10月5日にノーベル物理学賞の受賞が決まった日本出身の真鍋淑郎さんですが、アメリカで記者会見に臨み、喜びを語りました。
国立研究開発法人海洋研究開発機構
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日本時間の10月6日未明に開かれた会見。学生や職員らが真鍋さんを拍手で迎えました。
ノーベル物理学賞に決まった真鍋淑郎さん。
私が勉強を始めた気候変動の取り組みがこんなに大きな結果をもたらすとは想像もしていなかった。
私はただ好奇心でやってきただけ。
好奇心が研究の原動力と話す真鍋さん。今なおその好奇心は衰えていないようです。
いま私たちは地球温暖化という大きな危機に直面している。
気候変動や過去4億年どのように進化してきたかを研究することは非常に楽しい。
そして、この好奇心を陰ながら支えていたのが妻の信子さん。
真鍋さんは妻とのあるエピソードを明かしました。
私は車の運転が非常に下手。
突然何かを考え始めると信号機に注意を払えなくなってしまう。
だから彼女は素晴らしいドライバーになってくれる。
これは私が研究に100%集中できることを意味する。
ありがとう。
日本人がノーベル賞を受賞するのは外国籍を取得した人も含め28人目です。
真鍋さんが残した研究が今も生かされている場所がありました。
海や地球に関する研究開発を行う海洋研究開発機構です。
海洋研究開発機構の環境変動予測研究センター、河宮未知生センター長。
これが日本の気候変動予測に使われているスーパーコンピューター。
4代目の「地球シュミレータ」だが初代の立ち上げに真鍋先生が尽力された。
これは「地球シミュレータ」と呼ばれるスーパーコンピューター。
その初代モデルを開発する際に性能についてアドバイスしたのが真鍋さんです。
赤いところが気温が高いところ。青いところが気温が低いところを示している。
大気がどう動くとか、熱を受けたとき大気や海がどう温まるとか全部に物理法則があるので全部コンピューターに教えてあげて一つ一つ解いていくことによって未来の地球の様子が分かる。
こうした研究データは国連の専門家の会議でも使われるなど世界で活用されているのです。
海や大気を含めた地球環境がコンピューターの中で再現できることを最初に示したのが真鍋先生。
真鍋先生の研究がなかったら最近の雨の降り方が変だというのも、どうも温暖化が絡んでいるらしいというのも何も分からずになぜなんだろうと誰も分からない状態でいたかもしれない。
その研究内容のどんな点が評価されたのか市民向けに解説するイベントが開かれました。
日本科学未来館の化学コミュニケーター、太田努さん。
複雑な現象を2つのモデル、シンプルなモデルで表したことがすごい。
二酸化炭素が2倍になると気温が2度くらい変わるシミュレーションを出した。
真鍋さんの受賞に触発され気候学に興味を持った学生も。
「晴れ」が地球温暖化につながっていることを見て気象はびっくりするくらい深いと思った。
気象学に前から少し興味があった。
分からないことが多かったので今回で気象の仕事をやりたいと思った。