
医療の現場では新しい治療法が動き出します。
新型コロナ感染症から回復した人の血液成分、血しょうを投与する血しょう療法の治療が来週から日本で試験的に始まることがテレビ東京の取材で分かりました。
すでにアメリカや中国などで行われ、一定の効果が報告されています。
この血しょう療法に日本で取り組む最前線を取材しました。

国立研究開発法人 国立国際医療研究センター
[blogcard url="https://www.ncgm.go.jp/"]
国立国際医療研究センターの忽那賢志医師、
回復者血しょう療法という臨床研究が承認された。

新型コロナに対し特異的な治療であるという意味で最初の治療法になる。

来週から試験的に始まる血しょう療法とはどのようなものなのでしょうか?

病院では血しょう療法に必要となる血しょうの採取が進められていました。

横たわってているのはコロナウイルスから回復した元患者です。

始めましょう。

血しょうとは血液から赤血球などの血球を除いた液体部分のこと。

機械で血しょうのみを取り出します。
「これが血しょう?」

コロナウイルスの抗体が含まれている。

この黄色みかかった液体が血しょう。

この中に感染したことで体内に作られたコロナウイルスの抗体が含まれています。

血しょう療法はこの抗体が含まれた回復者の血しょうを感染している人に投与する治療です。


投与した抗体がウイルスをやっつける効果があると期待されています。
1度に1人の患者から取れる血しょうは400mlまで。1時間かけてこの日の分を取りました。
これで2人分くらい治療できる。

コロナウイルスから回復した白石さん、
命助けられる?
助けられるといいなと思う。

1日も早くコロナが収束しないと。

またきょうの分も量らせてもらう。

何を量るのか?
それは血しょうに含まれる抗体の量です。

回復した人が誰でも治療に使える抗体を持っているとは限りません。
また抗体がいつまで残っているかも分からないのです。
抗体の量の測定結果が出ました。

回復者の平均が0.6くらい。すごく高い。

他の人の4倍くらいある。

血しょうを採取した白石さんは回復者の平均の4倍もの抗体を持っていました。

これなら血しょう治療に十分使えるといいます。
軽症の人が抗体ができないわけではないが傾向として重傷者の方が高い抗体値を持っていることが多い。

今は元気な白石さんも実は4ヵ月前まで生死を彷徨うほどの重症患者でした。

こちらが治療の記録。
3月末に37度8分の発熱をし、4月1日にコロナウイルスの感染が判明しました。
翌日には集中治療室で人工呼吸器を装着しますが厳しい状況。
すぐに転院し、人工心肺「ECMO」を装着しました。

当時どれだけ苦しかったかを聞くと意外な答えが…
実はあまり記憶がない。

かかりつけの町医者に行った記憶もないし、大学病院に行った記憶もない。

肺がちゃんと機能していなかったので脳に酸素がまわっていなかった。

記憶が吹っ飛んでいる。

遡って記憶が曖昧になるほど重症でした。
白石さんは抗体がある限り、この先も血しょうの提供を続けていくといいます。
家族は大変だった。役に立っていることは報われると思う。

特効薬に代わると期待される治療法ですが、治療は慎重に進める必要があるといいます。
輸血によって起こるアレルギー反応、肺障害などもまれに起こると報告される。

しかし、すごく副作用が多いということはおそらくないだろう。

期待はできるのではないか。
