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[WBS] モノが売れない時代に…ブランド戦略に賭けるマツダ!

2016年10月20日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

マツダ株式会社

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10月8日、株式会社関東マツダ目黒碑文谷店。

午前10時過ぎ、若い男性が来店しました。田島悠希さん(25歳)。

7月に発売された新型のアクセラスポーツに試乗するのです。

営業担当の佐々木佳鯨さんから説明を受け、午前10時半に出発。

営業マンの同乗はなし。一人でドライブです。

これは株式会社関東マツダが全店で導入している無料の1日試乗。

お客様にじっくりと試してもらい、その価値を体感してもらうのが狙いです。

思ったより軽い。小さい踏み込みでめちゃくちゃ加速する。

午後4時過ぎ、田島悠希さんが5時間あまりの試乗を終え店に戻ってきました。

店内への商談へ。

ここはマツダブランドの世界観をアピールする新しいタイプの店です。

実際に乗っていかがでした?

3~4時間乗らないと分からないなと。最後の方はなじんできた。

スカイプラン

車を気に入った様子の田島悠希さん。見積もりを出してもらうことに。

すると佐々木佳鯨さんがあるプランを提案しました。

マツダのスカイプラン。車両本体価格の50%を「残価」として残すプラン。

いま車の買い方として主流になりつつある残価設定型クレジット。

田島悠希さんが試乗したアクセラの市場価格は税抜き226万円。オプションや税金などを含めた総支払額は281万円です。

3年後に車両価格の半分の113万円で買い取ることを前提に、残価、つまり下取り価格をあらかじめ差し引きます。

田島悠希さんは頭金を50万円に設定し、残りは118万円。

その金額を年率2.99%の金利で3年(35回払い)かけて返済するというものです。

月々の支払いは3万9,000円くらい。

これは予算内なのできつくない。

他社でも見積もりを出していた田島悠希さんですが、残価の高さに驚きを隠しきれません。

他社だと高くても残価30%とか。びっくりした。半分の50%が設定されるのは。

なぜマツダ株式会社は50%という高い「残価」を、つまり下取り価格を設定することができるのでしょうか?

目黒碑文谷店の片桐洋志店長によると

以前だと値引きに頼る販売があったかもしれないが、今は本当に商品の価値をお客様に理解してもらって、その価値が維持されて下取り、リセールが高くなっている。

SUV LAND 横浜町田

そこで中古車の販売店を訪ねてみました。

かつてのマツダ車の状況を知るお客様がいました。

言葉は悪いが「マツダ地獄」。1回買うと下取り価格が他社に持っていくとすごく低いので、次にまたマツダを買わないといけないというのがあった。

ところが売り場を見てみるとマツダ車の扱いは大きく変わっていました。

2013年に新車が約315万円したアテンザワゴン。3年以上使われた中古車が約270万円で売られています。

CX-3は2015年式で約260万円。1年間使われた中古車の価格は約240万円。

いずれも残価が50%を超える水準となっています。

売れ行きも好調で若者にも人気だといいます。

ネクステージ SUV LANDの安藤滋一さんは

最近のマツダ車は本当に値落ちしない。

マツダR&Dセンター横浜

マツダはどのように車の価値を引き上げてきたのか?

先週、マツダはデミオとCX-3の商品改良を発表しました。

その会場にはアクセラとアテンザも展示。

いずれもこの3ヶ月で商品改良されたモデルです。

マツダ株式会社の商品本部、柏木章宏主査は

「一括企画」という言い方をしている。ある技術が搭載可能になったら、他の車種に展開するのが楽になる。商品改良がタイムリーにできる、そういう基盤がある。

「一括企画」とは全車種の構造や特徴の共通化。

デミオのエンジンルームを見てみると、他の3車種と作りが非常に似ています。

共通化の効果で最新技術をすぐに横展開できるようにしブランド全体の価値を高めようとしているのです。

マイナーチェンジ

今回はどんな改良がなされているのか、大浜平太郎キャスター、まずは旧型車でカーブを走ります。

この辺の感覚を覚えておく。

続いて新型車で同じカーブを走ると、

カーブを曲がっている時に「体の持っていかれ感」が少ない。

同じカーブを曲がった旧型車と新型車。比べると旧型車のほうが遠心力によって車体が外側に傾いています。

今回搭載された新技術ではドライバーがカーブでハンドルを切り始めると、その動きを認識しエンジンのパワーを僅かに抑えます。

これにより荷重が2つの前輪に移りタイヤがしっかり路面を掴みます。

この技術で、より安定した状態でカーブを曲がることができるのです。

スーッと曲がる。乗り比べているから分かる。

マツダ株式会社はこうした地道な改良で、まずいはマツダのユーザーを囲い込みたいと考えているのです。

マツダ株式会社の福原和幸常務執行役員は

国内市場は大きく右肩上がりになる市場ではない。また次に選んでもらえるブランドになりたい。

新たなファンを作る努力は東京・六本木の展示会でも。

国内で年内に発売する予定の新しいロードスター「ロードスターRF」を一般向けに公開していました。

マツダ株式会社の商品本部、中山雅主査は

レザーシートは高い革、なめしをきれいにした革。

そこに開発責任者の中山雅主査が自ら、通りすがりのお客様に車の魅力をアピールしていました。

話してもらうとすごく伝わってくる。

マツダブランドのファンをいかに増やすか、地道な挑戦は続きます。

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