お盆も過ぎて一歩ずつ秋が近付いています。その秋の味覚といえば代表的なのがサンマです。
サンマの群れは毎年8月半ばから秋にかけて産卵などのために日本の近海に南下してきます。
ところが今年はこのサンマの群れがほとんど見られないといいます。サンマの漁獲量日本一を誇る花咲漁港では深刻な事態に陥っていました。
株式会社駒八
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都内に10店舗を構え、サンマ料理が売りの居酒屋「駒八」。
8月20日から全店舗で毎年恒例の「さんまフェア」を開催する予定ですが…
駒八の八百坂仁社長、
サンマの刺し身とすしはあしたのスタートに間に合わない。
新鮮な生のサンマが手に入らないためメニューに掲げた刺し身や握り寿司が提供できないのです。
フェアのはじまる8月20日は去年の冷凍サンマを使い塩焼きや竜田揚げなど火を通した商品を提供します。
常連客は、
サンマの刺し身が食べられないのは残念。
実は今回のフェア、漁師や仲卸からサンマの水揚げがあるとの情報を元に開催日を決めましたが、先週末に「サンマは提供できない」と突然連絡があったのです。
サンマがとれるとれないを繰り返しているが、ここまで待っても揚がって来ないのは例がない。
日本一の漁港で異常事態
いまサンマ漁はどうなっているのか。
サンマの水揚げ量日本一を誇る北海道根室市の花咲漁港を訪ねました。
高島嘉成記者、
午前5時です。小型の船が戻ってきました。
待望のサンマは獲れたのでしょうか…
しかし、水揚げされたのはイワシ。
「本当はサンマがとりたいんですよね?」
第八十八好恵丸の西村静さん、
うん。
「今年は全然だめ?」
見込みなしだね。
実は今月10日の解禁以来、花咲港に水揚げされたサンマはなんとゼロ。
記録的な不漁が続いているのです。
第三十五東陽丸の池田春雄さん、
サンマをとって30年たつけど、9月を目の前にしてゼロは考えられない。
こちらの船は漁に出ることを辞めました。
水揚げゼロ。赤字。
油(燃料)だけ使って帰ってくるなら漁に出ない方がいい。
今朝の競り、サンマがない中、イワシは1キロ100円前後で取引されました。
漁師によるとこの時期のイワシの値段はサンマのわずか1/10程度だといいます。
サンマがとれなかったら、みんな倒産する。
漁師だけじゃない。加工場だって今の時期サンマが主流。
悠長なことは言ってられない。生活がかかっている。
不漁の原因の一つが温暖化の影響。日本周辺の海水温が高く、低温を好むサンマが近海に近寄りづらい状況が続いているといいます。
水産庁は日本近海にやってくるサンマは9月中旬までは極めて少ないと予測。増えてくるのは9月下旬以降になるとみています。
ただ群れの量は去年を下回る予測です。
歯舞漁港花咲市場、鈴木祥高部長、
異常事態です。
「大型船が出ていくのが?」
今晩の12時以降。これで全船出漁。
「大型船の結果で小型船の動向変わる?」
変わってくると思う。
長期的な予報もあまり良くない。少しでもとれてくれれば。
8月20日に解禁される大型船のサンマ漁。漁師たちは朗報を待っています。