独自に入手。

消費への影響を分析しました。

すると意外な結果が…

日本経済新聞の三木朋和氏、

前回の消費税と同様に今回も駆け込み需要があった。

増税前、政府は、

前回のような駆け込みはないのではないか。

景気の安定のため駆け込み需要とその反動減を起こさないようポイント還元などの対策を打ってきました。

しかし、今回の調査では日用品を巡っては前回の増税時を超えるような駆け込みと反動減の動きが見られました。

なかでも影響が大きかったのが…

ケイポートの伊藤直樹店長、

トイレットペーパー。

品切れになるほど売れていた。

ドラッグストアでは8月から9月にかけて駆け込み需要があり、10月になって売上を大きく落としました。

反動減はかなりあった。全体的にいうと前年比30~40%減。

ネットの現場では…

楽天の中山初美氏、

コンタクトレンズを少し多めに買っておこうとまとめ買い需要も起こった。

楽天では4Kテレビなど高額なものに加え、おむつやコンタクトレンズのセットなどまとめ買いの駆け込み需要が発生したといいます。

反動減はあったが思ったより少なかった。

今回、増税分の2%を巡って私たち消費者が敏感に反応したことが分かるものがあります。

それが「みりん」です。

みりんはアルコール度数が10%以上で酒類、つまりお酒に分類されるため軽減税率の対象外です。

一方、みりん風調味料はアルコール度数が1%未満で飲食品となるため軽減税率の対象となりました。

この売れ行きが実際にどうだったのかデータで見てみましょう。

消費税10%となるみりんは増税前に大きな駆け込みが出て10月に入るとガクンと落ち込みました。

一方、8%のままのみりん風調味料は平坦でした。

今回、政府は増税後の景気の落ち込みにつながる反動減を心配していましたが、日用品では増税前の9月に駆け込みがあり、それによる反動減が10月に起きています。

一方で食品、軽減税率が適用されたものですが、これは8%のまま据え置かれたので大きな駆け込みも反動減も起きていません。

こちらは政府にとって想定内の結果だったといえるかもしれません。

こうして消費の明暗を分けた軽減税率ですが現場を取材するとデータからは読み解けない厳しい経済の実態も見えてきました。

台風で甚大な被害を受けた長野市。

消費の動きはどうだったのか?

台東食品の小林幹夫氏、

飲料、水やカップ麺が売れた。ケースで売れることもあった。

台風19号が直撃した10月第2週の信越地方の消費はカップ麺やミネラルウォーター類が60%増。

災害が消費の一部を支えた一方、気になる動きが…

食事や外食を少しセーブする感じがある。

気持ち的に控えめになる。

被災者が大変な思いをしているので景気が良くなればいい。

データから見えない消費者心理の冷え込み。今後、どう影響するのか?

都内にあるスーパー。

食料品は8%のまま据え置かれたためデータ上は大きな駆け込みや反動減は出ていません。

「売り上げは前年割れしていないが?」

アキダイの秋葉弘道社長、

売れているか売れていないかの話。

全体的にみれば変わっていないが内容は落ちている。

どういうことなのか?

お客様は今すごく価格への関心が高い。

こちらの店では増税の影響で消費者に節約志向が高まったため今まで以上に利益を削って販売せざるを得ないといいます。

売り上げは変わらない。お客様も変わらない。収益が落ちる。

非常に厳しい状況。

消費増税から1ヵ月、与党自民党の税制の責任者はどう見ているのか?

自民党の甘利明税調会長。

駆け込みは少ないし反動減も限定的。

問題は消費の多少の落ち込み。

それが常態化しないように、前回は消費が戻ってくるのにすごい時間がかかった。

今回はできるだけ早く消費税引き上げ前の水準に戻るように注視していかなければならない。

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