ユニクロが7月2日に東京都内の店舗で発売した夏物の新商品。商品タグをよく見ると「MADE IN TOKYO」と書いています。

実はユニクロを展開しているファーストリテイリングが都内に立ち上げた初の自社工場で生産したものです。
ユニクロは一体なぜ東京に工場を造ったのでしょうか。

株式会社ファーストリテイリング
[blogcard url="https://www.fastretailing.com/jp/"]
有楽町にあるユニクロの旗艦店「UNIQLO TOKYO」。

店内にはメード・イン・東京を掲げた売り場ができていました。

ユニクロは7月2日、都内の工場で生産したワンピースなど3つの商品を発売。この店と通販サイトでの限定販売です。

UNIQLO TOKYOの二俣芳さん、
ユニクロ初のメード・イン・東京の商品。

東京でつくられていることで高品質なところもアピールできる。

発売したのは3Dニットと呼ばれる人気商品。特殊な製法で編み上げ、縫い目や継ぎ目が一切ないのが特徴です。

東京の工場で作っているってこと?へぇ~。

日本ではなく東京というのがすごく変わっている。

工場があるのは東京・江東区。

ファーストリテイリングが4月に立ち上げた東雲工場です。その内部が初めてメディアに公開されました。

ユニクロの3Dニット事業、宇津野智哉推進室長、
こちらは3Dニットを編む機械。

ちょうど今年の秋冬商品を編んでいる状態。

3Dニットは1つの機械で1着まるごとを立体的に編み上げます。

東雲工場では1日およそ1,000着を生産できるといいます。

ファーストリテイリングはなぜ土地代が人件費が高い東京に自社工場を立ち上げたのでしょうか?

本部がある有明から近い距離にあるのが最大の理由。

商品開発の拠点となるユニクロの有明本部。

そこからおよそ2キロの場所に東雲工場はあります。なぜ距離の近さが重要なのか?

それは開発現場とのコミュニケーションが取りやすくなるからです。

こちらは有明本部にある3Dニットの開発現場。

3Dニットのプログラムを作っている。

ここが袖、ここが身頃、ここが袖。

3Dニットは専門のスタッフが編み目の一つ一つをプログラミングして開発。しかし、すぐに量産化できるわけではありません。
大量生産をしたときに予期せぬトラブルがいろいろ発生する。

実際その現場(工場)に行って原因を突き止めて、新たにプログラムを書いていく。

実はこの東雲工場は量産化に向けた最終調整などテスト生産を行う拠点としての役割も持っています。

有明本部で開発された3Dニットはこれまで和歌山県にある工場でテスト生産を行っていました。ところが東京と和歌山では距離があるためスタッフの移動や試作品のやり取りに時間がかかっていたのです。

こちらはテスト生産で出てきた問題の例。

テストで編んでいくと難しい曲面の所に穴が出やすい。

東京に工場を設けたことでテスト生産で生じる穴開きなどの不具合を素早く修正できるようになったといいます。
ユニクロはこれまで長ければ半年ほど掛かっていた量産化までの期間を1~3ヵ月に短縮できると見込んでいます。

これにより消費者のニーズを反映した商品をいち早く量産し、店頭に並べることが可能になるとしています。
海外に取引先(量産工場)があるので、ここ(東京)で構築した生産の仕組みを海外の取引先に共有し、ユニクロ全体の生産の向上につなげていきたい。
