2017年4月、ふるさと納税について寄付に対する返礼品が過剰になっているとして総務省が通達を出しました。
返礼品の割合は寄付の3割まで、さらに商品券や価格の高いものは不可ということにしました。
自治体には困惑が広がりました。
正直、ああいう通達が来て驚いている。
いつまでもあると思うなふるさと納税。
草津町
日本有数の温泉街群馬県草津町。
2017年度の観光客数はバブル期の300万人超えの330万人に達する見通しです。
この盛り上がりを支えるのがある商品券。
今回これを使うために草津に来た。
草津町限定で使える商品券でふるさと納税の返礼品として配っています。
しかし3月31日の高市総務大臣(当時)、
少なくとも3割を超える返礼割合の返礼品については速やかに「3割以下」とすること。
加熱する返礼品競争を危惧し総務省は4月、返戻率の引き下げと換金性の高い金券などの取り止めを指示しました。
草津町は商品券を残しつつ10月から返礼率を5割から3割へ。
その結果、寄付金の受入額は前年に比べて8割減少しました。
黒岩信忠町長は商品券の発行が減ると観光客も減ってしまうと憤る。
法律上、総務省に指摘されることは何もない。これほど地方創生に役立つ事例はないとの自負心を今でも持っている。
草津町だけではありません。
宮崎牛の返礼品だった宮崎県都城市では返戻率を下げてから寄付金は6割減少。
長野県伊那市でも返礼品から家電を除外したところ7割も減りました。
自治体は返礼品の見直しを模索しています。
寒河江市
山形県寒河江市。
元々はさくらんぼ、米など地元の特産品を売りに寄付を集めていました。
総務省から通知をきっかけに導入したのが、郵便局員が高齢者を見回りするサービスです。
ところが・・・
「見守りの申込件数は?」
まだありません。
一方、寒河江市が寄付金集めに成功したものもありました。
本山慈恩寺
瑞宝山本山慈恩寺
奈良時代に建立され国の重要文化財に指定されています。
2年前、油のような液体が本堂にかけられ修復や防犯対策の費用が必要になりました。
布施智典管長代行は、
拝観料や賽銭などの浄財をいただいてやっているので到底、そこまで手が回らなかった。
そこで寒河江市が文化財の保護を訴えて寄付を呼びかけたところ、目標の倍の900万円以上が集まりました。
修復だけでなく防寒カメラを10ヶ所以上設置することができました。
佐藤市長は、
ただ返礼品が欲しいということで寄付するよりも、地域の課題解決のために参画するということで、ふるさとを支える気分に、そういう心をくすぐる取り組みなのでは。
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