8月13日、韓国最大の財閥「サムスングループ」のトップが仮釈放されました。
サムスンは韓国のGDP、国内総生産の2割近くを稼ぎ出すトップ企業です。
今回の仮釈放の背景には韓国の苦しい経済事情と半導体の世界的な激しい競争がありました。
サムスン電子
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ソウル支局の横堀拓也記者。
たった今、サムスン電子の李在鎔副会長が拘置所から出てきました。
8月13日にソウル拘置所から仮釈放され、カメラの前に立ったサムスングループトップの李在鎔副会長。
私に対する心配、非難、憂慮、それから大きな期待をしっかり聞いている。
今年1月に朴槿恵前大統領への贈賄の罪などで懲役2年6ヵ月の実刑判決が確定し、収監された李副会長。
捜査段階の拘束期間を含め、刑期の6割を終えて仮釈放の要件は満たしていますが、国民からは財閥に対する優遇だと厳しい声も上がっています。
他の人だったら同様に仮釈放になったかというとそうとは言えない。
すべての人が法律の前で平等であるべきだが影響力がある人には寛大で、そうでない人には厳格に適用されていて言葉にならない。
その一方で国民の7割が仮釈放に賛成したという世論調査も。
新型コロナの影響で落ち込んだ韓国経済の再生に向け最大財閥サムスンのけん引力が期待されているのです。
朴範界法相。
新型コロナの長期化による国家的状況と世界的な経済環境を考慮し、サムスン電子の李在鎔副会長が仮釈放の対象に含まれた。
韓国大統領府も…
韓国大統領府の朴洙賢国民疎通首席秘書官。
仮釈放は国益のための選択だと受け入れている。
国民の皆さまにも理解してもらいたい。
そのサムスンがいま取り組む象徴的なプロジェクトが…
こちらでは現在、非常に多くの建物が建設されています。
完成すれば世界最大規模、東京ドーム62個分もの敷地で進む巨大半導体工場の建設です。
メモリー半導体分野で世界トップシェアを誇るサムスンは2030年までに自動車用などメモリー以外のシステム半導体分野におよそ17兆円の投資を予定。
存在感を増す台湾の半導体メーカーなどに対抗していきたい考えです。
さらに韓国内の雇用の増加や地域経済への貢献も期待されいるのです。
今年5月にこの建設現場を訪れた文在寅大統領。
韓国政府も半導体強国となるために企業と一心同体となる。
期待を一身に背負う李副会長ですが、仮釈放中は経営参加への制限があるほか、株価を不正に操作した罪など別の事件の裁判も引き続き控えているため、どこまで陣頭指揮を取れるかは不透明です。