
グッと集中して念じるだけで物を動かしたり、自分の気持を伝える。まるでSFのような世界を可能にしそうなのが「脳科学」なんです。
この脳科学を介護やビジネスに活用する動きが始まっています。
最新の研究を取材しました。
株式会社メルティンMMI
[blogcard url="http://meltin.jp/home/"]
東京・渋谷区にあるベンチャー企業、株式会社メルティンMMI。
こちらで世界最先端の研究が行われています。
大浜平太郎キャスターが聞きます。
手のロボットみたいなものからいっぱいワイヤーが出ていますけど、これは何なんですか?
株式会社メルティンMMIの粕谷昌宏さんによると、
こちらは筋電義手というもので手をなくされた方が自分の手の代わりに使うロボットハンド。
自分の思った通りに動かせるという義手。
早速、センサーを取り付けて体験してみました。
取り付けたセンサーで脳から腕に送られた電気信号をワイヤレスで義手に送信。この仕組みを使えば腕のない人も脳からの指令だけで義手を思い通りに動かすことができるのです。
実際に右腕を無くした人が使用した時の映像では、まるで本当に自分の手のようなスムーズな動きです。細い持ち手もしっかりと持ち上げることができます。
さらにこの義手は障害を持つ人以外にも活用方法があるといいます。
先程のセンサーを顎に装着します。口を開けると義手が動きました。脳から口の筋肉に伝わった信号を義手を動かす信号と認識させたのです。そうすることで義手を第3の手として使うことができるのです。
基盤を抑えながらのハンダ付けはフラストレーションがあった。「もう1本、手があれば」と思った時に3本目の手になるのではと。
頭の中の考えを可視化!脳科学を介護に生かす
国立研究開発法人産業技術総合研究所
[blogcard url="http://www.aist.go.jp/"]
さらに脳科学を介護の分野に生かそうとする動きもあります。
村松由美子さん(63歳)。12年前に難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症しました。
ALSを発症すると体が動かないだけでなく言葉を話すこともできません。そのため夫の松村敬章さんとのコミュニケーションは目線で文字盤の文字を示すことで松村敬章さんに意思を伝えているのです。
松村敬章さんはコミュニケーションを取る難しさを口にします。
たくさんの情報を相手に伝えることが難しいということは重々わかる。出来るだけ本人の思いをくみ取って接していかないと。
そこで立ち上がったのが国立研究開発法人産業技術総合研究所の脳科学者、長谷川良平さんです。
長谷川良平さんは脳波を解読することでコミュニケーションを取る研究をしています。
まず脳波を測るヘッドギアを装着します。モニターに表示されているのはトイレ、吸引など8つの選択肢。自分がしたいことが光った時に、これだと意識した時の脳波を測るのです。
村松由美子さん、あらかじめ選ぼうと思っていた選択肢を松村敬章さんに伝えます。答えはもちろん他の人には内緒です。
それでは実験スタートします。
集中する村松由美子さん、結果はトイレを選択しました。
正解です。
村松由美子さん、自分の気持ちを伝えることができました。
本人の表現能力が高まることなので素晴らしいと思う。製品化して患者さんのために早く手元に届けて頂きたい。
さらに長谷川良平さんはこの技術を応用した脳波で動くロボットをNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援のもと開発していました。
ロボットを通して様々な表現が可能です。
思わず買いたくなる?脳科学で商品開発
国立研究開発法人産業技術総合研究所
こうした脳波を解読する技術はビジネスの世界でも注目されています。
長谷川良平さんは、
どういう製品を作れば脳にインパクトを強く与えることが出来るか分かる。
長谷川良平さんを訪ねてきたのはキリン株式会社の研究開発推進部、岡田和也さんです。
商品を見た瞬間の印象とか興味、そういったところを探れないか。
キリン株式会社は現在、脳波を解読する技術の導入を検討しています。消費者が何を好むのか販売に生かせると考えているからです。
福祉に限らず広く産業分野への応用を勧めたい。将来的に広い産業分野に応用することが出来れば量産化や低価格化につながる。
日々、進歩を続ける脳科学。今後も様々な分野に広がりを見せそうです。